「声優・小原乃梨子さんが7月12日に、88歳で亡くなられていた。」事が、昨日明らかとなった。病気療養中だったと言う。
1950年代から、洋画の吹き替えを担当していた小原さん。個人的にはジェーン・フォンダさんやシャーリー・マクレーンさん、ブリジット・バルドーさんの声を担当していた印象が強いが、1960年代後半より洋画の吹き替えと並行して、アニメの声優として活躍の場を広げて行った。
此方に記されている様に、彼女が声優を務めた作品は多い。思い返すと「彼女が“特定のキャラクター”を演じた中、自分の中で最も古い記憶。」となると、1971年に放送されたアニメ「国松さまのお通りだい」【動画】のメガネ役だったと思う。
以降、「ど根性ガエル」【動画】の母ちゃん役、「ドラえもん(日本テレビ版)」【動画】の野比玉子(のび太のママ)役、「ワンサくん」【動画】のワンサ役、「アルプスの少女ハイジ」【動画】のペーター役、「未来少年コナン」【歌】のコナン役等の声を担当して来た。
そんな彼女だが、一般的に“小原さん担当した役”としてパッと思い浮かぶのは、「ドラえもん(テレビ朝日版)」【動画】の野比のび太(のび太)役、そして「タイムボカン」【動画】から始まる所謂「『タイムボカン』シリーズ」での“三悪”の女ボス役だろう。「タイムボカン」ではマージョ役、第2弾「ヤッターマン」【動画】ではドロンジョ役と担当し続け、結局、第10弾「夜ノヤッターマン」【動画】のドロンジョ役迄務め上げたそうだが、自分がきちんと見たのは「ヤッターマン」迄で、特にドロンジョ役が強烈に印象に残っている。
【のび太(右)】
【ドロンジョ】
魅力的な声優は何人も居られるが、そんな中でも小原さんは“稀有な存在の方”だったと思う。2ヵ月前に亡くなられた増山江威子さんは、可愛らしい声や優しい声の役も担当されたが、何といっても魅力的だったのはセクシー系の役。そんな風に多様な役を担当するだけでも大変なのに、小原さんは「母ちゃん役やのび太のママ役の様な“しっとりした声”を担当したと思ったら、メガネ役やペーター役、コナン役、そしてのび太役といった“少年の声”や、其れ等とは全く方向性が異なるマージョ役やドロンジョ役の様な“セクシー系の声”担当する等、実に“守備範囲の広い声優だった。」ので。
「『タイムボカン』シリーズ」の三悪、最も印象深い「ヤッターマン」で言えば「トンズラー役のたてかべ和也氏は2015年に、ボヤッキー役の八奈見乗児氏は2021年に亡くなられており、今回の小原さんの逝去によって、三悪は全員が鬼籍に入られてしまった。もっと言えば、(「ヤッターマン」で)ドクロベー役を担当していた滝口順平氏は2011年に亡くなられているので、“ドロンボー一味”も全員が鬼籍に入られた事になる。
「人は誰しも、命尽きる日が来る。」のだけれど、子供の頃から良く知っている有名人が亡くなるのは、何とも言えない寂しさを感じる。合掌。