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「珍事!両軍に実況筒抜け『捕手インコースに構えた。』」(6月21日、日刊スポーツ)
無観客試合ならではの珍事が、神宮球場で起きた。9回表開始前、中日・与田監督が嶋田球審に話し掛けた後、同球審は一塁側ベンチに向かい、ヤクルト・高津監督とスタンドの放送ブースを指差し乍ら、話し合うシーンが見られた。
中日の加藤球団代表によると与田監督は、「報道ブースから、『捕手がインコースに構えた。』等の声が聞こえる。」と伝えたと言う。
ネット裏に在る放送ブースでは、前面に窓が無い状態で試合中継を実施。スタンドが無観客で静かな為、解説者の配球の読みや捕手の位置を伝える実況の声がグラウンド・レヴェルで聞こえた様だ。試合後に審判団がセ・リーグに報告し、加藤球団代表はセの杵渕統括から「各球場に注意を促し、直ぐ是正する。」との説明を受けた事を明かした。
ヤクルト・高津監督:ブースで実況している声が聞こえて来るらしい。「コースに寄ったとか、そういう声が聞こえたので。」と、アンパイアに言われました。
中日・与田監督:選手の方から「色々審判に伝えて欲しい。」という要望が在った。
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録音された応援音声が時折流される事は在るものの、「間断無く、声援や鳴り物の音が響き渡る。」という“普段の環境”には無い“無観客試合”。戸惑いが無い訳では無いけれど、投手が球を投げる際の声、投じられた球が捕手のミットに収まる際の音、打球音、ベンチからの野次等、大音声の中では聞き取れなかった“プレー中の音”が色々聞けるのは、実に新鮮だ。
で、今回のトラブルだが、「起こるべくして起こった。」という感じは在る。大音声の中では聞こえなかった物が、“静かな環境”では聞こえてしまうので。試合中継を見ていて気になったのは、ベンチから「(出塁している選手が)走ったぞ!」とか、「(捕手の配球指示が)外角低め!」とかと、味方選手に“バックアップする声”が何度か聞こえた事。こういう行為は野球の面白さを減じさせてしまうし、是非とも控えて貰いたい。又、今回の様な実況体制も、改善する必要が在るだろう。