続ストーカー6

2023-01-05 09:46:52 | 日記
結局、同僚の遥加は食事をしただけで、進展も無いまま数日が過ぎた。

「今日は、まっすぐ帰るの?」

「あ、はい。」

「たまには、ご飯食べて帰らない?」

仕事で同行している坂元先輩が、七美を誘った。

最近では、同行も少なくなっているので、久しぶりだ。


静かなレストランに入った。

「慣れた?」

「はい。おかげさまで。」

「君は、本当は営業希望では無いんだって?」

「はい。私、営業は向いてないと思うんです。」

「…そうか…。だけど、頑張っていると思うよ」

「…そうですか?」

「得意先のS社のMさんが、君をほめていたよ。」

「そうなんですか…うれしいです」

自信のないことをほめてもらえると、力が湧いてくる。
 
「多分、ある程度営業を経験したら、次は内勤になると思うから、もう少し頑張って!」

早く内勤に就きたい…と、思ったが、このまま営業の坂元先輩と食事をすることも無くなるのかも…と、思うと、寂しさを感じた。