最近、サークル交流仲間のモケジョさん達の間で、上図の「ガールズ&パンツァー フェイズエリカ」第2巻および第3巻がよく読まれていると聞きました。黒森峰女学園チームが継続高校チームと対戦して苦戦させられたエピソードを描いており、継続高校ファンにとってはたまらないコミックシリーズとされています。
ですが、モケジョさんの面々のなかでは、継続高校ファンはミカさんのみで、あとの方々は特に贔屓にするチームは無いそうです。それなのに、どうしてこのコミックをよく読んでいるのかというと、ガルパンの一つの戦車道チームの所有車輌が全て網羅されていて、描写も色々なされているので、プラモデル再現のテーマとして面白そうだから、という理由でした。
確かに、ガルパンのコミック版においては、上図のように特定のチームの保有車輌がずらりと並ぶシーンは稀です。「ガールズ&パンツァー フェイズエリカ」においては、継続高校チーム保有車輌が9両出ており、右よりBT-42、BT-7、BT-5二輌、T-26、T-34/76、T-34/85、Ⅳ号戦車J型、Ⅲ号突撃砲G型となっています。さらに黒森峰女学園チームとの対戦にてT-28も登場しています。
これらをプラモデルで再現する場合、アニメに登場している戦車よりは独自の要素が少ないので、適応キットを入手してそのまま素組みでも楽しめます。さらに、車輌ごとにボディーカラーが異なるようなので、塗装も各自のイメージで自在に楽しめる、という点が、モケジョさん達にはウケているようです。
それを聞いて、私も興味が出てまいりまして、ちょっと作ってみようか、と考えました。
ではどの車輌を作るか、と考えてすぐに上図のBT-5に決めました。そのフェイズエリカ仕様を作ります。継続高校チーム保有車輌のなかで最もシンプルな外見を呈しており、気軽に組み立てを楽しめそうです。
BT-5を選んだ理由は、二年ほど前にBT-5のキット中古品を購入してあったのと、上図のようにコミックのカラーページに出ていてボディカラーが判明しているためでした。
カラーページに出ていて車体色が分かる車輌は、ほかに隊長トウコのT34/76、T34/85、ミカ達のBT-42ぐらいなので、チームに二輌が入っているBT-5が上図のようにフィンランドグレー系のカラーであると判明する事自体が貴重だったりします。
二年ほど前に、大阪のリサイクルショップで購入した、BT-5のキット中古品です。確か1000円ぐらいだったと思います。
日本のメーカーからはBT-5のキットは出ていないので、上図のズベズダの製品が現時点では1/35スケール唯一の適応キットになります。初発は2011年らしいのですが、上図のキットは2015年発売品なので、再販分であるのかもしれません。
このキットに関して模型サークルの先輩方に聞いたところでは、この2015年版が組み立て易い改良版であるそうです。従来指摘されている車体の組み合わせの悪さや隙間の生じ易さが改善されているので、BT-5を作るのならば2015年版がベターである、しかしベストなキットではないので、パーツの下拵えや仮組みは依然として必須、ということでした。
私自身、以前に同じ継続高校チームのBA-10装甲車をズベズタのキットで制作して、パーツの合いの悪さに悩まされた経験がありますので、今回もパーツの下拵えや仮組みはきっちりやろう、と決めました。
「ガールズ&パンツァー フェイズエリカ」に登場するBT-5は、当然ながらズベズダの製品を参考にしている筈です。相違点は砲塔のループアンテナおよび機銃基台が無い、ぐらいですので、ほとんど素組みで進めるに等しいと思います。
中身を見ますと、パーツ数そのものはそんなに多くありません。ドラゴンみたいに何でもかんでも細かくパーツ割りする、という傾向は、ズベズダにはあまり見られません。
制作ガイドは、上掲の2ページで全てでした。組み立て工程も最低限にまとめられています。ただ、イラストの指示が大雑把に描かれるので、正確な貼り付け位置や接着ポイントが分かりにくかったりします。仮組みをマメに行って、パーツの取り付け位置が分からなければ保留にして、分かった時点で取り付ける、ということの繰り返しが重要になります。
付属のデカールは使用しません。
今回のキットは、表面に離型剤などの残滓が見えず、表面もツルツルしていませんでしたから、事前洗浄は不要と判断し、そのまま制作にとりかかりました。
ステップ1では、車体を組み立てます。ステップ2から5までは、足回りの前部を組み立てます。
ステップ1の作業に進みました。御覧のように箱組みですので、先ずはそれぞれのパーツの下拵えを行いました。けっこうバリとかが残っていますので、アートナイフで削ったり、カンナ掛けを施したりして、接着面などを綺麗に整えました。その後に仮組みを行ってチェックました。
丁寧に進めたお蔭で、上図のようにピッタリと組み上がりました。とにかく接着面は綺麗に均すことが大切だ、と改めて悟りました。
ステップ2に進み、足回りの前部に組み込むパーツの組み立てを行いました。
けっこう複雑な部分を、上図のパーツの組み合わせによって再現します。サスペンションを左右で同じ状態に仕上げる必要がありますが、今回のズベズタのキットでそれを目指すのは、けっこう難しかったです。どこかで微妙にズレが出てきたりするからです。
なんとか組み上がりました。
続いて反対側も組み付けました。
とりあえず完成しました。上図では分かりにくいかもしれせんが、右側の車軸が僅かに斜めになっていました。ダボ穴の角度が正しくないための誤差であるようで、ヤスリで削って是正しましたが、完全な仕上がりには至りませんでした。 (続く)