14年前の記事「あなたもハガキ職人に」で書いた様に、ラジオ番組「ビートたけしのオールナイトニッポン」を夢中になって聞いていた時期が在った。今から35年以上も前の話だが、番組内で読んで貰いたくて、馬鹿馬鹿しい事を書き連ねた葉書を、せっせと送っていたっけ。
余りにも馬鹿馬鹿しくて、大笑いしてしまう葉書が次々に読み上げられていたが、今でも忘れられない内容が幾つか在る。そんな1つが、「有名人の名前を、英語で表現するとこうなる。」というテーマで読まれた物。「前田“吟”は『マエダ・シルヴァー』で、菅井“きん”は『スガイ・ゴールド』。」という内容だったが、余りにも馬鹿馬鹿しくて笑いが止まらなかった。
其の菅井きんさんが今月10日、心不全で亡くなられていた事が明らかとなった。享年92。
12年前の記事「脇役」では、脇役中心の俳優の中から、自分が好きな人物を男女3名ずつ取り上げた。菅井さんは、其の中の1人。菅井さんと言えば、「時代劇『必殺シリーズ』【動画】で、藤田まこと氏演じる中村主水の姑・中村せん役。」を思い浮かべる人が多いだろう。普段は昼行燈の主水を、「婿殿!」といびる姿は、自分も忘れられない。
又、自分は殆ど見ていなかったが、「太陽にほえろ!」【曲】での“ジーパン刑事”の母・柴田タキ役を思い浮かべる人も多そうだ。
でも、個人的には菅井さんと言えば、「刑事ドラマで刑事達が容疑者が住むアパートを訪れ、『ドン、ドン、ドン。』とドアを何度もノックするも、全く応答無し。改めてドアをノックすると、隣の部屋のドアが強烈な勢いで開き、安物のナイトキャップを被り、此れ又安っぽいネグリジェを身に着け、思いっ切り顰めっ面をした小母ちゃんが出て来て、『五月蝿いわねえ!今、何時だと思ってるのよ!隣の○○さんなら、何日も前から居ないわよ!!』と怒鳴るという設定での小母ちゃん役。」が印象深い。野村昭子さん同様、「自分が子供の頃から、ずっと変わらない“小母ちゃん顔の女優”。」だった。
1926年生まれの菅井さん。同い年の著名人には、以下の人達が居る。
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・森英恵さん
・三浦朱門氏(2017年、91歳で逝去。)
・津島恵子さん(2012年、86歳で逝去。)
・松谷みよ子さん(2015年、89歳で逝去。)
・多湖輝氏(2016年、90歳で逝去。)
・瀬戸わんや氏(1993年、66歳で逝去。)
・中条静夫氏(1994年、68歳で逝去。)
・宮尾登美子さん(2014年、88歳で逝去。)
・小川宏氏(2016年、90歳で逝去。)
・渡邉恒雄氏
・マリリン・モンローさん(1962年、36歳で逝去。)
・江沢民氏
・山岡久乃さん(1999年、72歳で逝去。)
・石井ふく子さん
・星新一氏(1997年、71歳で逝去。)
・今村昌平氏(2006年、79歳で逝去。)
・小柴昌俊氏
・桂小金治氏(2014年、88歳で逝去。)
・山口瞳氏(1995年、69歳で逝去。)
・小松方正氏(2003年、76歳で逝去。)
・根本陸夫氏(1999年、72歳で逝去。)
・メリー喜多川さん
・植木等氏(2007年、80歳で逝去。)
・関根潤三氏
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天本英世氏やエリザベス2世、マリリン・モンローさん、小松方正氏と菅井さんが同い年というのが、個人的には感慨深い。既に鬼籍に入られた著名人が少なく無く、「1926年」という“時の遠さ”を痛感させられる。
個性的な俳優が、又1人旅立った。合掌。