小学生の頃、空前の功夫ブームが世界中で巻き起こった。「アチョー!」という“怪鳥音”を叫び乍ら、半裸でヌンチャクを振り回す若者が多発。そして最後は、何とも言い様が無い“強張った表情”で決めるのが御約束。皆、“或る男”を真似ていたのだ。或る男とは、当時、主演していた功夫映画「燃えよドラゴン」【動画】が世界的な大ヒットを記録した事で、一躍有名スターの仲間入りをしたブルース・リー。だが、皮肉な事に、此の作品が世界で初公開された時(1973年7月26日、香港)、彼は既に亡くなっていた(1973年7月20日)。日本で初公開されたのは「1973年12月22日」の事だから、亡くなってから既に5ヶ月以上経っていたという事になる。
彼の死は、正に“急死”だった。先月亡くなられたアントニオ猪木氏もそうだが、現役時代に“頑強”なイメージが在る人程、亡くなられた時の衝撃は大きい。現役時代の頑強さと“死”という物が、中々結び付かないからだ。特にブルース・リー氏の場合は、32歳という若さでの急死だったので、其の衝撃度は相当な物だったろう。(自分は幼かったので、当時はピンと来ていなかった。)だからこそ、此方に記されている様に「公式な死因が脳腫脹と公表されたものの、様々な陰謀説が飛び交って来た。」という経緯が在る。
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「ブルース・リーさんの意外な死因が発覚 死亡当時の発表が覆る研究発表」(11月23日、よろず~ニュース)
「1973年夏に香港で32歳の若さで他界した伝説的アクション・スターのブルース・リーさんは、水の飲み過ぎで死亡した可能性が在る。」と言う。当時死因は鎮痛剤摂取による脳腫脹だとされていたが、没後50年以上経過した今、其れが低ナトリウム血症で在る可能性が高い事が明らかになった。
クリニカル・キドニー・ジャーナル誌に発表された研究には、こう綴られている。
「私達は腎臓が過剰な水分を排出出来なかった事で、ブルース・リーさんが死亡したと考えています。」。「ブルース・リーさんが、或る特定の腎臓機能障害により死亡したと仮定するとします。腎臓が恒常性を保てる程の水分を排出出来なかったのです。」。「水分の過剰摂取と尿の排出量が合わない場合は、数時間以内に低ナトリウム血症、脳水腫(脳腫脹)、そして死に繋がります。此れは、リーの死亡のタイムラインにも一致しています。皮肉な事に、リーは『友よ、水になれ。』という名言で知られています。然し、水分の過剰摂取が、最終的に彼を死に到らせた様です。」。
研究によると、液体の大量摂取や喉の渇きを催す大麻使用等、ブルースさんには複数のリスク・ファクターが在ったそうだ。
低ナトリウム血症とは、「水分のバランスを保つのに必要なナトリウムの血中濃度が、極度に低い状態。」を意味し、バランスが崩れると、脳を含む体内の細胞が膨れ上った状態となる。
ブルースさんの死を巡っては、裏社会の人間に暗殺された、嫉妬深い愛人に毒殺された、若しくは呪いの犠牲となった等、様々な陰謀説も語られて来たが、ブルースの妻リンダ・リー(77歳)によると、ブルースさんは死亡前、人参と林檎のジュースを中心とした食事をしていたそうだ。
又、マシュー・ポリーは2018年の伝記「ブルース・リー伝」の中で、「ブルースさんが死を迎えた夜、頻繁に水を飲んでいた。」と綴っている。
1973年に倒れたブルースさんは、脳浮腫と診断され、ネパール産ハシシ(大麻に含まれる樹脂から作った麻薬。)を食べた事を認めていた。
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亡くなってから49年。「死因は低ナトリウム血症。」という今回の研究結果は、果たして事実なのだろうか?