ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「巡査の休日」

2010年01月26日 | 書籍関連
昔の特撮番組に関して言えば、出演者には夭逝された方が少なくない様に思う。その中でも特に若く感じられたのが、「ジャイアントロボ」(動画)で草間大作役を務めていた金子光伸氏。自分より上の世代の方々にとっては、「『悪魔くん』(動画)で悪魔くん役をしていた少年。」と書いた方が御判りになるかもしれない。1960年代のTV番組に多く出演していた子役だったが、何年か前にこちらで「1997年に交通事故で、39歳にて亡くなられたらしい。」という情報を目にしてビックリしたもの。亡くなられた原因が交通事故だったのかどうかは不明なれど、「1997年に39歳で亡くなられた。」事自体は事実との事で、昨年11月に「十三回忌特別企画 『金子光伸くん Forever and Ever」というイベントが関係者を集めて行われたそうだ。そのリポートがこちらで公開されている。「ジャイアントロボ」等に思い入れの在る方は、是非一読を。

話はガラッと変わる。

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強姦殺人犯のストーカー鎌田光也は村瀬香里のアパートに侵入するも、警護に当たっていた小島百合巡査によって取り押さえられ、逮捕されてしまう。逮捕時、右肩に銃創負った鎌田は入院治療を受ける事になるが、その最中に脱走、行方不明となってしまった。

それから1年後、鎌田からと思しき脅迫メールが村瀬香里へ届き、再び小島百合は警護を命じられる。必死の探索にも拘わらず、小島達を嘲笑うかの様に何度も送られて来る無気味なメール。犯人は一体、何処潜んでいるのか?
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先日、第142回直木賞受賞作品が発表されたが、今年で還暦を迎える佐々木譲氏は「廃墟に乞う」にて受賞を決めた。彼が文壇にデビューしたのは1979年の事だから、31年目での“栄冠ゲットという事になる。
彼は好きな作家の一人なので受賞自体は嬉しいのだけれど、「廃墟に乞う」自体は総合評価で「星3つ」とした自分としては、「『警官の血』での受賞なら、ノー文句だったのになあ・・・。」という思いも在る。

冒頭に記した梗概は、先日読み終えた佐々木氏の作品「巡査の休日」に関して。この作品は2008年に刊行された「警官の紋章」の続編だが、警察小説を多く著している彼だけに、相変わらず読ませる筆致だ。

“犯人”は比較的早い段階で判った。「メインの存在では無いと思われるのに、必要以上にチラホラと登場する人間は怪しい。」という謎解きの法則当て嵌めれば、犯人当てはそう難しくないと思う。問題は“動機”だった。「大して重要と思われない出来事が、事件の根底に在ったりする。」というのも謎解きの法則だけれど、こちらが頭の中から完全に抜け落ちていたのだ。謎解きが為されて、「嗚呼、あれもこれも今回の事件にリンクしていたのか・・・。」と。

超人的な謎解きをする“名探偵”では無く、この小説に登場する警察官達は皆、実に人間臭い。当たり前と言えば当たり前だけれど、日々の生活には「オン」が在れば、「オフ」も在る。それはそれで面白いし、自身を彼等に投影易くも。

総合評価は星3つ

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