ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

着眼点

2010年03月24日 | 時事ネタ関連
デフレスパイラル真っ只中に在る我が国。マクドナルドが期間限定で発売しているハンバーガーの様に、希少価値をアピールする事で同類の物よりも高値なのに売れ捲っているケースも在るけれど、概して世の中は「安値競争」に走っている。「同業他社よりも安値にしないと、事業は忽ち立ち行かなくなってしまう。」と各社が競って値下げを断行し、その結果として戦いに敗れ去った(倒産した)企業や店が結構目立つ。

「色々工夫をしたけれど、売り上げ増加には結び付かない。このまま座して死を待つよりは、商品を値下げして対抗するしかない。」というのが、この時代のコモンセンスとも言えるが、そんな中でも着眼点の良さから、安売りをしている企業(店)よりも高価格でも業績を著しく伸ばしている所も在る。最近テレビ番組で取り上げられていた2つの企業も、そんなケースだ。1つは酒類小売店の「カクヤス」。そしてもう一つは、家電店の「オール電化のヤマグチ」だ。この2つの企業に関する詳細、「カクヤス」に関しては「リバーのブログ」の「カンブリア・カクヤス酒店さんの事」という記事、そして「オール電化のヤマグチ」に関しては「雑草の詩」の「街の電気屋さんは『高売り店』」という記事でそれぞれ簡潔に触れておられるので、先ずはそちらを読んで戴きたい。

「酒類や食品、日用品等で買わなければいけない物が在るのだけれど、買いに行くのは様々な理由から大変。」という人が少なからず居る。そういう場合には宅配して貰える店(ネット・ショップを含め。)に頼る事になる訳だが、「一定の量を買わないと宅配してくれない。」、「宅配料が馬鹿にならない。」といった事が躊躇要因に成り得る。「カクヤス」の場合は東京都全域、神奈川県&大阪府の一部の地域に関しては無料で宅配、それも商品1点だけでもOKなのだとか。それで商品は安売り店よりも、やや高い程度と言う。普通に考えれば「宅配に要する人件費が結構掛かり、やや高い程度の値付けで儲けが出るの?」と思ってしまう所だが、「店舗を効率良く配置して、1人の配達員が1時間に3、4軒程度回れる様にした。」事で、商品への人件費の跳ね返りを小さくしている様だ。「商品1点からも無料宅配してくれて、商品の値段自体も少々高い程度。」というので在れば、そりゃあ注文する人も増えよう。

又、「オール電化のヤマグチ」の場合、商品自体は結構高いのだけれど、CS(顧客満足)度が半端じゃなく高いというのが売り。商品の取り扱い説明を客が理解出来る行う(1人の客に1時間以上説明する事も在るとか。)というのも凄いが、客からのリクエストには“原則的に”何でも応えるというスタンスが本当に凄い。「部屋の模様替え」やら「ペットの餌遣り」、「鉢植えの水遣り」、「手足の爪切り」、更には「留守宅で一泊の留守番」なんていうのも応じて貰えるというのだから、高齢者にとっては本当に在り難い事だろう。客のニーズ十二分に応え続ける事で、客のハートをガッチリ掴む。「あの店なら、困った時は何でもしてくれる。」という信頼関係が構築出来れば、「値段が安いから。」と他店に“浮気”する人がそうは出て来ないという構図。

「カクヤス」及び「オール電化のヤマグチ」のビジネス・スタイル、説明されれば「成る程。」と思うけれど、どうしても既成概念が邪魔をして、良い着眼点が得られなかったりするもの。良い着眼点を得られても、実際に利益を生み出す迄には様々な試行錯誤を繰り返すだろうし、それは両社も例外では無いと思う。

既成概念に囚われず、柔軟な発想力で取り組み、幾多の困難にもめげない。。言うは易く、行なうは難しだけれども。

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2 コメント

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NHKの (spa supernova)
2010-03-24 17:12:54
クローズアップ現代でもやっていました。

『デフレが深刻化する中で、安売り以外の戦略で客の心を掴もうとしているスーパーが注目を集めている。山梨県にある「オギノ」は、客の買っている商品からその客にどんな買い物の志向があるのかを分析。その志向にあわせて店毎に販売する商品を変える戦略を打ち出している。一方、「コストを削減する」小売りの常識を否定し、あえてコストをかける戦略を打ち出すところも。首都圏にある「オオゼキ」は、従業員の7割を正社員にしてそれぞれの担当者に値決めや品揃えを任せる「個店主義」を打ち出している。さらに、福岡にある「ハローデイ」はお客さまカードを活用して、客が欲しい商品は原則的にすべて仕入れることにしている。大量仕入れによるコスト削減とは真逆のやり方だ。独自性をどう打ち出して客の心を掴むのか、スーパーの戦略に迫る。
(NO.2839)』

ハローデイは近くにあったら夢のスーパーだと思いました。
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>spa supernova様 (giants-55)
2010-03-24 20:59:07
書き込み有難う御座いました。

その番組は残念乍ら拝見していないのですが、「安売りとは違う形で、確実に客のハートを掴んでいる企業。」というのは徐々に増えて来ているみたいですね。

「レジで商品に付いたバーコードを読み取り、当該商品の内容や販売時刻等を商品管理センターに送って、在庫管理を的確に行う。」という所謂「POSシステム」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E6%99%82%E7%82%B9%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%AE%A1%E7%90%86)は、コンビニを中心に多くの店舗で取り入れられていますが、そういった機械管理から敢えて脱却して、“客の声”で商品を仕入れるスタイルというのは或る意味「温故知新」と言えますね。

良く良く考えれば、「効率性を最優先した現代の商スタイルを捨て、昔乍らの商スタイルへと戻した企業。」が、今注目を浴びていると言えるのかも。
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