「いけないⅡ」

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第１章「明神の滝に祈ってはいけない」
桃花（ももか）は１人、明神の滝に向かっていた。１年前に忽然と姿を消した姉・緋里花（ひりか）のＳＮＳ裏アカウントを、昨晩見付けた為だ。失踪する直前の投稿を見た桃花には、彼の日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて、姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。手掛かりを求めて向かった観瀑台で桃花が出逢ったのは、滝の伝説を知る人物だった。

第２章「首なし男を助けてはいけない」
夏祭りの日、少年は２人の仲間を連れて、大好きな伯父さんを訪ねる。今夜、親達に内緒で行う肝試し、其の言い出しっ屁で在る“タニユウ”に「どっきり」を仕掛ける為、伯父さんに協力して貰うのだ。伯父さんは３０年近くも自室に引き籠って、奇妙な「首吊り人形」を作っている。其の人形を借りて、タニユウの作り話に出て来た化け物を出現させ様というのだ。

第３章「その映像を調べてはいけない」
「昨夜・・・息子を殺しまして。」。年老いた容疑者の自白によれば、「息子の暴力に耐え兼ねて、相手を刺し殺し、遺体を橋の上から川に流した。」と言う。だが、其の遺体が何処にも見付からない。必死で捜索を続ける隈島（くまじま）刑事は、軈て或る「決定的な映像」へと辿り着く。彼は先輩刑事と共に、映像を分析し始め・・・然し、其れが刑事達の運命を大きく変えて行く。
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道尾秀介氏の小説「いけないⅡ」は「いけない」の第２弾で、上記３つと終章の「祈りの声を繋いではいけない」の併せて４つの短編小説から構成されている。

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「本書の御使用法」

・先ずは、各章の物語に集中します。
・章末の写真を御覧下さい。
・隠された真相に気付きましたか？
・「そういう事だったのか！！」。

騙される快感を御楽しみ下さい。（再読では、更なる驚きを味わえます。）
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前作「いけない」の広告に記された「本書の御使用法」に記されていた様に、「いけないⅡ」でも「章末に置かれている写真にて、読者は『著者によってミスリードされた。』事に気付かされ、そして、終章で其れ迄の３作品が“密接”に”関係している事を理解する。」という設定となっている。

伏線の敷き方は相変わらず上手いけれど、「騙された！」という程の驚きは無い。全てが“想定内”で在ったから。でも、ネット上の評価は概して高い。此のギャップは、一体何なのだろうか？

後味は良く無いし、ミステリーとしてもぴんと来ない。総合評価は星３つ。