ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ワトソン力」

2020年12月04日 | 書籍関連

ミステリー好きならば、“シャーロック・ホームズ”の事を知らない人は先ずないだろう。「医師で在る友人のジョン・H・ワトスン同行し、驚異的な推理力で難事件を、次から次へと解決する名探偵。」、其れがシャーロック・ホームズだ。

「ワトスン自身は推理力が乏しいけれど、“に居る人間の推理力を飛躍的に向上させる能力”を持った人間だった。其の事に気付いていたからこそ、ホームズはワトスンを捜査に同行させていたのだ。」という発想で書かれた小説が、今回読んだ「ワトソン力」(著者大山誠一郎氏)。

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目立った手柄も無いのに、何故か警視庁捜査1課に所属する和戸宋志(わと そうじ)。行く先々で起きる難事件は何時も、居合わせた人々が真相を解き明かす。其れは、和戸が謎に直面すると、傍に居る人間の推理力を飛躍的に向上させる特殊能力、「ワトソン力」の御蔭だった。殺人現場に残されたダイイング・メッセージ、雪の日の不可能犯罪、バスジャックされたバス内の死体・・・。今日も和戸を差し置いて、各人各様の推理が披露されて行く。
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「2020週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」の8位に選ばれた此の作品、7つの短編小説から構成されている。“ワトソン力”という発想は面白いと思うが、謎解きという面で言えば、全体的に“物足り無さ”を感じてしまった。奇抜トリックに走り過ぎてしまった事で、現実味という部分が置き去りにされてしまった。という思いが在る。「探偵台本」という作品は面白かったが・・・。

総合評価は、星3つとする。


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