大林宣彦監督作品を観るのは『HOUSE』『花筐HANAGATAMI』に続いて、やっと3作品目。
もうだいぶわかってきましたよ、大林宣彦監督作品の観る側のスタンスが。
とにかく観てりゃいいんですね。
目を開けて、
耳はまぁ普通は開いた状態ですから、
とにかく目を開けていれば良い。
***
冒頭から何をしたいのかどこへ行こうとしているのかひたすらにわからないんですけど、、
意外とラスト近くになるとちゃんと解説をしてくれる。
これは『花筐HANAGATAMI』がそうでした。
「この映画で言いたいことはこういうことです」ってのを重ねて重ねてさらに重ねて説明してくれます。
だから心配いらない。
***
さすがに僕も映画好きの一員ですし、
宇多丸さんも好きなので、
当然「深町一夫昏睡●●●犯説」も知っていますよ。
でも聞いただけでは何のこっちゃでした。。
何の話をキャッキャッ盛り上がってるんだ、あのお兄さんたちは、と思っていました。
そのおかげで、、
そのシーンが来たら、もうそれにしか見えない。。
完璧そうじゃん。。
(大林監督が認めた、というのも聞きました。そうなのかよ!)
***
でも、
「深町一夫昏睡●●●犯説」を聞いていなかったとしても、たぶんそういう風に感じ取れたんじゃないかな、、と思います。
だって、この映画、性の匂いをプンプンさせてるじゃん。。
プンプンっていうかモンモンっていうかムンムンっていうか。
***
妙に色気ムンムンの根岸季衣の足とか、
僕は理解できませんが、
元タイガースでとうじ36歳の岸部一徳もセクシーだったのでしょう。
彼がネクタイを緩める動作を原田知世が釘付けになるわけですが、
男性がネクタイ緩める動作ってのはセクシー動作のひとつなわけでしょ。
原田知世の白ブルマをじっくり写したり。
原田知世も枕元にある、なんかキスするおもちゃを見るたびに必ずキスさせて、ウフフ♪なんて顔するし。
今だったら問題になりそうな、、子役っていうか、男女の幼児に指を吸わせるっていうシーンとか。
全編、ずっとムンムンさせてるんですよ。。
***
なのに、原田知世は完全なる無垢。一切の邪気がない。。。
これがこの映画の奇跡ですね。。。
エンドロールのNGシーンでさえもそれが崩れない。。
ほとんど妖精か、概念のような存在。
概念ですね。
少女という概念。
***
その少女の性の目覚めのある時期を切り取ってるわけですね。
もうとんでもない激ヤバ映画じゃないですか。。
***
原田知世の若い頃の映画を観たことなくて、
『落下する夕方』は大好きだし、それ以降の活躍しか知らないので、
若い頃の原田知世の魅力がわかっていませんでしたが、
あの、何も映っていないかのような瞳が素晴らしいですね。
でも、やっぱこの映画、、かなりやばいので、、あんま褒めると自分のヤバさを公表するようで、ためらいが生まれてくる。。
****
尾美としのりってどういうスタンスだったんですかね。
ゴローちゃんがかわいそ過ぎるってのは誰もが感じることでしょうけど、
尾美としのりだって当時ならアイドル俳優でいけるルックスだと思うんですけど、
何であんなに「邪険に扱われて当然」のキャラだったんでしょうか。
深町とそんなに顔のレベル変わんないと思うんですけどね。。