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「戦後初、昨年の殺人1,000件割る」(1月10日付け東京新聞【朝刊】)
昨年1年間の刑法犯認知件数は、前年比6万1,373件(4.4%)減の132万748件で、11年連続で減少した事が9日、警察庁の纏め(暫定値)で判った。殺人(未遂、予備容疑を含む。)は91件(8.8%)減の939件で、戦後初めて千件を下回った。
窃盗犯は5万4,138件(5.2%)減の98万6,309件で、100万件を切るのは1973年以来、40年振り。
一方、振り込め詐欺が2,869件増えた影響で、詐欺は3,648件(10.5%)の増加。凶悪犯では殺人の他、強盗が9.0%減ったが、強姦が13.7%、放火が5.7%増えた。
警察庁の担当者は「ヴォランティアによる夜間警戒の増加等、官民挙げた防犯活動が効果を上げた。だが、引き続き子供や女性、高齢者が被害者となる犯罪対策に力を入れていきたい。」と話している。
摘発件数は9.9%減の39万4,169件、摘発人数は8.5%減の26万2,554人。摘発率は29.8%(1.9ポイント減)で、2005年以来8年振りに30%を割った。
全国の殆どで認知件数が減少したが、山形、神奈川、滋賀、大阪、奈良の5府県では増加した。
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マス・メディアでは連日の様に、少なからずの犯罪が発生した事を報じている。なので、「昔に比べて犯罪、其れも凶悪犯罪が急増したなあ。」と思ってしまうのだが、以前の記事「『戦前の少年犯罪』&『モノができる仕組み事典』」で紹介した様に「少年犯罪は昔の方が凶悪で、数も多かった。」という話や、抑、「昔の方が、凶悪犯罪の発生数自体が多かった。」という話が在ったりもする。
「“御上”が“解釈”を変える事で、自身にとって“好都合な数字”を国民に提示する。」というのは良く在る事なので、今回の纏めも「認知件数の解釈を変える等、数字の操作をしてはいないか?」という疑念も正直頭を過ったが、そういった“不正”が無いので在れば、殺人の減少等は喜ばしい。
唯、気になる点も在る。元記事にも在る様に、「振り込め詐欺」や「強姦」等、子供や女性、高齢者といった「“弱い立場の人達”をターゲットにした犯罪」が増えている事だ。生活保護を不正に受けている人達は非難されて然る可きだが、其れに乗じて“受けて当然の人達”をも正義面して叩く連中は、“弱者虐めをしたいだけの卑怯者”に過ぎない。近年、そういう輩がネット上で急増しているが、“実社会”でも増えている証左なのかもしれない。
又、此れは海堂尊氏等が以前より指摘されているが、「変死体の司法解剖率が、他国に比べて我が国は非常に低い。」というのが在る。100%とは言わないが、他国並みに行われた場合、刑法犯の認知件数は恐らく増える事だろう。(過去も変死体の司法解剖率は低かったのだから、“闇に葬られた犯罪の数”自体は変わらないのだろうけれど。)
(警察に言わすと行方不明者の大多数は本人が色んな問題を抱えて自らの意思により姿をくらますらしいですね)
昔の方が凶悪犯罪が多かったのは単に現在の犯罪手口が巧妙になり遺体処理(犯行)や第三者に犯行を依頼(アリバイ工作)をしたりで犯行が露見しなくなっただけだったりしてと勘ぐってしまいます
何はともあれ犯罪には会いたくないですね
「2010年11月から行方不明になっていたホストクラブの経営者が、元従業員達によって殺害され、其の死体が損壊&遺棄されていた事が、昨年明らかとなりましたね。死体は物を溶かす薬品(パイプに詰まった髪の毛等を溶かす薬品という話も。)で溶かされ、下水に流されたそうで、顔の骨の一部やインプラントが汚水槽に残留していた事から、事件が発覚したとの事。汚水槽に残留物が無かったら、事件は発覚しなかったとも言えます。
透明人間様が書かれている様に、昔よりも犯行が露見し難い環境になったというのは在るかもしれません。世の中がどう変わろうとも、「天網恢恢疎にして漏らさず」で在って欲しいもの。