ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

こんなアイドル本が今出版されたら・・・

2007年08月29日 | 其の他
セ・リーグの首位攻防戦は苛烈さを増しているというのに、地上波での野球中継が余りにも少ない。ジャイアンツ戦の視聴率が低落傾向に在る以上は中継が減らされてしまうのは仕方無いものの、それにしてもシーズン山場での試合がこれ程迄に見られないとは。新聞の読者投稿欄でも流石に「せめて優勝争いをしている今位は、もう少し野球中継をして貰えないものか。」とか「中年オヤジの楽しみを、此処迄奪わなくても良いではないか。」といった泣き言がチラホラ見受けられる様になったが、「一旦削減方向に走った流れはもう変えられないだろう。」と諦観している野球ファンも少なくない様で、CS放送に加入&有償心置き無く野球中継を堪能する人間が激増しているとか。自分の場合は金銭的な余裕が無いので専らラジオ中継で”凌いで”いるが、やや存在感を無くしていたラジオ番組もこういった形で又、日の目を見る様になって来ているのかもしれない。

ラジオ番組といえば、移動中の車内でラジオを付けっ放しにしてボケッと聞いているのが好きな自分。先日もTBSラジオの「ストリーム」を聞いていた所、腹の底から大笑いしてしまった。「コラムの花道」というレギュラー・コーナーでプロ書評家の吉田豪氏が「嘗てのアイドル本の妙さ加減」に付いて、”マッチ”こと近藤真彦氏が1982年に出版した「真彦18歳 いま俺、やるっきゃない」という”独白本”を例にして話していたのだ。当時男性アイドルとして頂点に在った彼が、この本を手に取った「君」、即ち「たった一人の人物」に対して語り掛けるスタイルで書き進められているのだが、これが今となっては何とも笑える代物こちらで当該放送を聞く事が出来るので、是非聞いて貰いたい。

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(仕事でグアムを訪れたマッチが、「君」に出した手紙という設定。の地でライフルを試し撃ちした事を明らかにした上で。)大丈夫だよ、心配しなくても。君の心配そうな優しい眼差しが目に浮かぶけど、俺、男の子だぜ!一寸スリルが在ったけど、こういう時じゃないとやれないから許してくれよ。今度撃つ時は、君の心を狙って撃つよ!俺の熱いハートの銃でね。命中すると良いけどね。

そうだ、俺、君に御礼を言わなきゃ。コンサート観に来てくれて有難う!俺、感激しちゃったよ。『マッチ!マッチ!』の手拍子なんかしてくれちゃってさ、燃えたねえ。君、手は痛くなかった?本当に有難う!あの時君に直接御礼を言えなかったから、この本で話をしような。俺、判ってたんだ。両手をメガホン代わりにして、『マッチ!マッチ!』って叫んでくれたのが君だって事。俺、だから歌ったぜ!

(当時主演した映画「ハイティーン・ブギ」の上映会で歌った曲に付いて。)その時君はキッとした顔を最初してたけど、その内両手を挙げて手拍子を取ってくれたもんね。あの時俺、本当に思ったんだ。映画の中では(相手役の)桃子を思って歌ったけど、これからは君の事を思って歌おうって。だから心を込めて歌ったろ?俺、歌い乍ら君を抱き締めたくなっちゃったよ!今は無理だけど、何時の日かきっと君を。

(「ハイティーン・ブギ」での桃子とのキス・シーンに付いて。)君も映画で観てくれたからこそ判っていると思うけど、俺達寝袋でゴロゴロっと転がって、軽く唇が触れるシーン在ったよね?俺その時、君の事を思って何とか本番1回で終わらそう終わらそうと思ったから、(唇が)触れたか触れないか全然判らなかったよ。本当だ!!そうしたら監督が『OK!』って言ってくれたんだ。ホッとしたよ。その時やっぱり幾ら演技だっていったって、君に観て貰う映画で俺だってそんな大胆な事出来っこないよ!君と唇を合わせる日の為に、大事に取っておくよ、俺の唇。

ジャニーズ事務所の面接通知が封筒で届いた時の事を思い出して。)その時封筒を開けなかったら俺、そう今の俺居ないかもしれない。事務所のジャニーさんさんやメリーさんに知り合えないまま、違う世界に居たかもしれない。それよりきっと、君にも巡り会えなかったかもしれない。

レコード大賞の新人賞を受賞した事に付いて。)最高の年だったよ。君も喜んでくれたね。俺、知ってるんだ。俺のこの1年を、ずっと君が見守ってくれた事を。俺、本当の事を言うと、君と出会えた事が一番嬉しかったんだ!

18歳になったよ。やりたい事が一杯。車の免許も取りたいし、外国にも行きたい。でも今、君が欲しい!

例えば俺と君がコンサートの楽屋でトシちゃんの紹介で会ったとするでしょ。それで恋愛したとするよね。運命の糸で結ばれた俺と君の間に子供が出来て御覧。怖い俺に優しい母親の君。とっても良い家庭が作れるんじゃないかと思うよ。
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全編を通して、こんな感じらしい。「結婚しよう!」といった文章も在ったりするそうで、遣り過ぎ感満載の内容。『アイドルがファンに対して、何処迄幻想を見せて良いものなのか?』を売る側が未だ理解していない時代のアイドル本。という吉田氏の指摘は実に的を射ていると思う。他者との”距離感”が掴めない人間が増えている現在、この本の様に「ファンの皆」に対してでは無く、「たった一人の君」に送る言葉的な文章のアイドル本が出版されたならば、妄想に走ってストーカー行為に及ぶ輩が現れないとは決して言えないだろう。

それにしても当時は、女性アイドルが出版した本でもこういった感じの内容は見受けられていた様に記憶している。幼少時から斜に構えて物事を見ていた可愛げの無いガキの自分は、当時もそういった文章を見ては「数多の人間が読む本なのに、『君』は無いだろう。どうせゴースト・ライターが鼻糞でも穿り乍ら書いているに決まってるのに。」と冷めた目だったが、結構真剣に「アイドルが私だけの為に書いてくれた。」と思い込んでいた人達も居たのだろうか?

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5 コメント

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Unknown (tak_123)
2007-08-29 11:10:43
こんにちは。
マッチは十勝24時間レースで実物を拝見しましたが、やはり今でもカッコイイですよ。追っかけ(元)ギャルが結構な人数サーキットのパドックにいました。ああ、スターってやはりいるんだなぁと実感しました。
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かなりキモイ著作物ですね (マヌケ)
2007-08-29 12:41:49
ハイティーンブギと言えば武田久美子で、武田久美子と言えば貝殻のビキニで日本中の男子がお世話になったのではないでしょうか。 アイドルと言えば昔よくあったオールスター水泳大会はもうないのでしょうか? 騎馬戦でポロリのお約束を期待していたころが懐かしいです。 あのねのねやフォーリーブスの何とかいう人が司会を務めていましたね。 競技中にサブ画面で新曲を披露しているアイドルがいかにも口パクなのも笑えました。 競泳では泳ぎが本当にうまいアイドルもたまにいたりして、リレーでは半分も進まない内に足を着いちゃったり、とか実はどうでもよくてやはりオッパイポロリが楽しみでした。 全然関係なくてすみません。 タレント本などのこういう書籍は確かワニブックスとかからたくさん出ていたような気がします。 なぞなぞ本やいたずら本なども流行りました。 
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>マヌケ様 (giants-55)
2007-08-29 15:05:43
書き込み有難う御座いました。

現代の様にあらゆる情報で溢れかえっている時代で在れば、この手の本を読んで嘲笑してしまう子供達も少なくない事でしょうね。シニカルな自分ですら当時はこの手の本を馬鹿にしていたものの、でも今感じる程の違和感は無かった様な気がします。それだけアイドルに対して幻想を見”られた”時代だったのでしょうし、幸せと言えば幸せな時代だったのでしょうね。

武田久美子さんの”貝殻ビキニ”は映画「ラ・ブーム」のソフィー・マルソーさんや、同じく映画「パラダイス」でのフィービー・ケイツさんの裸身と共にかなり御世話になりました(笑)。オールスター水泳大会も良く見ており、演出とは判っていても”ポロリ”にはドキドキしていたもの。
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ジャニーズ系と秋葉系 (破壊王子)
2007-08-29 17:41:14
ABCラジオ「誠のサイキック青年団」で聞いたのですが、女性アイドルの方はCDを手売りしたりブログでファンと交流したりとファンの側にドンドンと近づいている。ジャニーズ事務所は反対に一定のラインを引いているのとはエライ差だと。逆にジャニーズ辞めた人はファンの側に近づいてくれるんだけど、かつてのオーラは無くなっちゃって、ありがたみもなくなると。
男と女のファン意識の差なんでしょうか?

アイドル本のというのは大抵ゴーストライターですがそれだけで片付けられないのが面白い。このあたりは吉田豪一連の著作で触れられてますが凄いですよ。
プロフィールに自分の初潮の日時や生理の周期までのっけちゃうM・Iとか、王貞治の家での性教育の話をなぜか語るI・Mとか。

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うーむ寒い… (Spa supernova)
2007-08-31 01:59:26
いやはや「ドン引き」です^^;。

そういえば妹が昔、名古屋のイトコ(筋金入りの男闘呼組のおっかけ)とよくジャニーズ系のコンサートに行ったり、イトコのおっかけに加わったりしていました。その頃でしたかあの元フォーリーブス・北公次の本が出たんですよね。家にもありました。北氏は2冊ぐらい出したんじゃないかなあ。あと光ゲンジか少年忍者だったかどっちかに入り損ねたメンバーらによるものまで家にありました。茶の間に放ってあるときに好奇心から読んでみた覚えがあります。暴露部分よりも北氏の自己陶酔のような文章(?ゴーストライターが書いたなら本人の話し方?)が印象的でした。ローリングストーンズのカバーをよくしていた、という内容でなぜか自分とストーンズのブライアン・ジョーンズ(クスリで早死にした。殺害説もあります)ととても似ていると言っていたり、妙に自堕落さを自慢する箇所が多かったのです。また読んでみたいような(笑)。
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