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「失明患者に希望の光 光の動き追える迄回復」(12月6日付け東京新聞【朝刊】)
失明した患者の眼球に網膜を刺激する電極を付け、光の動きを追える迄に視覚を回復させたと大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかど・たかし)教授が5日明らかにした。
国内で初めての成功で、網膜色素変性症等視力が失われる病気の患者に朗報になりそうだ。
不二門教授は「色の識別は出来ず、未だ白黒でしか認識出来ないが、2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内に杖が無くても歩ける様になるかもしれない。」と話している。
大阪大チームは、10年以上前に失明した網膜色素変性症の兵庫県の女性(72歳)に4月、千葉県の女性(67歳)に7月、其れ其れ眼球の網膜の外側に在る強膜に49の電極が付いた白金製のチップ(約7ミリ四方)を埋め込み、眼球内にも約1ミリの電極を一つ装着した。
女性の額に取りつけた電荷結合素子(CCD)カメラで捉えた映像を、体外のコンピューターで白黒映像に変換。此の映像情報を、顳顬に埋め込んだ小型装置に無線送信し、装置に繋がったチップで網膜に電気刺激を与える仕組み。
刺激は視神経を通って脳に伝わり、視覚化。二人共パソコン画面の光を指で追えたと言う。2005年と2008年にも4人に、チップを手術中の僅かな時間だけ装着し、効果を確認。今回は約1ヶ月間装着し、効果や安全性を調べた。千葉の女性は網膜の神経が活発に働く様になり、チップを外した後も蝋燭の光が見えると言う。
米国等では網膜を直接電気刺激する研究が進んでいるが、大阪大の手法は強膜にチップを付ける為網膜を傷付け難く、より安全性が高いと言う。「将来は眼鏡型CCDカメラと、持ち運べる小型の体外コンピューターを開発したい。」(不二門教授)としている。
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「三重苦」で知られるヘレン・ケラー。目が見えず、耳が聞こえず、話が出来ずというのは、どれ1つとっても耐え難い苦しみで在ろう。もし自分がどれか1つ、症状を負わなければいけなくなったとしたら、個人的には「目が見えない。」というのが一番苦しい気がする。「網膜を電気刺激する事で、失明した人に視覚回復の可能性が出て来た。」という海外のニュースを以前目にしたが、上記の如く「安全性の面等で問題が少なくない。」という事だった。しかし安全面での問題がクリアされ、将来的には「杖が無くても歩ける様になるかも。」というので在れば、正に「失明患者が『光明』を見出せるニュース」と言って良いだろう。
嘗ては「死の病」と称された結核も、医学の進歩によって「死の病」では無くなった。しかし結核への治療法が確立されたと思ったら、癌という難敵が出現。更なる医学の進歩により、癌が必ずしも「死の病」で無くなったと思ったら、今度はエイズという難敵が。人類と病とは、古の昔より延々と闘いを続けて来た関係に在る。先人達の弛み無い努力により、人類は多くの病に打ち勝って来た訳で、今後は聾唖者にとっても光明を与えられるニュースが出て来て欲しいものだ。
「失明患者に希望の光 光の動き追える迄回復」(12月6日付け東京新聞【朝刊】)
失明した患者の眼球に網膜を刺激する電極を付け、光の動きを追える迄に視覚を回復させたと大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかど・たかし)教授が5日明らかにした。
国内で初めての成功で、網膜色素変性症等視力が失われる病気の患者に朗報になりそうだ。
不二門教授は「色の識別は出来ず、未だ白黒でしか認識出来ないが、2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内に杖が無くても歩ける様になるかもしれない。」と話している。
大阪大チームは、10年以上前に失明した網膜色素変性症の兵庫県の女性(72歳)に4月、千葉県の女性(67歳)に7月、其れ其れ眼球の網膜の外側に在る強膜に49の電極が付いた白金製のチップ(約7ミリ四方)を埋め込み、眼球内にも約1ミリの電極を一つ装着した。
女性の額に取りつけた電荷結合素子(CCD)カメラで捉えた映像を、体外のコンピューターで白黒映像に変換。此の映像情報を、顳顬に埋め込んだ小型装置に無線送信し、装置に繋がったチップで網膜に電気刺激を与える仕組み。
刺激は視神経を通って脳に伝わり、視覚化。二人共パソコン画面の光を指で追えたと言う。2005年と2008年にも4人に、チップを手術中の僅かな時間だけ装着し、効果を確認。今回は約1ヶ月間装着し、効果や安全性を調べた。千葉の女性は網膜の神経が活発に働く様になり、チップを外した後も蝋燭の光が見えると言う。
米国等では網膜を直接電気刺激する研究が進んでいるが、大阪大の手法は強膜にチップを付ける為網膜を傷付け難く、より安全性が高いと言う。「将来は眼鏡型CCDカメラと、持ち運べる小型の体外コンピューターを開発したい。」(不二門教授)としている。
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「三重苦」で知られるヘレン・ケラー。目が見えず、耳が聞こえず、話が出来ずというのは、どれ1つとっても耐え難い苦しみで在ろう。もし自分がどれか1つ、症状を負わなければいけなくなったとしたら、個人的には「目が見えない。」というのが一番苦しい気がする。「網膜を電気刺激する事で、失明した人に視覚回復の可能性が出て来た。」という海外のニュースを以前目にしたが、上記の如く「安全性の面等で問題が少なくない。」という事だった。しかし安全面での問題がクリアされ、将来的には「杖が無くても歩ける様になるかも。」というので在れば、正に「失明患者が『光明』を見出せるニュース」と言って良いだろう。
嘗ては「死の病」と称された結核も、医学の進歩によって「死の病」では無くなった。しかし結核への治療法が確立されたと思ったら、癌という難敵が出現。更なる医学の進歩により、癌が必ずしも「死の病」で無くなったと思ったら、今度はエイズという難敵が。人類と病とは、古の昔より延々と闘いを続けて来た関係に在る。先人達の弛み無い努力により、人類は多くの病に打ち勝って来た訳で、今後は聾唖者にとっても光明を与えられるニュースが出て来て欲しいものだ。
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