金閣寺の総門が9時に開かれ、待機していた修学旅行団体の列が徐々に移動に移って門の中へとすいこまれていきました。それにともなって門前の大混雑も次第におさまり、観光客の波もやや落ち着いてきました。それまで上図の案内図などを見ながら待ちました。
待つこと20分余り、総門の前がようやく落ち着いてきたので、一枚撮りました。
劇中にも出てくる建物なので、どうしても同じアングルで撮っておきたかったのでした。
ですが、中に入って次に行く拝観受付でも行列が出来ていて、それ以降はずっと混雑の中にありましたので、劇中シーンのスポットを自在に撮影することは出来ませんでした。
拝観券です。大人400円なり。近頃は朱印集めが流行っていますので、金閣寺でもこうした朱印を拝観券に使っているようです。なかなか気が利いています。
大混雑の中を、平沢唯よろしく潜り抜けて最前列に出て、なんとか撮った一枚。
劇中ではこういう引いたアングルで出ますが、同じ景色を撮ろうとすると観光客の大群にさえぎられてしまいます。改めて別の機会にリベンジを試みるより他にありません。
この黄金色の輝きを放つ舎利殿が、観光客の人気を集めています。外国人観光客の「クール」「トレビアン」「ワンダフル」の各言語がやたらと聞こえました。中国人観光客が数の上では多かったようで、やたらに横柄で下品な物言いが目立ちました。しかもカメラを構える際に周りの人々に大きく手振りで「そこをどけ」と追い払うのでした。民度が低い、というのはこういう連中です。
ですが、かつては日本人も海外で似たような振る舞いを繰り広げて白目で嘲笑された経緯があります。あまり他国人を悪く言えません。
秋山澪は、物憂げな表情で左手を凝視しています。澪ファンのナガシマさんなら、同じように左手を凝視して澪になりきってしまうでしょう。
秋山澪が視線を向けていた方向には、鹿苑寺庭園の中心である鏡湖池の景観が広がります。鏡湖池は「きょうこち」と読み、経典に説かれる浄土変相図にある七宝の池を模しています。七宝は、古来は金、銀、瑠璃、蝦蛄、瑪瑙、珊瑚、琥珀を指しましたが、室町時代には金、銀、瑠璃、水晶、珊瑚、赤真珠、深緑玉とされ、池には金の砂が敷かれると説かれます。
もちろんこれは仏教世界の理想的イメージでありますが、足利義満は、そのイメージを一つの参考にして日本最高の庭園を造らせました。寺域の北側には、北山殿以前にここにあった西園寺家の西園寺の遺構のひとつである安民沢「あんみんたく」の古池を中心とする庭園がありますが、これも鹿苑寺庭園に取り込まれて奇観名勝の一角を成しています。
その要は、金色の舎利殿です。経典では、七宝の池の縁に金銀と宝石で飾られた殿堂が建ち、池を金銀と宝石で飾られた回廊が囲む、と説かれます。それを具体化したのが創建当時の北山殿の構えで、金色の舎利殿に回廊が繋がった状態であったそうです。
現在は、回廊や付属建築が失われているため、舎利殿の金閣のみが鏡湖池の北東隅の鬼門を鎮めて建っています。
鹿苑寺庭園の東に伽藍の建築群が連なります。上図は本堂にあたる方丈で、江戸期の延宝六年(1678)に後水尾法皇の寄進により再建されたものです。普段は非公開で、春秋の特別公開の期間中に中に入る事が出来ます。内陣には、本尊の聖観世音菩薩像、脇侍の梵天像、帝釈天像が三尊形式にて祀られ、他に開基の夢窓国師、足利義満らの木像が安置されています。
劇中では、同アングルで琴吹紬の笑顔が出てきますので、肝心の方丈の建物が隠れてしまっています。でもムギちゃんのファンですから許します・・・。(アホかお前は) (続く)