2階に上がると、「旧陸軍大臣室(前陸自東方総監室)」が。見たかった2つ目の物が、此処には在る。1970年11月25日、作家で在り、「盾の会」の会長でも在った三島由紀夫氏が、同志4名と共に市ヶ谷駐屯地の総監室に立て籠りを図った「三島事件」。盾の会の制服に身を包み、頭に鉢巻を巻いた三島が、バルコニー(写真【市ヶ谷記念館入り口】がそれだと思われるが。)から檄文を撒き、自衛隊の決起&クーデターを促す演説をしている姿は、当事子供だった自分もニュース映像で明確に覚えている。演説を終えた三島は総監室に戻り、自らの腹に短刀を突き立て、そして介錯人により首を刎ねられる。著名な作家の壮絶な死は、当事の人々に大きな衝撃を与えた。(こちらで動画が見られる。ショッキングなシーンも登場するので、御自身の判断&責任に於いて見るか否かを決めて戴きたい。)三島等が立て籠りを図った際、制止しようとする幕僚達と日本刀で応戦。その際、総監室のドアに3ヶ所の刀傷が刻まれたとの事で、そのドアがこの部屋には据え付けられている。刀傷に触れると、指先から38年前の出来事が生々しく伝わって来る感じがした。
【刀傷】

陸軍大臣室の隣には、仕官学校時代の天皇が休憩所として使っていた「旧便殿の間(前陸自幹部学校長室)」が。(大講堂に旧陸軍大臣室、そしてこの旧便殿の間は、移築&復元された際に元々の配置とは変えられている。)この部屋は廊下側の壁と内壁との間がかなり厚く、中は空洞になっている。クーラーなぞ無かった当事、下から冷風を空洞内に送り込み、壁上部に設けられた送風口から排出するという“ハイテク”な仕組みだったとか。
今回のツアーで最も時間を割いた市ヶ谷記念館を出て、隊舎の前を通り、厚生棟に入る。大講堂に続いて2度目の映像を見た後、広報展示室に向かう。陸・海・空の各自衛隊の装備品や技術研究本部による研究成果が展示。
【展示品1】

【展示品2】

土産物コーナー等で20分程休憩時間を過した後、東儀仗広場にて庁舎D棟&E棟の説明を受け、2時間10分のツアーは幕を閉じた。当ブログでは何度か触れている様に、政府の自衛隊に対する扱いには色々疑問を感じるも、自衛隊の隊員達の頑張りには心からの敬意を持っている。今回のツアーで、その思いは更に増した。自衛隊に対してどういう思いを持っていようが、このツアーに参加する事で新たに見えて来る事は少なくないと思う。こちらにツアーの詳細が載っているので、参加される事を御奨めしたい。
一点気になったのは、ツアーにずっと付き添われた防衛省のおっちゃん。為になる情報を色々話してくれるのは嬉しいが、余りにも個人的な史観を強調し過ぎるのには辟易とさせられた。人それぞれ異なった史観が在って良いとは思うが、不特定多数が参加するこの手のツアーで、然も「それが唯一無二的に正しいのだ。」と言わんばかりに繰り返されると、「洗脳目的?」と穿って見てしまう。知人が別の日のツアーに参加した際、やはりこのおっちゃんが「特攻隊の生き残りの人々が良く証言される或る事柄」に付いて「全くの嘘。」と断じていたそうだ。出兵経験も無い彼が、経験者、それも複数の人々が証言している事柄を否定する。「具体的な根拠を挙げず、単に感情面から否定しているだけの様で、余り気分の良い物では無かった。」と知人は語っていた。「○○という考え方も在りますが、私はXXという考え方を持っています。どちらが正しいと思われるかは、皆様個々で考えてみて下さい。」というスタンスなら判るが、個人的史観の押付けは迷惑そのものでしかない。ツアー自体が非常に良い内容だっただけに、その点だけがとても残念だ。
*1 当ブログではツアー内容を大分端折って記したが、こちらにより判り易く纏めらているので参照されると良いだろう。
*2 1階及び2階には、貴重な資料が多く展示されている。個人的には「森山眞弓元法務大臣が、東京裁判で翻訳業務に従事していた際の写真」にビックリ。
【刀傷】

陸軍大臣室の隣には、仕官学校時代の天皇が休憩所として使っていた「旧便殿の間(前陸自幹部学校長室)」が。(大講堂に旧陸軍大臣室、そしてこの旧便殿の間は、移築&復元された際に元々の配置とは変えられている。)この部屋は廊下側の壁と内壁との間がかなり厚く、中は空洞になっている。クーラーなぞ無かった当事、下から冷風を空洞内に送り込み、壁上部に設けられた送風口から排出するという“ハイテク”な仕組みだったとか。
今回のツアーで最も時間を割いた市ヶ谷記念館を出て、隊舎の前を通り、厚生棟に入る。大講堂に続いて2度目の映像を見た後、広報展示室に向かう。陸・海・空の各自衛隊の装備品や技術研究本部による研究成果が展示。
【展示品1】

【展示品2】

土産物コーナー等で20分程休憩時間を過した後、東儀仗広場にて庁舎D棟&E棟の説明を受け、2時間10分のツアーは幕を閉じた。当ブログでは何度か触れている様に、政府の自衛隊に対する扱いには色々疑問を感じるも、自衛隊の隊員達の頑張りには心からの敬意を持っている。今回のツアーで、その思いは更に増した。自衛隊に対してどういう思いを持っていようが、このツアーに参加する事で新たに見えて来る事は少なくないと思う。こちらにツアーの詳細が載っているので、参加される事を御奨めしたい。
一点気になったのは、ツアーにずっと付き添われた防衛省のおっちゃん。為になる情報を色々話してくれるのは嬉しいが、余りにも個人的な史観を強調し過ぎるのには辟易とさせられた。人それぞれ異なった史観が在って良いとは思うが、不特定多数が参加するこの手のツアーで、然も「それが唯一無二的に正しいのだ。」と言わんばかりに繰り返されると、「洗脳目的?」と穿って見てしまう。知人が別の日のツアーに参加した際、やはりこのおっちゃんが「特攻隊の生き残りの人々が良く証言される或る事柄」に付いて「全くの嘘。」と断じていたそうだ。出兵経験も無い彼が、経験者、それも複数の人々が証言している事柄を否定する。「具体的な根拠を挙げず、単に感情面から否定しているだけの様で、余り気分の良い物では無かった。」と知人は語っていた。「○○という考え方も在りますが、私はXXという考え方を持っています。どちらが正しいと思われるかは、皆様個々で考えてみて下さい。」というスタンスなら判るが、個人的史観の押付けは迷惑そのものでしかない。ツアー自体が非常に良い内容だっただけに、その点だけがとても残念だ。

*1 当ブログではツアー内容を大分端折って記したが、こちらにより判り易く纏めらているので参照されると良いだろう。
*2 1階及び2階には、貴重な資料が多く展示されている。個人的には「森山眞弓元法務大臣が、東京裁判で翻訳業務に従事していた際の写真」にビックリ。

やはり「そういう思想の人」が多いんですかネー。
もし未だ参加されておられない様でしたら、是非参加される事を御薦めします。確かに件のおっちゃんの“自説”押付けは煩わしいものの、集団から離れて見学出来る時間帯の話ですので、自分の様に離れてしまえばNo Problemかと。
いずれにしてもいいものです。
出来る範囲を公開していくという姿勢は
いいことですし
我々もそれを評価したいです。
勿論自衛隊については
議論のある存在ですが
出来るだけ自分の目で見て
判断していきたいものです。