塗装が完了したので、つや消しクリアーを薄く吹き付けて最終仕上げを行いました。校章マークは、劇中では見られませんので、貼りませんでした。これはBM-13カチューシャでも同様となります。
いかにも軍用トラックという感じの重厚なフォルムは、後ろから見ても際立って感じられます。
これで車体の長さはドイツのティーガーⅡに匹敵しますから、ソ連の軍用トラックというのは大きいのだなあ、と感心しました。ですが、模型サークルの知人N氏によれば、軍用トラックはソ連に限らず、どの国の軍隊でも大きなサイズの車輌であったそうです。
正面観です。イタレリキットの欠点の一つとされる、パーツの歪みが、バンパーなどに出ています。制作途中からこの歪みを治そうと色々試みましたが、完全に是正するには至りませんでした。車輪主軸やシャーシーの歪みは制作前はもっとありましたから、この程度におさまったのはむしろ良かったと思います。
背面観です。こちらでも制作中に荷台下の歪みが見られたのですが、強引に瞬間接着剤で修正しましたので、なんとか直すことが出来ました。
荷台底面に小さなダボ穴が幾つかあります。これらは本来は荷台に取り付ける装備品類の取り付け穴でありましたが、埋めずにそのままにしています。
かくして、プラウダ高校に引き渡されましたZiS151トラックです。早速、あのお二人に登場いただきました。
劇中シーンよろしく、荷台に登って周囲を見回すお二人。
カチューシャ 「眺めが良いわねー、視点が高くとれるのは気に入ったわよ!」
ノンナ 「はい、ZiS151は車高もありますから。戦車部隊の指揮をこのトラックでこうやって執るというのもアリかと・・・」
カチューシャ 「それいいわね!眠くなっちゃったら、アエロサンのベッドも乗せられるしね!」
ノンナ 「はあ・・・・」
カチューシャ 「ところでさっきまで乗っていた他の隊員たちはどうしたのよ?」
ノンナ 「とりあえず解放ということで、下車し解散させました」
カチューシャ 「それじゃ、私たちも下りるわよ」
ノンナ 「いえ、このままシベリアまで乗っていただきます・・・」
カチューシャ 「えっ?シベリアまで・・・?・・・何で?」
カチューシャ 「何で、私たちがシベリア行き25ルーブルなのよ!!」
ノンナ 「敗戦の責任をまだ取っていただいておりませんから・・・」
カチューシャ 「敗戦・・・?何の・・・?」
ノンナ 「今年の第63回高校生戦車道全国大会にて、大洗女子学園に喫した敗戦です」
カチューシャ 「・・・・・・」
かくして、プラウダ高校チームのZiS151トラックが完成しました。製作日数は、2017年11月2日から11月13日までの11日でした。組み立てに6日、塗装に2日、塗装後の組み立てに1日かかりましたので、実質的には9日で出来上がったわけです。
ズベズダがイタレリからのOEM供給を受けて発売したキットですが、パーツの多さの割には組みやすかったです。劇場版における劇中車の登場シーンがワンカットしかなく、車体の一部しか出ていませんでしたから、ガルパン仕様への配慮が余り必要無かったのも大きかったです。
元キットはBM-13カチューシャの形式にて出ており、これをトランぺッター発のZil157トラックのキットと併せて一部のパーツを交互に転用することで、ガルパンのZiS151トラックとZil157トラック使用BM-13カチューシャの双方を再現出来ます。それで、今回初めて二つのキットを使用してニコイチで制作してみましたが、思っていたほど難しくはなく、むしろ簡単でしたので楽しめました。
問題はイタレリ製品に散見されるパーツの歪みが相当数見られたことでした。これは製品ごとの個体差もあるでしょうが、歪みを直すという作業が多少は必須となります。トラック特有の、シャーシー部分の細かいパーツの組み合わせにおいて、必然的に歪みが生じやすい面もあるかと思います。そのあたりをどう解決してゆくかという試みが、今回のキットにおいては欠かせないでしょう。
この歪みの問題さえ克服出来れば、全体的には細部の再現度も高い良質なキットとして評価出来るかと思います。