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「100歳銀杯 安い代替品に ~長寿化進み対象者190倍~」(8月19日付け東京新聞【夕刊】)
100歳を祝い、老人の日(9月15日)に首相から贈られる純銀製の「銀杯」(8千円相当)に付いて、厚生労働省は来年度から安価な代替品にする等、見直す方針を決めた。贈呈は1963年度に始まったが、長寿化が進み、半世紀で対象者は150人余りから約2万9千人に激増。昨年度の予算は約2億6千万円に達し、財政負担が大き過ぎると判断した。
税金の使い方を点検する「行政事業レビュー」で、外部有識者が「高齢化で対象者が今後も膨らみ、予算も増え続ける。」として、抜本的見直しを求めた。厚労省は「①杯の形を変えず、安価な材質に見直す。」、「②杯では無く、より低価格な代替品にする。」、「③祝い状だけを贈る。」等を検討している。
銀杯は直径9cmで、純度約99%の純銀仕立て。中央に「寿」、裏面には其の年の老人の日の日付や、「内閣総理大臣」の文字が刻まれている。毎年3月に翌年度の対象者数を見積もり発注するが、例年9月迄に約1割の人が亡くなる為、余った分は回収し、鋳造し直す為の費用も掛かる。
事業は老人福祉法に基づき、100歳を迎える人の長寿を祝い、社会への貢献を感謝する目的で始まった。初年度の対象者は僅か153人だったが、昨年度は2万9,357人(男性4,357人、女性2万5千人)と約192倍になった。
近年は高齢化が加速し、予算額は2000年度の約5,700万円(対象者約7,100人)から、昨年度は約2億6千万円に膨れ上がった。
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「1963年度の対象者が153人だったのに対し、51年後の昨年度は約192倍の2万9,357人に激増し、予算額が約2億千万円にも膨れ上がった。」というのは、“高齢社会”を超えて“超高齢社会”に突入した我が国の現実を、改めて感じさせられる。
「高齢者が何の憂いも無く、幸せな日々を送れる国。」ならば、長寿も手放しで「目出度い事。」と言えるのだが、「日本は、そういう国なのか?」と問われると、「うーん・・・。」と言わざるを得ない。とは言え、「長寿=不幸」とも思いたく無いし、高齢者が少しでも幸せな日々を送れる国に日本がなって欲しいもの。
で、話を今回のニュースに戻すが、財政が非常に厳しい我が国に在って、「百寿を迎えた方々に、8千円相当の銀杯を贈る。」というスタイルを改めても良いのではないか?国情が変化すれば、其れ迄のスタイルが変わるのは珍しく無く、銀杯を贈らなくなった事がイコール、“不敬”に当たるとは思わない。個人的には「銀杯に替えて、祝い状を贈る。」という形で良いと思う。此れだけ国の財政が厳しいのだから、百寿の方々も納得してくれる筈。
序でに言えば、以前の記事で書いた理由から「勲章制度」も無くした方が良いと思っているのだけれど、何はともあれ「財政難を理由に銀杯を無くしたり、代替品に切り替える。」のならば、「3年前に約束したのに、全く行う気が無い『議員定数削減』。」等、政治家は我が身を切る事を最優先して貰いたい。