私たち夫婦は郊外の一戸建てに住んでいるのですが
近所で新しい家が建築されたり、屋根や外壁塗装の工事をしたりするたびに
業者が営業にやってきます。
言うことはいつも決まっていて、
「あそこで工事をしている者だが、お宅の家の屋根が壊れているので
教えてやれと親方に言われてやって来た」
というものです。
私は営業だと分かっているので、
適当に応対してお帰りいただいています。
すると、今度は隣の家に行って同じセリフを言っているので
私はやっぱり営業だったと確信するのです。
先日、また同じ手口の業者がやってきました。
私はワクチンの副反応で具合が悪かったため、
夫に応対してもらいました。
「屋根に絶対上げてはだめだよ」と念押しして。
私は部屋で寝ていましたが
なかなか夫が帰ってこないので、不安になりました。
しばらくすると、ガンガンガンと屋根を叩く音が家中に響き渡り
私はあわてて家の外に飛び出しました。
外に出ると、我が家の屋根に梯子がかかっており、
夫が心配そうに上を見ていました。
「屋根に上げてはだめだと言ったのに!」
私は怒りで頭が爆発しそうになりました。
家に戻ってきた夫を詰問すると
「屋根が壊れていたらしい。写真を撮ってもらったよ」
と言って、写真を見せてくれました。
屋根のスレートがめくれあがって、地の白木が見えていました。
夫は、業者が屋根を叩いていたことには気が付かなかったそうです。
「壊されたんだよ!!」
私は怒りでいっぱいになり、夫を責めました。
すると夫は、
「壊して彼らにメリットがあるわけないじゃないか。
わざわざ教えてくれたんだ。ありがたいと思わなきゃ。」
と反論してきます。
今となっては、どちらが正しいのか分かりません。
でも私は、このことを思い出すと
今でも怒りでいっぱいになり、夫を責めてしまいます。
夫と話し合い、これはいい機会だと思って、
別の業者を呼んできちんと点検してもらおう、
そして、必要なら、屋根や外壁塗装の工事をしよう、ということで
落ち着きました。
「俺は人を信じるよ!」
と夫は胸を張って言いましたが
私は今後、夫が詐欺の被害に遭わないかが心配です。