超音波で治療

“国民病”と称される病の中で、自分が特に気にしているのは「認知症」、「癌」、そして「心臓病」だ。認知症は「祖父から、家族の記憶を全て奪い去ってしまった病。」で在り、癌は「祖母を激痛で七転八倒させ、死に追い遣った病。」で在り、心臓病は「父を若くして急死させた病。」なので。憎んでも憎み切れない病で在ると共に、「自分も罹患するのでは・・・。」という恐怖心も在る。だから、新しい治療法のニュースには、どうしても敏感になってしまう。

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「アルツハイマー病を超音波で治療　東北大が世界初の治験へ」（６月１９日、産経新聞）

 

「超音波を脳に照射して、其れでアルツハイマー病の悪化を防ぐ新たな治療法の実用化に向け、今月中に臨床試験（治験）を始める。」と東北大の研究チームが１９日、発表した。

 

超音波を使った認知症の治験は、世界初。軽度の患者が対象で、早ければ５年後の実用化を目指す。

 

人間の脳には、血液に混じって外部から異物が侵入するのを防ぐ仕組みが在り、投薬によるアルツハイマー病の治療を妨げて来た。超音波には其の制約が無く、治験で効果が認められれば、革新的な治療法に繋がる。

 

治験では患者の頭部にヘッドフォンの様な装置を付け、蟀谷付近から左右交互に超音波を断続的に照射。患者５人で安全性を確認した後、４０人を対象に３ヶ月毎に照射し、１年半掛けて効果等を調べる。

 

使うのはチームが見出だした特殊な超音波で、脳を刺激する効果が在る。照射すると脳内に新たな血管が生まれ、血流が改善。アルツハイマー病の原因物質の１つとされる「アミロイドベータ」という蛋白質の生成を抑制し、症状の進行を抑えると言う。

 

アルツハイマー病を人工的に発症させたマウスの実験では、３ヶ月後でも健常なマウスと略同等の認知機能を維持した。手法が安価で簡易なのも特徴だ。

 

下川宏明教授（循環器内科学）は「少しでも有効性が認められれば、世界的な朗報だ。将来は重症な患者や、脳卒中による認知症患者にも対象を広げたい。」と話している。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

取り敢えずは“軽度の患者”が対象の治験という事だが、将来的には“重度の患者”にも効果が出る様になれば嬉しいが・・・。