無闇矢鱈に「ファンの為」、「球界の為」と口にする野球人は多いが、本当の所は「自分の為」だけしか考えていない様な人間も結構見受けられる。又、嫌味な程に自分自身で「男気」を強調する者程、実際にはこそこそ裏工作するのが大好きだったり、女々しさタップリだったりするのは、別段球界に限った事では無く、一般社会でも良く在る事だ。
「自分の為」という部分が全く無かったとは言わないし、多少は自分自身で「男気」を演出していた部分も在ったやもしれないが、ファンや球界を愛した“親分”が天に召された。大沢啓二氏、享年78歳。
現役時代は全く知らないが、監督時代の彼は“カネやん”と一種通じる魅力を有していた。一投一打に集中し、時には熱くなり過ぎた事も在ったが、「チームが不甲斐無い成績しか残せなかった。」とマウンドでファンに対して土下座する等、チャーミングな面を見せたりも。弱かったファイターズの監督に就任したのが1976年の事。チーム改革に努めて優勝に導いたのは、5年後の1981年だった。前オーナーの大社義規氏と並んでファイターズをこよなく愛した人だったし、ファンからも愛された人だったと思う。
モルツ球団(動画)の総監督でも在った親分。「来年からは、あのユニフォーム姿が見られなくなるのだなあ。」と思うと、本当に寂しい。合掌。
さて、外に出ると金木犀の香りが鼻腔を擽る今日此の頃だが、夜半はめっきり涼しくなって来た。日によっては寒さを感じる事すら在り、「今夏の強烈な暑さは、一体何だったのだろうか?」と思ってしまう。本当に今夏は暑過ぎたし、又、其の状態が余りに長かった。
思い返せば、今年の春は非常に短かった様に感じる。寒い冬が終わり、ポカポカとした春の陽気と共に桜が開花したと思ったら、あっと言う間に花は散り、そして強烈な暑さが訪れた。そんな感じがする。
手塚治虫氏関連の冊子を読んでいたら、今年の天気を「正にデジタル。」と書いている方が居られた。「実に言い得て妙だなあ。」と思ったので、此処で紹介したい。
其の方は、昔のラジオのチューニングを例に挙げていた。昔のラジオは横長の数字が書いてあるメーター盤に縦一の棒の様な物が在り、其の縦一を大概右側に付いているダイヤルを微妙に動かしつつ、御目当てのチャンネルに合わすスタイルで、段々と声が聞こえて来たと思ったら、ダイヤルを動かし過ぎて声が途切れてしまったりと、アジャストするのが少々難儀だったが、其の分、ピタリと合わせ切った時には何とも言えない充実感を覚えた物。実にアナログな作業だったけれど、苦労したが故に今よりも必死で番組を聞いていた様な面が在った様にも。
何もかもがデジタル化された現代では、例えばラジオの周波数を合わせるのも「954」だ「1242」だと一発&確実に出来てしまう。非常に便利では在るけれど、アジャストする迄の独特の「間」が無くなってしまったとも言える。
長閑な春が来たと思ったら、あっという間に強烈な暑さが到来。30数度の次の日に、いきなり20数度に冷え込んでしまう。「カット・アウト、カット・インが良い物も在れば、グラデーションの様に終わって始まるのが良い物も在る。」と其の方は書かれていたが、全く同感だ。
「自分の為」という部分が全く無かったとは言わないし、多少は自分自身で「男気」を演出していた部分も在ったやもしれないが、ファンや球界を愛した“親分”が天に召された。大沢啓二氏、享年78歳。
現役時代は全く知らないが、監督時代の彼は“カネやん”と一種通じる魅力を有していた。一投一打に集中し、時には熱くなり過ぎた事も在ったが、「チームが不甲斐無い成績しか残せなかった。」とマウンドでファンに対して土下座する等、チャーミングな面を見せたりも。弱かったファイターズの監督に就任したのが1976年の事。チーム改革に努めて優勝に導いたのは、5年後の1981年だった。前オーナーの大社義規氏と並んでファイターズをこよなく愛した人だったし、ファンからも愛された人だったと思う。
モルツ球団(動画)の総監督でも在った親分。「来年からは、あのユニフォーム姿が見られなくなるのだなあ。」と思うと、本当に寂しい。合掌。
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さて、外に出ると金木犀の香りが鼻腔を擽る今日此の頃だが、夜半はめっきり涼しくなって来た。日によっては寒さを感じる事すら在り、「今夏の強烈な暑さは、一体何だったのだろうか?」と思ってしまう。本当に今夏は暑過ぎたし、又、其の状態が余りに長かった。
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思い返せば、今年の春は非常に短かった様に感じる。寒い冬が終わり、ポカポカとした春の陽気と共に桜が開花したと思ったら、あっと言う間に花は散り、そして強烈な暑さが訪れた。そんな感じがする。
手塚治虫氏関連の冊子を読んでいたら、今年の天気を「正にデジタル。」と書いている方が居られた。「実に言い得て妙だなあ。」と思ったので、此処で紹介したい。
其の方は、昔のラジオのチューニングを例に挙げていた。昔のラジオは横長の数字が書いてあるメーター盤に縦一の棒の様な物が在り、其の縦一を大概右側に付いているダイヤルを微妙に動かしつつ、御目当てのチャンネルに合わすスタイルで、段々と声が聞こえて来たと思ったら、ダイヤルを動かし過ぎて声が途切れてしまったりと、アジャストするのが少々難儀だったが、其の分、ピタリと合わせ切った時には何とも言えない充実感を覚えた物。実にアナログな作業だったけれど、苦労したが故に今よりも必死で番組を聞いていた様な面が在った様にも。
何もかもがデジタル化された現代では、例えばラジオの周波数を合わせるのも「954」だ「1242」だと一発&確実に出来てしまう。非常に便利では在るけれど、アジャストする迄の独特の「間」が無くなってしまったとも言える。
長閑な春が来たと思ったら、あっという間に強烈な暑さが到来。30数度の次の日に、いきなり20数度に冷え込んでしまう。「カット・アウト、カット・インが良い物も在れば、グラデーションの様に終わって始まるのが良い物も在る。」と其の方は書かれていたが、全く同感だ。
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野球以外のスポーツへのコメントには、少しピント外れなものもありましたが、僕が印象に残っているのは、かつて、サッカーの天皇杯で高校生のチームがJのクラブチームに勝った際、張さんが
「プロが高校生に負けるなんて情けない!喝!」
と切り捨てたのに大沢親分は、
「高校生に“あっぱれ”やってくれよ。それに、こんなプロとアマチュアが真剣勝負出来る大会をずっと開いているサッカー協会もあっぱれだ。野球界じゃ考えられないからな。」
とコメントしていたことですね。張さんの怒りももっともですけど、このあたりが親分の性格が現われていたと思います。
そして、以前にも書きましたが、
「俺はやっぱり長嶋のことが可愛いよ。立教の後輩だからな。」
という具合に、ミスターのことを(愛情込めて)呼び捨てに出来る人はもう他にはいないでしょうね。 合掌。
ガンちゃん(岩本勉氏)だったか、インタビューで「球界に『親分』的な扱いをされる方は他にも居ますが、『損得勘定抜きで親分という存在』は大沢さんが最後だと思う。」と語っていました。張本氏と並んでアナクロで、時にはピンと外れな発言も在ったけれど、ニカッと浮かべる笑顔が何とも憎めない方だったし、野球を心から愛した方でも在りましたね。
又、豪放磊落なイメージとは異なり、人に対しても采配に関しても神経細やかな所が感じられるのも魅力だった。