ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「尊敬!」の一言

2015年12月05日 | 時事ネタ関連

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鶴岡小父さん、姿現さず寄付41年 最後に児童と交流」(12月4日、朝日新聞

 

山形県鶴岡市立羽黒第四小学校に41年間に亘り、毎月、図書費を匿名で送り続けて来た男性が居る其の寄付で購入した図書は1,400冊児童等は「鶴岡の小父さん」と呼んで毎年、見知らぬ男性に感謝する祭りを開いて来た。だが、児童数24人の同校は来春閉校する事に。4日に在った最後の祭りに、本人が遂に参加した。

 

男性は、鶴岡市出身で仙台市に住む金野昭治さん(68歳)。ランチ・ルームで行われた「小父さん祭り」で、白髪に柔和笑みを浮かべて、児童と向き合った。

 

私は子供の頃、環境に恵まれず、地域のを受けた。其の恩返しの積りで続けて来ました。。子供達は、41年分の「在難う。」の思いを込めた手紙をプレゼント。代表して挨拶した冨樫直希君(4年)は、「小父さんとの思い出を大切にして行きます。」と感謝した。

 

寄付の始まりは1974年4月12日。学校に届いた封筒の裏には「鶴岡市」とだけ在った。手紙には「社会から受けた温かい恩に、少しでも報いたい。図書費に使って下さい。」と書かれ、2千同封されていた。

 

以降、金額は途中から5千円に変わり、消印も仙台市となったが、封書は毎月届いた。自らを「小父さん」と称し毎回、「釣りスキーが趣味です。」、「学校の近くを通り掛かりますが、『遠くから見詰める。』と誓っています。」等の言葉を添えていた。

 

児童は毎年「小父さん祭り」を開き、想像して似顔絵を描き、思いを綴って来た。「私が本好きなのは、小父さんの御蔭。」と佐藤柚子香さん(5年)。

 

寄付の総額は約220万円。「小父さん文庫」は1,400冊を超えた。だが、地域の少子化が進み、校が隣の小学校と統合され、閉校する事が決まった。

 

すると今年3月、思い掛けず「小父さん」から校長宛てに手紙が来た。故郷の友人から、閉校の話を聞いたと言う。

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金野氏が寄付を始めた「1974年」と言えば、「小野田寛郎陸軍少尉が、フィリピンルバング島より、戦争終結から29年目にして帰還した。」という年だ。如何に大昔の事か判ろう。

 

他者から受けた恩という物を、忘れてしまう人は少なく無い。特に近年は「自分さえ良ければ良い。人の事なんか、知った事では無い。」という風潮が強まっているだけに、「恩」という概念自体が薄れて来ている様に感じる。其れだけに「私は子供の頃、環境に恵まれず、地域の恩を受けた。其の恩返しの積りで続けて来ました。」という金野氏の言葉にはぐっと来る物が在るし、41年以上、其れも毎月寄付をして来たという事実には、「尊敬!」の一言しか無い。

 

自分は思春期に、父を病で失った。辛い事も在ったけれど、幸いにして“周りの人達”に恵まれた事も在り、何とか大学を卒業出来た。だから、他者からの恩というのは強く感じているし、折に触れて寄付もして来たけれど、金野氏の足元にも及ばない基本的には「勲章制度」に否定的な立場だが、勲章制度が存在するならば、金野氏の様な人は授与されるに値するだろう。


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