山根子典子さんが逝ってしまいました.
同窓会報が送られてくると、訃報の欄を初めに見てしまうのは恥ずかしいと
思いますが仲間に聞くと同じことを言っているので少し安心しました。山根さ
んの訃報を見たのは昨年になりますが、山根さんにはいろいろお世話になった
ことを紹介したいと思います。その前に教育的なことを少し紹介しましょう。
学生時代有機化学の実験の際に失敗したことがありました。実験の指導書に
書いてあったある合成実験で ”酸を入れると猛毒のガスを発生するので絶対
に酸を入れて”ここで改行されていたことをうっかりして酸を入れてしまうと
ころでしたが、周囲の仲間がそれに気付いて慌てて止めたことがありました。
このことが教訓となって指導書は最後までよく読んでから実験を始めること
が実施されるようになりました。もう一つの例は丸底フラスコの中に薬品を
入れて反応させる実験でしたが、昼休みに実験を始めていたのですが、なか
なか反応が始まらないのでどうなっているのかと上から覗いたのです。運悪
くそのとき激しい反応が起きて彼女の顔面に薬品がかかってしまいました。
そのために彼女の顔はケロイド状になってしまいました。ちょうど私が近く
にいたので彼女を抱えて水道蛇口の下に持って行き鼻をつまめと言って顔を
流水でしばらく洗いました。そして救急車で病院に運ばれていったので傷は
ほとんど残らず元のようにきれいな顔に回復しました。化学実験はちょっ
とした不注意によって思わぬ事故につながることがあります。指導者の方
々そして実際に実験を行う方々、十分な準備をしてから実験を始めましょ
う。こういうことは実験だけに限りませんが。 山根さんは私と同じよう
な考え方をすることが解りました。私は親に ”自分がやられて嫌なこと
を他人にするな”と言われて育ちました。山根さんは逆に ”他人にお世話
になったことがよほど嬉しかったと見えて困っている人がいるとお世話を
するようになった”ようです。この例はまだ当事者が生存しているので書く
ことを控えますが、私の場合と表現がまるで逆なのも面白いですね。山根
さんの方が積極的だったといえるようです。 山根さんは就職してからも
きちんとした仕事をするので、絶対的な信頼を受けていました。もっと親
しくお付き合いさせていただきかったと残念に思います。
遅ればせながら、山根さんのご冥福をお祈りします。