「友人の遥加です。」
仕事終わり、坂元先輩から七美は、食事をしようと誘われた。
約束通り、同僚の遥加を誘った。
遥加は、これ以上無いくらいに、メイクも念入りに、最近買ったと自慢していたブランドのワンピースを着ている。
「坂元先輩は、本当に彼女いないんですか?」
いきなり核心に迫る質問だ。
「うん。半年くらい前にはいたんだけどね。」
「別れたんですか?」
「うん。フラれた」
「嘘!先輩が?!…あり得ない…」
「あり得ないことはないよ。僕、ダメダメ人間なんだ」
「そんなぁ~!どこが?!仕事出来るし!やさしいし!それから…素敵だし…」
遥加は、恥ずかしそうに『素敵だし』を言い終わると、顔を赤らめて下を向いた。
「そんなことはないよ。だけど、ホメてもらって、うれしいよ。」