ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

西高東低

2025年02月16日 | 其の他

医師不足」が叫ばれる様に成って久しいが、個人的には今一つぴんと来ない。と言うのも、少なくとも自分が住んでいる地域では「医師十二分居り歯科医師に到っては『過剰だろ。』と思ってしまう程。」だから。なので、「医師不足は地方に限った話で、都市部集中、特に"東京一極集中"って感じなんだろうし。」と捉えていた。

だが然しAERA(2月3日特大号)の記事「医師数、西高東低の理由」によると、「『医師は東京一極集中で、地方は不足している。』というイメージは正しく無い。」のだとか。

*****************************************************************
人口10万人当たりの医師数(人)」(令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計からAERA編集部作成)

北海道:254.0人
青森県:220.2人
岩手県:218.5人
宮城県:256.3人
秋田県:249.8人
山形県:239.6人
福島県:218.7人
茨城県:202.0人
栃木県:248.4人
群馬県:233.4人
埼玉県180.2人
千葉県:209.0人
東京都:324.6人
神奈川県:223.0人
山梨県:257.9人
長野県:249.8人
新潟県:212.8人
富山県:270.6人
石川県:286.4人
福井県:271.2人
静岡県:230.1人
愛知県:234.7人
岐阜県:231.5人
滋賀県:242.2人
京都府:334.3人
大阪府:288.5人
兵庫県:276.5人
奈良県:286.8人
和歌山県:320.9人
三重県:241.2人
鳥取県:319.9人
島根県:307.6人
岡山県:324.0人
広島県:272.6人
山口県:267.2人
徳島県335.7人
香川県:290.5人
愛媛県:286.3人
高知県:335.2人
福岡県:312.1人
佐賀県:293.6人
長崎県:327.6人
熊本県:302.2人
大分県:297.9人
宮崎県:260.8人
鹿児島県:228.7人
沖縄県:266.1人
*****************************************************************

都道府県別に医療機関で働く人口10万人当たりの医師数」を調べた所、「最も多いのは徳島県の335.7人で、2番目が高知県の335.2人、京都府の334.3人、長崎県の327.6人と続き、最も多そうなイメージの在る東京都は5番目の324.6人。」だった。逆に「最も少ないのは埼玉県の180.2人で、徳島県の半分程。続いて少ないのは茨城県の202.0人、千葉県の209.0人と、東京都周辺の首都圏が続いている。」というのだから、非常に意外だった。

詰り人口10万人当たりの医師数は、人口が多い地域が"必ずしも"多い訳では無く、寧ろ人口が少ない地方でも医師の割合が高い自治体は少なく無い。という事らしい。

医師の偏在に詳しい「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は、こうした傾向に付いて医師が多いのは四国九州です。東京は飛び抜けて多い訳では無く、西日本と同じ水準です。医師数は、西日本に多く東日本は少ない『西高東低』です。とした上で、「東京vs.地方」という構図で考えるべき問題では無く、「"西高東低の医療格差"が在るという事です。と語っている。

西高東低の医療格差がこんなにも顕著な理由に付いて上理事長は、医学部の存在の有無が関係しています。分析

西日本の医学部は殆ど国立大学。九州の医学部11校の内8校は国立、四国の4校は全て国立。一方、首都圏(1都3)では、国立の医学部は東京大学東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)千葉大だけ。」という現状が在り、上理事長は「地域医療に力を入れる国立大学医学部は、人口1,400万人の東京に2つですが、68万人の徳島には1つ在ります。92万人の世田谷区(東京)より少ない人口ですが、国立医学部が在るのです。」としている。

国立大学の医学部が、何故西日本に多いのか?其の背景は、江戸時代遡ると言う。

*****************************************************************
多くの藩校蘭学医学を教えていました。明治維新に勝利した西国雄藩が、其の儘国立大学に成った例も在ります。戦前官立医学部13校の内、西日本は8校在り、九州だけで3校在りました。

1973年に「一県一医大構想」が閣議決定され、16の国立医大が出来た。島根県等、人口の少ない県にも医学部が出来ましたが、東日本では殆ど一県一医大のでした。厚生省(当時)が『医師過剰』を唱えて、以降は医学部を作り辛く成りました。そして、一県当たりの人口が多くて広い東北、人口が急増した関東で、医師数が少ない状況に成ったのです。

・埼玉県は人口で見ると、全国5位の733万人を誇るが、医療機関で働く人口10万人当たりの医師数は最下位。防衛医科大学校を除けば、県内に医学部は1校しか無い。順天堂大学医学部の新しい附属病院の建設が期待されていたが、「病院整備費の高騰等により、計画は白紙に成った。」と、昨年11月に報じられた。
*****************************************************************


コメント    この記事についてブログを書く
« “巣籠り消費”の減少 | トップ | 昭和百年 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。