二日目の朝、空はどんよりと曇っていました。出立の際に、宿主の清水さんが「天気予報じゃ曇りだと言ってるけど、ここらあたりは天気がよく変わるんで、雨も降るかもしれないね」と言いました。傘は持ってます、と応じると、安心したように、そうかね、お気をつけて、と笑顔で送り出してくれました。
雨が降るかもしれない、という予想は私にもありました。それどころか、寒波襲来の影響で昨日の暖かさとは一転した冷え込みようでした。下手すると雨が雪になるかもしれない、と思いました。この日のコースは自転車で色々と回る予定でしたが、変更してあまり移動を要しない案に切り替えました。
上図は、アンツィオ戦OVAでもお馴染みの古民家です。カバさんチームの四人が下宿にしていた建物の向かいにあります。
ねこにゃーの居る川崎燃料店の展示物の一つ、模擬砲弾です。アンツィオ戦OVAでカエサルが装填練習に使っていたそれを忠実に再現してあります。ピットロードの例の風船砲弾よりもリアルに出来ていますので、こっちの方を記念に欲しいぐらいです。
横の窓枠の隅には、これまたお馴染みの表札が二つ並べてあります。以前のイベント時に、カバさんチームの四人の下宿のモデルとなった建物の門柱に実際につけられてアニメシーンそのままに再現され、話題を呼んだものです。確か四枚あったはずですが、あとの二枚はどこにあるのでしょうか。
磯浜新道に出ました。劇場版のエキシビジョンマッチにて、プラウダチームのクラーラのT34/85が上図の信号交差点を右折し、砲塔を右に向けていました。照準器を覗きつつ「逃がさないわよ」と言ったシーンです。
そして、この辻で大洗チームのⅣ号戦車に対して発砲しましたが、相手はするりと右折して交わしています。その後ろにはノンナのIS-2が追撃中で、これも右折していきました。そこから画面はクラーラのT34/85からの視点に切り替わり、緊迫の追撃および砲撃戦が永町商店街にて展開されます。
今回は全ての宿を素泊まりにしていたので、朝食もどこかでとる必要がありました。この日は曲松商店街の外れにあるカノウヤにてガルパンサンドイッチを頂きました。店内には飲食スペースもありますので、店の女将さんにお茶をいただき、しばらく話をして寛ぎました。
このお店の缶バッジもいつしか第二弾に替わっていましたが、滅多に意匠化されない冷泉麻子が出ているのが珍しかったです。あんこうチームの五人のうち、西住みほ、武部沙織、五十鈴華、秋山優花里は、それぞれが単独で多くの缶バッジになっていますが、冷泉麻子のそれは大洗発では少ないです。大洗民宿組合のガルパンプラン宿泊特典品と大洗ホテルの誕生日イベントの品があるぐらいですが、いずれも現在は入手が困難です。
あと、アニメイトなどの企業発の缶バッジも幾つかありますが、これらも入手は殆ど不可能に近いようです。なので、冷泉麻子の缶バッジはレア物扱いされているようです。
金丸釣具店の前を通りました。
ミッコの居る日野屋石油店に立ち寄り、店主さん夫婦としばらく話をしました。店主さんは戦車のプラモデルも作られるそうで、継続高校チームのBT-42も作りたいから予約したんだよ、と笑っていました。
「劇場版は一度観に行ったけど、凄かったねえ。ここに置いてるミッコが活躍してるし、これはもうBT-42も作らないといけないな、って思ったんだけど、どこにも売ってないんだ。売り切れちゃったんだって。それで予約したんだけど、それも3月か4月まで待たないといけないんだよ」
「そうみたいです。もともとマイナーであんまり売れない戦車だったので、在庫もそんなに無かった筈なんですよ」
「そうそう、他のガルパンさんも同じような事話してたよ。劇場版スタート直後に完売になったんだって」
「まさかの事態、ですよ」
「星野さんもそのBT-42、買って作ってるの?」
「いえ、まだ買っておりませんが、いずれは買って作ることになりそうです」
「ガルパンの戦車を沢山作ってるって聞いたけど、BT-42はプラモデルとしては簡単に作れる方なの?」
「タミヤの製品ですから、めちゃくちゃ難しいってことは無いと思いますけど、私もまだ作ったことがありませんので、ちょっと分かりませんね・・・」
「前に聞いた話なんだけど、BT-42のガルパン公式プラモが出るとか出ないとか」
「それはまだ分かりませんよ。出てくれたら嬉しいんですが、今の段階ではまだ予告情報も何もありませんから」
「そうなのか」
店内には、大進の娘さんが描いたイラストが飾られてあります。上図右のイラストは特に面白いです。劇場版で見せた片輪走行を軽トラでやっちゃってくれています。右下に「実際には4輪すべてを地面につけ、安全運転でお伺い致します。御安心下さい。」のコメントがあるのが笑えます。
イラストの話題で盛り上がっているうちに、雪が降り出しました。
「ああ、雪だ。珍しいな」
「大洗では、雪はあまり降らないのですか」
「んだ、降らんね。水戸の方じゃ降ることがあるけどね、こっちは海に面してるから雪より雨になるよ。今日は寒波が来てるらしいから」
「これから、せんなり食堂さんで昼食食べようかと思ってるんですけど、回り道で距離がかなりありますね」
「いや、ここの横から一本道ですぐに行けますよ。この裏手の丘の上が東光台なんで」
そう言って、ゼンリン地図を出して丁寧に道順を教えて下さいました。
御礼を言って外に出ましたが、雪は本格的になってきました。自転車に傘をさして乗ると違反になる可能性が高いと聞いたので、押して歩きました。風もあったので雪は時に横殴りにかかってきて、しかも冷たいので参りました。教えられた道順は、自転車で走れば三分もかかりませんが、歩いていけば倍以上の時間がかかりました。
福田の居る「せんなり食堂」に着きました。やれやれ、といった感じで店内に転がり込むと、女将さんが「雪で大変だったでしょう」と声を掛けてくれました。
この日は福田のパネルも店内に収容されていました。知波単学園チームに属し、二年生の隊長西絹代に対して敬語を使っているため、一年生と思われます。そのためか、高校生というより中学生のようなキャラクターです。
劇中では、玉田や細見などの他のメンバーに対しても敬語を用いているので、福田の他に一年生のキャラクターがいないような感じがあります。
こちらのお店でも、寄贈品の品々が増えていっているようです。
寄贈品なのか、お店で実施されているのかは分かりませんが、缶バッジも集め出しているようです。大洗町内で缶バッジの数を競い合っているわけではないのに、なぜかどこでもこういう陳列を見かけます。他がやっているからウチも、というような心理からでしょうか。
丸五水産さんのオリジナルポストカードが目立っていました。聞けば、実際に取引関係があるそうで、魚は丸五水産さんから納品してもらっているそうです。
昼食は、海老ステーキカツ定食をいただきました。料理の写真を撮り忘れましたが、メニューは撮っておいたので、このお店の豊富なメニューが分かります。次はこれを食べてみたいな、と思う品が幾つかありますので、今後も訪れることになりそうです。
私以外は地元住民の方々ばかりでほぼ満席になっていましたので、地域で親しまれる大衆食堂であることがよく理解出来ました。 (続く)