昨夜は、「多摩川花火大会」を見に行って来た。「東京都世田谷区と神奈川県川崎市高津区に跨がる二子橋付近の多摩川河川敷で行われる花火大会。」だが、「こんな時期に花火大会?」と疑問を持たれる方も居られるだろう。実は此の花火大会、「2017年迄は概ね8月の第3土曜日に開催されて来た。」のだが、「2017年の開催日、ゲリラ豪雨と落雷で大混乱となった(マス・メディアでも大きく取り上げられた。)」事から、翌年(2018年)より「気候が安定し易い10月開催。」に変更となったのだ。
特別な用事が無い限り、此の花火大会には足を運んでいたのだが(2017年は現地に足を運んだものの、物凄い雨で帰宅。)、新型コロナウイルス感染症流行により2020年から昨年迄、3年連続で中止。今回、4年振りの開催。花火や祭が大好きな人間なので、久し振りに生で見る花火は感無量。楽しい1時間を過ごさせて貰った。
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・群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、其処には頸動脈を刺され失血死した男性の遺体が在った。犯人は一緒に遭難していた男と略特定出来るが、凶器が見付からない。其の場所は崖の下で、然も2人の回りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分する事は不可能だった。犯人は、何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」)
・榛名山麓の<きすげ回廊>で右上腕が発見された事を皮切りに、明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠す為なら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てる筈は無い。何故、犯人は死体を切り刻んだのか?(「命の恩」)
・太田市の住宅街で、連続放火事件が発生した。県警葛(かつら)班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めない内に、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か?何故、放火は止まったのか?犯人の姿が像を結ばず、捜査は行き詰まるかに見えたが・・・。(「可燃物」)
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米澤穂信氏の小説「可燃物」は、表題作を含めた5つの短編小説で構成されている。何れも群馬県警を舞台とし、「余計な事は喋らない。上司から疎まれる。部下にも、良い上司とは思われていない。然し、捜査能力は卓越している。」という葛警部が主人公。
一番印象に残った作品は「崖の下」。「スキー場の崖下で2人の遺体が発見され、内1人は刺殺されていたが、其の凶器が全く見当たらない。」という状況で、凶器当ても1つのテーマ。“スキー場での見当たらない凶器”という事で、「まさか、昔から良く在る“氷で作った凶器”とかじゃ無いよなあ?」と思ったりしたのだが、非常に意外な凶器だった。「最初から目の前に存在していたのに、其れが凶器で在るとは気付かなかった(気付けなかった)。」という事で、「確かに凶器とは想像出来ないよなあ。」と思ってしまう程の物。
「可燃物」は動機に意外性が在り、面白い作品で在る。でも、他の3作品は凡庸で、「ミステリー・ランキングで何度も高評価を受けている米澤作品。」を思うと、がっかり感が残る。
総合評価は、星3つとする。