「国際テロ組織『アルカーイダ』指導者のウサーマ・ビン・ラーディン容疑者が、アメリカ軍の特殊部隊によって殺害された。」というニュースが、昨日報じられた。どういう主義&主張を持とうが個人の自由だが、「其れを押し通す為には手段を選ばず。」というのは正当性を認められないし、ましてやテロという「全く無関係で無辜な民を犠牲にする行為。」は絶対に許されない。多くの人を殺めた以上、同容疑者が殺害されてしまったという事に関しては、(異論&反論が在ろうけれど)個人的には止むを得なかったと思っている。
唯、ニュース番組で「正義の勝利だ!」と歓喜するアメリカ国民の姿が少なからず映し出されていたのには、引っ掛かる点が在った。以前にも書いた事だけれど、「正義」というのは非常に曖昧で危うい概念と思っているから。人其れ其れに己の信じる「正義」が在り、「正義」と称している物が極めて身勝手な思いの上に成立しているケースも少なくない。支持率低迷に悩むバラク・オバマ大統領に「ウサーマ・ビン・ラーディン容疑者の殺害によって、人気回復を図る。」という思いが全く無かったとは言えないし、同容疑者の人生を振り返るとアメリカやソ連といった超大国の身勝手さに翻弄された面も感じられ、其の点では同情も。(だからと言って、テロ行為は絶対に許される物では無いけれど。)
話はガラッと変わるが、「富山県と福井県の焼き肉チェーン店で生肉のユッケ等を食べた男児2人が、食中毒で死亡した件。」で、焼き肉チェーンを運営する会社(以下「A社」と表す。)の社長が記者会見に臨んでいたが、彼の対応は「危機管理」の観点から最悪だった。
今回の件で初めて知ったのだが、「生食用の肉を解体&加工する施設の基準を国が設けてはいるものの、実際に其の基準を100%満たしている施設は無い。」のだとか。違反した場合の罰則規定も無く、基準を満たさない肉が生食用として市場に流れているのが現実というのは驚き。
供されている肉が「生食用」では無かったのをA社は知り乍ら使用し続けていた様だが、上記の如く「基準を100%満たした生食用の肉は存在しない。」という現実が在るのだとしたら、A社の社長が「他の所も同じ事をしているだろうに、何故内だけが責められなければいけないんだ!」と“心の中で思う”のは理解出来なくも無い。でも、だからと言って記者会見で「牛肉に付いては、国内の屠場に於ける生食用の(出荷)実績は在りません!!」や「日本中の全ての焼き肉屋さんと同じ物を使用している。」等と大声で逆切れし、最後は不貞腐れた様にしか見えない退場の仕方(動画)では、幾ら亡くなった者へ謝罪の言葉を並べ立てようと、責任逃れをしている感じしか受けない。
厚生労働省は「生肉を提供する店に対し、肉のサンプルを取って細菌検査する事を指導している。」そうだが、A社は2009年7月を最後に、約2年間細菌検査を行っていなかったと言う。其れ自体も問題だが、此の事に付いて同社の社長が「一度も陽性反応が出なかったので、肉に菌が付く事は無いと思った。」と言っていたのは更に問題。「肉に菌が付く事は無い。」なんて認識自体、“食べ物を扱う人間として”致命的な不見識さと思うから。
又、縦んば「何処の焼き肉屋も、基準を100%満たしている生食用の肉を使ってはいない。」としても、少なくとも今回の様に死者が出ていない以上は、「A社乃至はA社に肉を供給している施設に、何等かの大きな問題点が在った。」と言わざるを得ない。
そういった点を考え合わせれば、責任逃れを感じさせる逆切れは最悪の対応で在り、A社に対する信頼感を損ねるだけの記者会見だったと思う。
わかりやすいなあ、叩きがいがあって、目に見える実害が出ている事象だし。
真面目な話、自分はユッケ、レバ刺しの類が大好きなので、ちょっとショックですね。
ただ100円の店で生肉というのはちょっと嫌ですね。チェーン店の焼肉店にあまり真っ当な管理のような物を求めていないので。件のo157等は昔の堺市の事件がそうだったように、おそらく菌がある内蔵とユッケ用の肉を同じまな板で処理したのかもしれないですね。
しかしショックだなあ、好物なのに…。
あの社長か何かの人(眉の細さがまたいかがわしい)、余計なこと言って「風評被害」出しそうですね。
今回の会見を見て、11年前の「雪印集団食中毒事件」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%8D%B0%E9%9B%86%E5%9B%A3%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6)での社長の対応がオーバーラップしました。記者会見の延長を求める報道陣に対し、「そんな事言ったってねえ、私は寝ていないんだよ!」と逆切れした事で、火に油を注いでしまったという、最も遣ってはいけない最悪な対応。
「何故内だけが叩かれなきゃいけないんだ!」と今回の社長が思ってしまう気持ちは判らないでも無いけれど、少なくとも他の焼き肉店では死者を出す様な事例は無かった訳だし、「他を巻き込んで、自分達の罪を減じさせる。」様な遣り方はすべきではなかった。消費者のみならず、同業者をも敵に廻してしまった気がします。
ユッケは美味しいですよね。自分は焼肉もレア状態が好きなのですが、此れからはしっかり焼かないといけないかなあと思っています。
焼肉に行くとよく注文します。
今回の事件によって「ユッケの提供全面禁止」とかにならないか心配です(考えすぎ?)。
そら規制する役所サイドから考えるなら、
そうしたほうがラクなんでしょうけど。
(そういうプレッシャーがあるのかどうか判りませんが・・)
でもおっさるように、他の焼肉店でそのような事例は聞いたことは無いし
フグの肝のように、絶対に毒があるわけでは無いし。
規制するなら「新鮮さ」「衛生状態」など
「安心して食べられる」方向なら賛成です。
寿司や刺身、馬刺し等々と、日本人は生物(なまもの)を食すのが好きな国民性を有していますので、今回の問題で即「ユッケ提供の全面禁止」という事にはならないと思っています。でも、だからと言って「生物を食した結果、食中毒に掛かり、結果として亡くなった場合には自己責任。」というのも違うと思いますし、落とし所としては「“違反した際の厳罰を規定”した、遺漏の無い安全対策を法制化する。」という形がベターではないかと。
今回の問題で、1つ気になった指摘が在りました。「卸業者と焼き肉チェーン店は、主にインターネット上で取り引きを行っていた。“顔”の見えない取り引きが、御互いに信頼関係が構築出来ないままに、どんどん拡大して行ってしまったのではないだろうか?」という趣旨の指摘。実際の所は当事者のみぞ知るですが、もし「商品の具体的な取り決めから取り引きに到る迄、インターネット上での遣り取りをメインに行っていた。」としたら、「確かに其処に、『問題の芽』が芽生えたのかもしれないなあ。」という気がします。安く“商品”を仕入れる事ばかりに注力した結果、「具体的な“仕様”を伝え、其の“値段”さえ判れば良い。」といった無機的な思いが蔓延していたとすれば、強固な信頼関係が構築出来るとは思えない。顔を突き合わせて細やかな遣り取りをする事で信頼関係は強固になって行くだろうし、其の結果として双方に「相手を裏切る真似だけは出来ない。」という責任感も増すだろうし。