此の時期になると「ミステリーの年間ベスト10」が発表されるが、自分が毎年注目しているのは「本格ミステリ・ベスト10」(発行元:原書房)、「このミステリーがすごい!」(発行元:宝島社)、そして「週刊文春ミステリーベスト10」(発行元:文藝春秋)の3つ。先陣を切って先週、今年の「本格ミステリベスト10」が発表された様だ。「様だ」と書いたのは、書店に足を運んだものの現物を確認出来なかった為。此方に詳細が載っていたので、参考にさせて貰った。
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【2011年版「本格ミステリ・ベスト10(国内編)」】
1位: 「隻眼の少女」(麻耶雄嵩氏)
2位: 「叫びと祈り」(梓崎優氏)
3位: 「水魑の如き沈むもの」(三津田信三氏)
4位: 「綺想宮殺人事件」(芦辺拓氏)
5位: 「アルバトロスは羽ばたかない」(七河迦南氏)
6位: 「貴族探偵」(麻耶雄嵩氏)
7位: 「写楽 閉じた国の幻」(島田荘司氏)
8位: 「丸太町ルヴォワール」(円居挽氏)
9位: 「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉氏)
10位: 「こめぐら」(倉知淳氏)
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此のベスト10の中で、読んだ作品は皆無。大体、初めて目にした作家名が殆どで、「どういう読み方をするのか?」や「女性なのか男性なのか?」すら判らないケースも。ミステリー・ファンを名乗るのは痴がましい状況故、時間を見付けて少しずつ此れ等の作品を読破したいと思っている。
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北海道夕張市に隣接する「幌岡市」。市長として5期目を終えようとしている大田原昭夫は、大手炭坑閉山後、リゾート開発に過剰投資した事で市の財政を悪化させたが、巧みな借入金処理で市の債務を隠し続けて来た。しかし北海道庁の調べが入った事で、債務が百億円を超している事が白日の下に晒され、幌岡市は夕張市と同様に「財政再建団体」入りする事に。過酷な負担を課せられる事になる幌岡市民を尻目に、大田原は6期目を目指す意向を明らかにする。最年少市議の森下直樹は仲間や恩師等の応援を受け、打倒大田原を期し期して市長選に立候補するが、大田原の息が掛かった人物が多くの要職を占める状況下、様々な妨害工作を受ける事に。幌岡市民は、誰を市長に選ぶのか?
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「財政再建団体入りした夕張市の市民達に、どれ程の厳しい現実が待っているか。」に付いてを4年前の記事で触れたが、其の夕張市で生まれ育った作家・佐々木譲氏にとっては「故郷が何故、こんな状態になってしまったのか?」という哀しみや寂しさが強く在るのだろう。同氏の小説「カウントダウン」では「幌岡市」という架空の市を登場させ、其の現状を描く事で、複雑な思いの丈を発露している様に感じられた。
大田原派の議員が絶対多数を占める市議会では、市が財政破綻の状態に在る事を以前より認識はしている。しかし「何とかなるさ。」といった無根拠な思いを殆どの議員が持っており、其の事で財政は更なる悪化へと突き進んでしまった。財政再建団体入りする事が明らかになった後ですら、議員達に危機感の欠片も感じられないのだが、「現実問題として、こういった議員は多いのだろうなあ。」という気がする。
ストーリーとして面白くない訳では無いのだけれど、直木賞受賞作家の作品としては如何な物か?言葉は良くないけれど、「安っぽい2時間ドラマの様な、見覚えの在る内容。」といった感じがしたので。
厳しいかもしれないけれど、総合評価は星2.5個とさせて貰う。
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【2011年版「本格ミステリ・ベスト10(国内編)」】
1位: 「隻眼の少女」(麻耶雄嵩氏)
2位: 「叫びと祈り」(梓崎優氏)
3位: 「水魑の如き沈むもの」(三津田信三氏)
4位: 「綺想宮殺人事件」(芦辺拓氏)
5位: 「アルバトロスは羽ばたかない」(七河迦南氏)
6位: 「貴族探偵」(麻耶雄嵩氏)
7位: 「写楽 閉じた国の幻」(島田荘司氏)
8位: 「丸太町ルヴォワール」(円居挽氏)
9位: 「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉氏)
10位: 「こめぐら」(倉知淳氏)
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此のベスト10の中で、読んだ作品は皆無。大体、初めて目にした作家名が殆どで、「どういう読み方をするのか?」や「女性なのか男性なのか?」すら判らないケースも。ミステリー・ファンを名乗るのは痴がましい状況故、時間を見付けて少しずつ此れ等の作品を読破したいと思っている。
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北海道夕張市に隣接する「幌岡市」。市長として5期目を終えようとしている大田原昭夫は、大手炭坑閉山後、リゾート開発に過剰投資した事で市の財政を悪化させたが、巧みな借入金処理で市の債務を隠し続けて来た。しかし北海道庁の調べが入った事で、債務が百億円を超している事が白日の下に晒され、幌岡市は夕張市と同様に「財政再建団体」入りする事に。過酷な負担を課せられる事になる幌岡市民を尻目に、大田原は6期目を目指す意向を明らかにする。最年少市議の森下直樹は仲間や恩師等の応援を受け、打倒大田原を期し期して市長選に立候補するが、大田原の息が掛かった人物が多くの要職を占める状況下、様々な妨害工作を受ける事に。幌岡市民は、誰を市長に選ぶのか?
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「財政再建団体入りした夕張市の市民達に、どれ程の厳しい現実が待っているか。」に付いてを4年前の記事で触れたが、其の夕張市で生まれ育った作家・佐々木譲氏にとっては「故郷が何故、こんな状態になってしまったのか?」という哀しみや寂しさが強く在るのだろう。同氏の小説「カウントダウン」では「幌岡市」という架空の市を登場させ、其の現状を描く事で、複雑な思いの丈を発露している様に感じられた。
大田原派の議員が絶対多数を占める市議会では、市が財政破綻の状態に在る事を以前より認識はしている。しかし「何とかなるさ。」といった無根拠な思いを殆どの議員が持っており、其の事で財政は更なる悪化へと突き進んでしまった。財政再建団体入りする事が明らかになった後ですら、議員達に危機感の欠片も感じられないのだが、「現実問題として、こういった議員は多いのだろうなあ。」という気がする。
ストーリーとして面白くない訳では無いのだけれど、直木賞受賞作家の作品としては如何な物か?言葉は良くないけれど、「安っぽい2時間ドラマの様な、見覚えの在る内容。」といった感じがしたので。
厳しいかもしれないけれど、総合評価は星2.5個とさせて貰う。