セ・パ共に、クライマックス・シリーズ(CS)のファイナル・ステージが幕を開けた。セ・リーグではタイガースがジャイアンツを「1対4」で下し、対戦成績を「1勝1敗」のタイ(リーグ優勝したジャイアンツには、「1勝」のアドヴァンテージが与えられているので。)に、そしてパ・リーグはホークスがファイターズを「3対2」で下し、対戦成績を「2勝0敗」(リーグ優勝したホークスには、「1勝」のアドヴァンテージが与えられているので。)とした。
サヨナラ勝ちをしたホークスは、此れでチームの雰囲気がグンと良くなった事だろう。そんなホークスを相手に、2戦以降のファイターズがどう闘うかが、非常に興味深い。
一方のセ・リーグ、13日の記事でも指摘した様に、“勝てる可能性非常に高いランディ・メッセンジャー投手”が控えた状態での「1勝」は、タイガースを一気に勢い付かせた事は間違い無い。ジャイアンツ・ファンとしては、唯々頭が痛い状況。
「第1線のジャイアンツの先発、(今季不調だった)内海哲也投手では無く、安定感の在る小山雄輝投手だったら良かったのに。」、「ホームランは打ったものの、2度のチャンスに阿部慎之助選手がヒットを放っていたらなあ。」等、死んだ子の年を数えても仕方無いのだが、溜め息許りが出る試合展開だった。
「原辰徳監督は、其れが最善の策と“本当に”考えた上で決断したのだろうか?」と思ってしまうのは、7回裏のジャイアンツの攻撃時。阿部選手のホームランで「1対4」とした後、無死満塁の大チャンスを作り、スタメンの片岡治大選手に代打を送った原監督。其の前の2打席の内容を考えれば、片岡選手に代打を送るという判断は判る。
でも、理解出来ないのは、代打に送った選手がフレデリク・セペダ選手だった事。「キューバの至宝」と鳴り物入りでジャイアンツに入団した彼だが、結果的にレギュラー・シーズンでは「132打席でホームランは6本を放つも、打率は.194。」と惨憺たる内容。終盤はずっと二軍暮らしで、首脳陣が“来季を見据えた戦力”と考えていたとは、とても思えない。
結果論となるのは承知だが、何故“代打の切り札”と言っても良い矢野謙次選手を選択しなかったのだろうか?「もっと後に大きなチャンスが来ると考え、矢野選手を選択しなかった。」というのも無理が在る。無視満塁以上の大チャンスが後に来る可能性は、非常に低いと普通なら考えるから。「セペダ選手のダブル・プレーで一気に大チャンスが消え去り、結果として矢野選手を起用“出来ない”儘、敗戦を喫してしまった。」のだから、納得行かないジャイアンツ・ファンは少なく無かったろう。
解説の3人も、私も、阿部にホームランを打たれたところで藤浪は交代だと思ってました。
結果としては藤浪続投が阪神としては吉と出たわけです。安藤あたりに交代すればどうなっていたかわかりません。それにしても阿部はコワイですね。今シーズンは不調らしいが、反撃の一発を打つなんてさすがです。
あれで藤浪は連打をくらい満塁。3点差ですから、どうなっていたか判りません。そう考えると、阿部の一打で結果はどうなっていたかわかりません。
「ファンは結果論で何でも言えるし、采配の責任を問われる訳では無い。しかし、監督は采配の責任を全て問われ、良い結果よりも悪い結果の方をとやかく言われてしまう。」、そういう意味では監督は大変です。
7回裏、セペダ選手が結果を残せたならば、「流石、原采配は冴えている!」と絶賛されたのでしょうが・・・。
絶体絶命の大ピンチで開き直りを見せ、無失点で切り抜けた藤浪投手は天晴れ。潜在能力の高さを、改めて感じました。
両チーム共、其れ其れ1回ずつ無死満塁のチャンスを作りましたが、何方も得点出来なかった。「無死満塁の場合、最初のバッターが得点出来なかったら、概して得点出来ない儘で終わってしまう。」という事が良く言われますが、改めて其れを痛感しました。