旧下部中学校への入り口にあたる辻には、二つのバス停があって、いずれも「下部中学校入口」の名前になっています。上図の左側が身延町の町営バスの停留所、右側が富士急山梨バスの停留所です。いずれも便数は一日に2、3便のみです。
このうち、身延町の町営バスは身延線の周辺に路線をまわして運行されています。富士急山梨バスは、下部温泉郷と富士急行線の富士山駅とを結び、路線は本栖湖を経ています。途中のバス停には、アニメにも登場する浩庵荘の前にある「浩庵荘入口」があります。つまり、劇中にも登場した浩庵キャンプ場へも、このバス便で行けるのです。
ですが、上下とも一便しかありません。富士山駅発の便は10時10分に出て、「浩庵荘入口」には11時11分に着き、終点の下部温泉郷に11時50分に着きます。下部温泉郷発の便は13時20分に出て、、「浩庵荘入口」には13時58分に着き、富士山駅には15時に着きます。
したがって、浩庵キャンプ場へバスで行くならば、富士急行線の富士山駅を発着点としての往復利用しかなく、浩庵キャンプ場エリアの滞在時間は11時11分から13時58分までの2時間47分となります。聖地巡りだけならば充分かもしれません。下部から行く場合、「浩庵荘入口」までは行けますが、次の便がありませんので、帰りはタクシーに頼ることになります。
なお、この富士急山梨バスの便の停留所のひとつ「河口湖駅」には、大阪からの近鉄バスの夜行バス便が発着していますので、夜行バスを利用すれば、関西方面からも乗り継いで、上述のスケジュールで、「浩庵荘入口」まで往復することは可能です。この夜行バス「フジヤマライナー」が河口湖駅に着くのが8時37分、上述の富士急山梨バス便が河口湖駅を出るのが10時18分ですから、一時間余りの待ち時間があります。
要するに、本栖湖畔の浩庵キャンプ場への聖地巡礼は、富士急山梨バスを利用すれば出来ないことではない、ということです。下部からも行けることは行けますが、一便しかないので、帰りをどうするかの問題がつきまといます。
なので、身延線エリアから富士五湖方面に行く場合は、やっぱり車で行くのが良いでしょう。
参考までに述べておくと、原作コミックの第6巻では、野クルの大垣千明、犬山あおい、体験参加中の斉藤恵那の三人が富士山駅を起点にしての山中湖キャンプに出かけています。そのルート上であちこちに立ち寄っており、いずれも実在の施設ばかりであるので、ファンが聖地巡礼で回っています。
したがって、富士山駅を起点とする場合、本栖湖浩庵キャンプ場への往復コースを楽しみ、続いて山中湖へのコースを組み合わせて楽しむというのもアリです。その場合は富士山駅から山中湖方面に行くバス、または周遊バス「ふじっ湖号」が利用出来ます。
バス停の辻を右折して、旧下部中学校に通じる坂道を登りました。
既に左上に旧下部中学校の体育館が見えました。アニメにも登場した建物です。
正面上方には、旧下部小学校の校舎が見えました。こちらの方が目立っていました。
道なりに進んでぐるりと左へカーブすれば、劇中の景色に出会います。
このシーンですね。各務原なでしこや志摩リン達が通う、本栖高校への通学路です。
周囲の眺めも良いです。
既に白梅は満開でした。この日は気温が20度を超え、暖かいというより、少し暑いな、という感じでした。
旧下部中学校の体育館前に着きました。まだまだ使えそうな建物です。地元で何らかの機会に使用しているのでしょうか。
体育館の横に、グラウンドへの入り口があります。建物への出入りは不可だが、グラウンド敷地内への立ち入りは自由であると事前に伺っていたので、少し入ってみました。小学校と中学校との共用であったそうで、平均より広い面積があります。
体育館の奥に、中学校部分の校舎がありました。劇中の本栖高校の四階建ての校舎とは全く違います。それで、本栖高校の建物に関しては、アニメのオリジナル設定であろうと悟りました。もちろん、野クルの部室も実際には存在しません。
そういえば、原作コミックの描写においても、第1巻から本栖高校の建物は出てきますが、特定の建物を参考にしたというのではなさそうな描写にとどまり、位置も明らかにされませんでした。第2巻第13話になって、通学路上の風景として旧下部町の「本栖みち」が登場し、最寄駅として甲斐常葉駅が登場しています。
このエリアにある公立学校施設と言えば、旧下部小中学校しかありませんので、原作コミックには登場しないものの、アニメ化にあたってはその景色の一部を採用した、ということでしょう。
敷地を出て、通学路を戻り始めました。高台にありますので眺望が良いです。旧下部町の中心街区がほぼ望まれます。
途中で振り返り、単行本2巻と共に撮りました。ここ甲斐常葉駅エリアの景色は、原作コミックではこの第2巻に集中しているからです。もちろん、アニメには出なかった景色も幾つかあります。
もと来た道を、甲斐常葉駅まで戻りました。途中の景色が、アニメ第8話に出てきた景色であることに気付きました。
このシーンですね。各務原なでしこが、「byつなよし」と書いて大垣千明に送信した数枚のスマホ画像のうちの一枚です。原作をほぼ忠実に再現しており、最初は「つなよし」のギャグが個人的には強烈に新鮮であったため、お腹が苦しくなるまでに笑い転げてしまいました。文字通りの抱腹絶倒でした。
それで、現地でも思い出してしまい、アハハハと声に出して笑ってしまいました。周囲に人が居なかったのが幸いでした。 (続く)