浮気 60

2022-09-06 10:00:27 | 日記
ある時、神田から連絡が来た。

食事の誘いだ。

勇一とも別れた事だし、後ろめたいこともないので、どうどうと会える。


「仕事、順調そうね。

「うん。さらに発展しそうなので、事業を拡大しようと考えてるよ。」

「すごい」

「ところで、浜田から聞いたんだけど、彼氏と別れたそうだね。」

「うん、まあね。」

「そのわりには元気そうだね」

「うん、ちょっとね、浮気の気配を感じてたから、思った以上に別れてスッキリしてるの」

「前向きでいいね。」

「若くないし、大切な時間をあまり恋愛に無駄遣いしたくなくて。」

「無駄遣いか…。それじゃ、もう恋愛はしないってこと?」

「ううん、無駄じゃなければ…考えてもいいかな?」

「それじゃ、ボクにもチャンス、貰えないかな?」







浮気 59

2022-09-05 09:28:42 | 日記
勇一と別れて、モヤモヤから解放された。

このまましばらく、ひとりがいい…。

もしくは、ずっとひとりでもいい…と思った。

勇一は、今どうしているのか…。

晴れて莉沙との交際を楽しんでいるのか…、もうどうでもいい。


ある時、仕事の帰りに情報通のれみがやって来た。

「先輩、別れたんですね。」

「うん。」

「先輩の元彼氏、莉沙と付き合ってるんですね」

「そうみたい。

「前々から二人が付き合っているんじゃないか…って、思ってましたけど…。もう、堂々と二人で歩いてますよ。」

「そうなの?」

「先輩の彼氏の神経も疑うけど、莉沙も、凄い性格ですよね。」

「まぁ、いいんじゃない?似た者同士で。」

「先輩、強い!!」

浮気 58

2022-09-04 10:12:00 | 日記
「莉沙は、本気モードなら、貢ぐタイプらしいです」

「途中から本気モードになるかも知れないでしょ。」

「いいえ、最初からわかるらしいですよ。本気か本気にならないか…、だから、途中から気持ちが変わることはないそうです。…本人が言ってました。」

「…そうなんだ…」

勇一は、どうなんだろう…。

少なくとも、自分と二股の時期があったし、始まったばかりの二人じゃないから、何かしらの莉沙のジャッジが出ているんじゃないか…と、思う。

現時点で財布になってるんだろうか…、貢がれているんだろうか…。

浮気 57

2022-09-02 09:51:24 | 日記
「どうなりましたか?」

後輩の浜田が心配そうに話しかけてきた。

「彼氏と別れたんですか?」

「…うん。すっきり。」

「すっきり…ですか。良かった。自分はまだすっきりしてないです」

浜田は、まだ莉沙への思いに悩んでいるようだ。

「お金…貯めてませんでしたっけ?」

「え?」

「先輩の彼氏。あ、元彼氏…」

貯めてた…。

お店を出したいと言っていたし…。

「莉沙に巻き上げられなきゃいいですけど…」

「……」

「あ、でも、莉沙も本気モードなら、お金は巻き上げないかも知れませんね」

「……」

「あ、すいません」

「え?どうして謝るの?あ、本気モードって言ったこと?…気にしないで。
ところで、そもそも、彼女は本気モードになるの?」

「3年くらい前の恋愛は、本気モードで、逆に貢いだらしいです。…本人から聞きました。…でも、本気モードでなければ、財布ってワケですね。」

「でも、途中から本気モードになるかも知れないでしょ。」





浮気 56

2022-09-01 09:31:25 | 日記
「私より会いたい人いるでしょ。」

勇一は黙ってしまった。

「大阪出張も、一緒だったんでしょ」

「……」

「もう、無理しないで。私とは無理に会っているようで嫌」

「……ど、どうして、そんな…」

「私は、あなたより年も上だし、泣いたり取り乱したりはしたくない。冷静に穏やかに終わらせたいの。」

「……」

「元気でね」

そこまで言うと、潔く背中を向けて、一切振り返らずに立ち去った。

まぁ、自分的には、上出来だと思った。