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「読解力、デジタルより紙 広島大等小学生に初調査」(8月27日付け東京新聞[夕刊])
「読解力を問う文章問題を、其れ其れ紙とデジタル端末で小学生に出題した所、小学3、4年の中学年以下で、紙の平均点が上回った。」事が26日、広島大等の研究チームの調査で判った。
教育現場では1人1台端末の導入で、デジタルの活用が進むが、広島大大学院の難波博孝教授は「文章に没入し、深く読む読解力の育成には、紙の方が適している可能性が在る。」と話している。
調査は広島県内の小学校(対象児童284人)で実施。問題は小1の国語の教科書に載っている文章を読み、計8つの設問に答える内容で、解答は何れも紙に記入させた。研究チームによると、小学生を対象に紙とデジタルの読解力の差を調べるのは初めて。
正解率は、低学年(1、2年)が2.2ポイント、中学年(3、4年)が3.5ポイント、紙がデジタルを上回った。高学年(5、6年)は、デジタルの方が2.8ポイント高かった。
「本を読むなら、紙とデジタルの何方が良いか?」を尋ねるアンケートでは、6割以上が紙を選択し、学年が上がる程増加。平均点以上の子で顕著に高く、高学年は約8割が紙を選んだ。
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子供の頃から、本が大好き。今でも毎日、本を読まないと落ち着かない人間だ。読むのは、“紙の本”だけ。以前、試しに“デジタルの本”を読んだ事が在るけれど、「紙の本の手触りや匂いが好き。」というのに加え、「『紙の本と違って、場所を取らない。』という“売り”が、逆に“収集癖”の在る自分としては物足りない。」、「慣れも在るのだろうが、デジタルの本は読み進めるのがしんどい。」等の理由から、デジタルの本は敬遠している。
今回の調査結果、「小学校の高学年の正解率は、デジタルの方が2.8ポイント高かった。」という事で、必ずしも「“国語の文章問題に関しては”、紙の方が、“絶対的”に正解率が高い。」とは言えないのだけれど、個人的には「教育現場では1人1台端末の導入で、デジタルの活用が進む。」という状況に、「どうなのかなあ?」という懸念を覚えている。
「重たい紙の教科書をランドセルに詰め、毎日、学校に通わなければいけない生徒が可哀想。」とか、「デジタルの教科書だと、音声が使えるので、英語の発音をリアルに耳に出来る等、メリットが在る。」という“デジタル支持の声”は理解出来なくも無いけれど、「紙よりもデジタルの教科書の方が、長時間では目にダメージを与える可能性が在る。」という指摘は気になる。
又、「教育現場でのデジタル化推進には、デジタル機器を巡る巨額の癒着が発生しそう。」という懸念も。どんな状況で在れ、此の手の癒着は排除出来ない物だが、デジタル化が生み出す利権は、紙の教科書の比では無いと思う。