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「警視庁、自転車対策に本腰 摘発強化、警告カードも」(10月24日、朝日新聞)
東京都内で自転車による事故や悪質な運転が急増している為、警視庁が取り締まり強化だけで無く、マナー向上対策に乗り出した。一方、安全に走行出来る様、東京都と同庁は来年度以降、都内全域で道路環境の整備も進める。
21日朝、東京・渋谷の道玄坂交差点。通行人で混雑する中、通勤や通学の自転車がスピードを落とさずに行き交う。白バイの警察官等が自転車の取り締まりをする中、赤信号を無視したり、対向車線を逆走したりする自転車も在った。警察官が「止まりなさい。」と求めても、猛スピードで走り去る人も居た。
長年、渋谷駅周辺で営業するタクシー運転手(49歳)は「車よりスピードを出し、車線に飛び出して来る自転車も在る。」とぼやく。
同庁によると、今年1~9月、都内で自転車による道交法違反で交通切符(赤切符)の対象となったのは1,351件。自転車の取り締まりを強化し始めた5年前は年間62件だった。今年の違反で最多なのはブレーキを取り外す等の制動装置不良で700件。信号無視や携帯電話を使い乍らの運転も後を絶たない。
健康やエコ志向等による最近の自転車ブームに加え、東日本大震災による帰宅困難も在り、自転車利用者が急増。通勤・通学中の都内の自転車事故は震災後の3月以降、前年と比べて殆どの月で増えた。8月末迄に2,716件(前年同期比48件増)在り、8月末迄の交通事故死者141人の内、自転車絡みは26人と約2割を占める。6月には世田谷区で、スポーツ・タイプの自転車に乗って通学中の男子高校生(16歳)に無職の男性(81歳)が撥ねられ、死亡した。
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小ぢんまりとした建家内で、おっちゃんが油塗れになって自転車を修理してくれる自転車販売店が、子供の頃は近所に当たり前の様に存在していた。しかしホーム・センター等で自転車が販売される様になって以降、“街の小さな自転車販売店”は徐々に姿を消して行っていたのだが、数年程前から巨大店舗で自転車販売を行うチェーン店を良く見掛ける様になり、「健康志向から、自転車の売れ行きが良いのかなあ?」と薄ぼんやり感じていた。
健康維持の点からも、自転車に乗る人が増えているのは良い事だと思う。しかし其の一方で、マナーが余りにも悪いライダーが増えているのも事実。歩道を歩いている際、後ろから自転車が猛スピードで走り抜け、危うく撥ねられそうになった事が何度か在るし。最近問題になっている「ブレーキを取り外した自転車」なんていうのは、全くの論外だ。
全体からすれば少数派で在ろう傍若無人なライダー達の為に、マナーを守っている大多数のライダー達が肩身の狭い思いをさせられているのは残念な事。
「警視庁が自転車対策に本腰を入れる。」という今回のニュースは良い事だと思うけれど、本来は御上から強制される前に、ライダー達が自発的にマナーを守る努力をして欲しいもの。
私が住む地域では、自転車は子供が乗るものです。
いい大人で自転車で通勤なんて言っていたら「あいつ頭可笑しい」と思われます。18になったら教習所に無理やりでも行かせるのが親の義務と皆思っています。車がなければアルバイトも出来ません。てんかんなど諸事情で免許が取れない、という場合は田舎では住まない方が良い、と思います。どういう心無い仕打ちを受け続けるか、そんなことに耐えて生きるぐらいなら公共交通の便の良い場所に引っ越したほうが良い、それぐらい「車に乗らない大人」は碌な目にあいません。自転車のブレーキがないので捕まったという芸人が、もしうちの地域で捕まったら本当に人権を無視した扱いを受けると思います。所得が高いわけでもないのに、一家全員車を買わねばならない。これはこれで大変です。
時折健康の為自転車を始めようとする人がいますが、自動車に幅寄せされたりして公道では乗れない、と「サイクリングロード」まで車で積んで行きます。
「都市部」と「そうでない地域」とでは、自転車に対する認識も若干異なるのかもしれませんね。一般的な感じで言えば、都市部で自転車に乗る大人に関しては、「健康志向な人」とか「御洒落な人」というイメージが在る様に感じます。
子供の頃、自転車に乗るのが大好きでした。でも大学に入った頃位から、自転車には全く乗らなくなりました。理由は色々在りますが、其れ迄車庫に置きっ放しにしておいても全く問題無かったけれど、其の位から近隣では自転車の窃盗が目立ち始め、其の他の場所に置くには面倒さが在ったというのも大きな理由。健康に良さそうだし、「乗ってみたいなあ。」とは思っているのですが・・・。
自動車の運転をする様になる前、車道の脇を歩く事が結構在りました。迎えに来る車から直ぐに判る様に、敢えて車道の脇を歩いていた訳ですが、「前方から歩いて来る人間なら、運転手は明らかに気付くだろうな。」という思いが在りました。
しかし実際に運転する様になってから、「運転手は全体をしっかり見ていても、個々に関しては意外と見落としている。」という現実を知り、其れ以降は歩道の脇を歩く事はなくなりました。
先達て女優の冨士眞奈美さんだったかが「車を運転していて、正面から此方に向かって走って来る自転車にはヒヤッとさせられる。」と話していたのですが、嘗て自転車に乗っていた人間からすると「走っている車に向かって走った方が、運転手は認識し易い。」という思いが在るのではないかと。自分も昔は同様に思っていたけれど、運転手の立場になると其の怖さを知り、考えを改めた次第。
自転車に乗っている人間の全てが悪い訳では無く、マナー違反をしているのはほんの僅かな連中でしょうね。車の運転手も歩行者も同様で、ほんの僅かな不届き者の為に、多くの人間が迷惑を被っているという構図かと。