「あの、私…!」
「少し酔っちゃったかな?もう、帰ろう」
「あ、はい…💦」
子供が居ることを伝えようと思ったが、チャンスを逃した。
「最近忙しくなってきて、ちょっと疲れているんだ。だから酔いがまわるのが早くて…。あ、さっき、言いかけた話し…なに?」
「あ、次回でいいです」
…確かに…、女性社員の人気の的の坂元先輩からのせっかくの誘いを無にしたくない…。
「昨日、坂元先輩と一緒だったの?」
翌日、同僚の遥加がそっと聞いてきた。
「あ、うん、まぁ…」
「後輩が見かけた…って…。どういうこと?付き合うの?」
そういえば、遥加にはまた、坂元先輩との飲み会をセッティング…という件を忘れていた。
「ま、まさか…。たまたま食事を一緒にしただけ」
「そうなんだ…。あ、私が坂元先輩を気に入ってたってことは、もう、気にしなくていいからね」
「そうなの?」
「坂元先輩、新人の子と食事してる…って聞いたし…。七美にも、そこら辺確認した方がいいよ…って、伝えようと思って」
「…あ、そんな関係じゃないから!大丈夫!」
まぁ…そうだよね。人気者の坂元先輩は、いろんな人から誘われたりするんだろうなぁ…。
子供の件、言わなくて良かった。