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「侍J大谷快投も9回救援陣崩壊・・・まさかの逆転負けで決勝進出逃す」(11月19日、スポニチ)
国際大会「プレミア12」は19日、東京ドームで準決勝1試合が行われ、侍ジャパンは韓国と対戦。先発した大谷翔平投手(21歳=日本ハム)が7回1安打11奪三振と完璧な投球を見せたが、3点リードの9回に救援陣が崩壊。まさかの逆転負けを喫し、決勝進出を逃した。
7回零封の大谷の後を受けた則本(楽天)が、8回を三者凡退。3点リードで流れは完全に日本に在るかに見えたが、9回に一気に暗転した。2イニング目となった則本が3連打を浴びる等2点差に迫られ、無死満塁のピンチを作って降板。続く松井裕(楽天)は押し出し四球で1点差とされると、増井(日本ハム)が李大浩(ソフトバンク)に逆転2点適時打を浴びた。
大谷は初回の2度も含め160kmを7度計測する等、直球の威力が抜群だった。時折フォークを織り交ぜる 配球に韓国打線はきりきり舞い。中盤から投げ出したスライダーも効果的で、4回1死からは5者連続奪三振もマークし、7回で11個の三振を積み重ねた。
6回迄、無安打投球。7回の先頭打者チョン・グヌに中前打を許し、無安打無得点こそならなかったものの、微塵も隙を見せない圧巻の投球を繰り広げた。
打線は4回に平田(中日)の適時打や坂本(巨人)の犠飛等で3点を挙げたが、2桁残塁。好機で一打を欠いた“付け”が最後に出た。
侍ジャパンは21日の3位決定戦で、「メキシコ‐米国」の準決勝(20日、東京D)の敗者と対戦する。
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準決勝迄、二枚腰の闘いを見せて来た侍ジャパン。昨夜の試合も先発・大谷投手が完璧な投球を見せ続け、9回表を迎えた段階で「3対0」と侍ジャパンがリードしており、「此れで、侍ジャパンの決勝進出確定だな。」と思っていたのだが・・・。
「勝負事は下駄を履く迄判らない。」と言うけれど、正に其の通りだった。侍ジャパン、攻撃では「チャンスを逃し続けたら、流れは相手に向かってしまう。」を行ってしまい、そして守備では「無死満塁の際、(相手チームの)最初の打者を凡打させられれば、失点せずに終えられる事が多い。」というのを守れなかった。そういう意味では、「負けるべくして負けた試合。」と言える。
「絶好調だった大谷投手を、最後迄投げさせていれば・・・。」等、侍ジャパンにとっては、悔いの残る点が少なく無い。ずっと好調だった則本投手の乱調も意外だったけれど、今季“抑え”として完璧な結果を残し続けていた松井投手が、昨年の様な“四球病”で自滅してしまったのも意外。
非常に残念な結果では在るけれど、「負けたら御仕舞い。」という状況では、こういった敗戦は珍しく無い。侍ジャパンの面々は気持ちを切り替え、3位決定戦に臨んで貰いたい。
其れにしても昨夜の侍ジャパン、「チャンスを逃し続け、終盤に救援陣が崩れて負ける。」という展開は、今季のジャイアンツを思い起こさせたりも。
予選リーグではツキ過ぎ(特に中田選手)でしたから3位という結果は妥当でしょう。ただ一言、スモールベースボールは影を潜めてましたね。スモールは、「小さい」「弱気」、ではなく、「繊細且つ繋ぐ野球」という意味なのに、小久保監督は強攻策に徹しました。
投手では抑えが多すぎ。結局、増井も松井も澤村も、いまいちでした。松井を抑えに据えたのなら最後も変えるべきではありませんね。結果論承知で言ってみました。
強硬策で押し通した、此れは賛否両論在るでしょうね。予選リーグ迄は上手く嵌ったけれど、準決勝では裏目に出てしまった。「TPOに応じて、戦略を変える。」というのが、指揮官としての経験が浅い小久保監督には足りなかった様に思います。
唯、今回の結果を受けて、「小久保監督を解任すべし!」という論調が一部に在るのは、一寸賛成し兼ねています。「若い監督を育てる。」というのも、日本野球のレヴェルアップの為には必須だし、又、解任すべき理由として、彼の過去の不祥事(脱税問題等)を持ち出している様なケースには、「其れ無関係だろ。」と思ってしまう。彼には今回の“失敗”を糧にして、より良い指揮官へと“進化”して貰いたいです。
侍ジャパンの3位を問題視するメディアが多いけれど、韓国チームの“粘り強さ”というのにも、焦点を当てた方が良いのではないかと。因縁深い対戦という事も在りましょうが、韓国チームの粘り強さは、敵乍ら「凄いなあ。」と思わされた。