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「就活面接の無断録音『公開すれば、法的問題も。』」(6月19日、読売新聞)
就職活動で企業の採用面接を受ける際、学生が面接官との遣り取りをスマートフォンで無断録音するケースが増えている。
「聞き直して、改善点を見付ける。」等の理由だが、「マナー違反だ。」として、止める様指導する大学も在る。専門家からは「公開した場合、法的問題になる恐れも在る。」と指摘する声が出ている。
首都圏の大学4年男子(22歳)は、今年1月以降、7社の面接を受け、3社の1次面接をスマホで録音した。上着の内ポケットにスマホを入れ、面接の待合室で録音ボタンを押す。終わると、会場の外で録音を停止する。録音内容は、其の日の内に聞き、気になった点を、ノートに書き出した。「自分の話は要点が判り難いと気付き、其の後の面接では結論を最初に述べ、話す時間も短くした。」と話す。
学生は「ネット検索で録音の体験談が見付かり、皆遣っているならと思った。唯、後ろめたさも在り、会社側には黙っていた。」と打ち明ける。結局、録音した内の1社の人材コンサルティング会社から3月に内定を得て、就活を終えた。
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此の問題、大きく分けて2つの論点が在ると思う。「採用面接を受ける際、面接官との遣り取りを録音する事は在りか?」と「其の遣り取りを公開する事は在りか?」だ。前者で言えば「無断の場合」と「断りを入れた場合」、そして後者では「面接内容に於ける問題の有無」が、判断する上でポイントとなるだろう。
先ず、「採用面接を受ける際、面接官との遣り取りを録音する事は在りか?」に付いてだが、「面接官と学生の間には基本的に、『信義誠実の原則(信義則)』が存在している。」と考える。詰まり、「面接官も学生も御互いを信じ合った上、相手を裏切らない。」というのが大原則。
とは言え、「企業側が面接会場外、例えば控室等での学生達の様子を無断で撮影し、“普段の姿”を確認する事で、採用判断の1つにしている所“も”在る。」という話を聞く。学生達に無断で行っているとしたら、厳密に言えば、企業側が信義則を守っていないという事になるだろう。
「そういう状況で、学生側だけが信義則を守らなければいけないのか?」という問題は在ろうが、取り敢えずは企業側が信義則を守っているという前提で話を進めると、学生側が「企業側に無断で、面接内容を録音する。」というのは、確かにマナー違反になろう。
では、「断りを入れた上、面接内容を録音する。」というのはどうなのか?記事に在る様に、「次の面接に備え、自身の改めるべき点を分析する。」というのは理解出来るし、断りを入れた上でなら「在り。」だと思う。でも、断りを入れたとしても、そういう行為をする学生を企業側が採用するかどうかは、非常に疑問だが。
次に、「録音した面接内容を公開する。」という事に付いてだが、此れは「“原則として”駄目。」だと思う。飽く迄も「自身の改めるべき点を分析する。」というのが前提での録音で在り、其れを公開するのはマナー違反で在り、法的にも問題が在ると考えるので。
唯、「原則として」と但し書きを付けたのには理由が在る。「面接官の発言に、明らかな問題が在る場合。」は、別問題と考えているから。
自身の体験談になるが、高校受験の際、今でも忘れられない悔しい出来事が在った。父親を病気で亡くしていた自分は、進学先として学費の安い公立高校しか考えていなかった。でも、親身になって面倒を見てくれていた祖父から「御金の心配はしなくて良い。御爺ちゃんが進学に掛かる費用は出すから、私立も受験しなさい。」と言われ、私立高校を1つだけ受験したのだった。
で、筆記試験を合格し、臨んだ私立高校の面接試験。一般的な質問を幾つかされた後、1人の面接官が「君は母子家庭だけど、学費払えるの?」と聞かれた。小馬鹿にした様な言い方だったので内心ムッとはしたが、「学校だって企業だし、学費がきちんと払えるのかを確認するのは当然か。又、意図的に嫌な質問をし、反応を見る事で、相手の人間性を確認したいのかも。」と思い、「父親が残してくれた物が在りますので、大丈夫です。」と笑顔で答えた。すると其の面接官は「残してくれた物が在るって言ってもさあ、学費は結構掛かるんだよ。本当に判ってるの?」、「母子家庭だと、進学するのは難しいと思うけどなあ。」等、次々と小馬鹿にした様な質問を投げ掛けて来た。何とか笑顔で乗り切ったけれど、帰宅してから悔しくて涙したっけ。
「絶対、公立高校に受かってやる!」と決意した自分。件の私立高校から合格通知は貰うも(合格通知をくれたという事は、学費の支払い能力を認めてくれたという事では在るのだろうけれど。)、希望する公立高校に合格したので、内定を辞退させて貰ったのは言う迄も無い。
企業の面接試験では、“パワハラ”や“セクハラ”めいた質問をされるケースが在ると言う。実際問題、知り合いの女性は大昔、「企業の面接試験で、セクハラめいた質問をされた。」と怒っていたっけ。こういうケースなら、録音した面接内容を公開するのは「在り。」と思う。
其処で、皆様にズバリ聞きます。「就職活動で企業の採用面接を受ける際、学生が面接官との遣り取りを録音する行為。」をどう思いますか?
結論から言うと「無断録音も有り」だと思います。
giants-55さんも高校受験で嫌な思いをされたように、性善説で「ルールやマナーは守られるもの」との前提では、正直者が馬鹿を見るのがこの世の中、と心得ておいた方が良いと思ってます。
採用されるされない以前に、人間としての尊厳にかかわる部分を含んでいるからです。
信頼関係は時間をかけて築き上げていくものであり、初対面で相手を無条件に信頼するのは、ある意味お人よしかも。
仮に先方に断わって拒否された挙句、パワハラまがいのひどい言葉を投げかけられても、録音がなければ「無かった事」で終わり。
隠し録り(録画も)は一見姑息な手段に思えますが、企業面接にかかわらず、弱者が強者から身を守るためには必要な自衛手段でしょう。むしろ合法化されてもいいぐらいに思っています。
ただし、公開することに関してはgiants-55さんのおっしゃる通りだと思います。
録音内容を公にすることで、強者と弱者が逆転してしまうことも考えておく必要があります。
私自身も若い頃、職場で言ってもいないことを「言った」とされ、挙句にいわれのない中傷を受けてひどく傷付いたいたことがありました。
人生においてこれほど屈辱的な言葉を吐かれたのは、後にも先にもこの1回だけでしたが。
以後、この人物(社長の親戚筋の女性従業員)との会話は、すべて録音しておきたいと思ったぐらいです(当時はそこそこ大きなカセットレコーダーしかなく、隠し録りはまず無理でした(苦笑))。
“現状”を前提に書いたのですが、悠々遊様が書かれている「企業面接等の録音の合法化」という前提に立てば、マナー云々という問題は無くなりますね。
弱者叩きの風潮が強い現代、“弱者が強者から身を守る為に必要な自衛手段”として、録音を認めるというのは「在り。」でしょう。警察の取り調べに“可視化”が導入された様に、制度は時代の変化と共に変わって良いし。
私は、前の会社をリストラされ、今の会社に落ち着くまで、約4年間の求職活動をしました。
中高年の求職です。厳しいです。圧倒的に企業が優位でわたしたち求職者は消耗品でした。
数多くの面接をうけました。面接の時にいうことと、実際とはまったく違うことも多々ありました。10時に来てくれというから10時に行くと、1時間待たされ面接は11時から。それも5分で終わり。求職者が1時間も遅刻すればそれだけでダメでしょう。ともかくさまざまな企業の身勝手さを経験しました。ですから、求職者がわが身が有利なことになるのなら、ある程度のことはOKでしょう。
まず、地震の報告から。私の住んでいる所は大阪北部で、震度5強の揺れでしたが、幸い何ともありませんでした。倒れた物もなく、インフラも問題なく、むしろ心配して電話やメールいただいた方々にいちいち無事の報告をしなければならず、そっちの方が余程大変でした(笑)。
さて、今回のお題。私の個人的意見では、「面接官との遣り取りの録音」は、反対です。
就職面接というのは、面接官が、「この人物は当社にとって有能で、将来会社に貢献する人間になり得るか」を判断する為のものであり、面接官は言葉、態度から人物を見極めようとします。会社を信用していないような態度を取れば、即アウトでしょう。
「面接内容を録音してもいいでしょうか」と断りを入れたら、おそらく「君は何を考えている!」と怒られ、即刻不採用となるでしょう。
また無断で録音したとしても、それによってソワソワしたりポケットを気にしたりの態度が表に出たら、それも咎められ、やはりそれが原因で不採用となるかも知れません。
よっぽど面接官が物分りがよくて、失礼な態度も見逃してくれて、それよりもとにかく人で不足を解消したい会社でない限り、それがいい結果なるとは思えません。まあそんな会社はマレでしょうが。
また逆に、「企業側が面接会場外、例えば控室等での学生達の様子を無断で撮影し」ていたとしたら、そんな会社は社員を人間と思っていず、こき使えばいいとしか思ってないでしょうから、むしろこちらから入社を断るべきです。例え入社しても将来、絶対トラブルになったり辞めたくなるでしょうから。
そしてgiants-55さんが体験された「君は母子家庭だけど、学費払えるの?」とか、“パワハラ”や“セクハラ”めいた質問をされたなら、そんな非常識な人間を面接官にしているような会社は、私ならこちらからお断りします。
就職面接は、相手がこちらを観察し人物を判断しようとしているのと同様に、面接を受ける方も、「この会社が自分にとって働きやすい会社かどうか」を観察し判断する要素もあります。そういう気持ちで面接を受ける事も大事かと私は思います。
録音は、入社した後、上司からセクハラを受けて、上に訴えても解決しない時とかの最終手段としてのみ、使用すべきではないでしょうか。
“売り手市場”か“買い手市場”かによって、面接官の態度は違うでしょうし、又、其れは面接を受ける学生側も同様でしょうね。
「相手に求める以上、自分も同じ事を厳守する。」、此れは守るべき事なのだけれど、悲しいかな“力の有無”によって守られていないのが現実。我が身を理不尽な事態から守る為には、自衛手段が必要だけれど、其の線引きが難しいのも事実ですね。
今回の地震、御無事で本当に良かったです。断水の影響で自宅風呂に入れない為、健康ランドに多くの利用者が押し寄せている映像を報道番組で目にしましたが、東日本大震災時に給油やトイレットペーパーの購入の列に並んだ事を思い出し、「大変だなあ。」と同情の思いが。
「非常識な人間を面接官にしている様な会社は、私なら此方から御断りします。」、本当に其の通りです。受験はしたものの、「『件の私立高校に合格、公立高校には不合格。』という事態になっても、絶対に私立高校には行かない!」という思いで、当時は一杯でした。実際にそうなったら、最終的にどういう決断をしたかは判りませんが。
「余りにも堪え性が無く、入社して直ぐに退社してしまう新人。」というのも、実際問題居る。「そういう人材を避ける意味で、意図して嫌な質問を投げ掛け、相手の態度を見る。」というのは、企業側の心理として理解出来なくも無い。でも、度を越したケースというのは、相手の心に深い傷を残すので、其の辺は考慮した方が良いでしょうね。
この録音については、それをしたいと考えるフレッシュマンというのも、理不尽な面接に対する仕返しに、酷い会社があるという事を、周知する考えがあってのことではないでしょうか。これは、酷い扱いに対する当然の行為であったとしても、録音すれば、互いに紳士協定を破ることになると思います。監視されていることに対する萎縮もあるでしょうし、逆に企業側が、サンプルとして録音・録画して、縁もゆかりもない個人の情報を管理する事になると思います。
女性に対しては、セクハラとか、企業側に問題意識があっても、男性に対するハラスメントも、十分注意するべきだと思います。逆に、企業側がそんな面接をするのは、最低の先輩社員を面接に使っているからでしょう。人を見るには、何か事があった時、トラブルへの対処を観れば、良くわかる、というのはあると思います。ですが、フレッシュマンが、人生の拠点とする場所を選ぶには、その企業の良い処が観えていないと、その判断に困ると思います。
母子家庭についての偏見は酷いですね。面接は、限られた機縁の中で、人の価値や能力を計るものでしょう。そんな出鱈目な事を言う先輩社員や面接官には、人として評価されたくないものです。
自分の場合は母子家庭でしたが、父子家庭にも“偏見”というのは在るでしょうね。でも、考え方を変えれば、偏見によって自身が強くもなれる。「災い転じて福と為す」という諺も在りますし、そういうプラス思考で頑張って欲しいと思います。
社会に出れば、辛い事は幾らでも在る。「そういう事に耐え得る人材か否か?」というのを判断すべく、意図的に嫌な質問をするというのは「在り。」と考えますが、其れだって限度が在る。自身のストレスや欲求を満たすべく、嫌な質問をしている様なケースも在り、そういう面接官を起用している学校や企業は、長い目で見れば傾いて行くと思います。社員や学生を大事にしない組織としか思えず、そんな組織には未来が在るとは思えないので。