1970年代にタツノコプロが制作し、人気を博したアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」【動画】。放送開始から43年経った今でも熱狂的なファン*1が多数居り、其れが故に同作品をパロったアニメ「おはよう忍者隊ガッチャマン」【動画】なんていうのが制作されたりするのだろう。
先月末、「科学忍者隊ガッチャマン」を実写化した映画「ガッチャマン」が公開されたが、観客動員数が芳しく無い様だ。ネット上でのレヴューも酷評許りだし、映画館に見に行った知人も「酷かった。」と言っていた。抑“B級映画”が好きで、「酷評されればされる程、何れだけ酷いのか見てみたくなる。私の悪い癖です。」といった杉下右京並みの変わり者なので、映画館に足を運んでみた。
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21世紀初頭。謎の侵略者集団「ギャラクター」によって、たったの17日間で地球の半分が、壊滅的な被害を受ける。侵略者から地球を守る為、“石”という特殊な結晶体の力を引き出せる適合者が集められる。適合者は800万人に1人。
施設に集められた適合者達は特殊エージェントとしての訓練を受け、石を操る忍者「ガッチャマン」として、侵略者と戦うべく立ち上がる。
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休日というのに、観客席には大分空きが在り、「観客動員数が芳しく無い。」というのを痛感させられた。
本編が始まる前、「劇場版 おはよう忍者隊ガッチャマン」というアニメが上映されたのだが、先日の記事で紹介した「荒井注氏のカラオケボックス事件」が落ちとして使われていたのには大笑い。
【大鷲の健】
【トミーズ健氏】
【コンドルのジョー】
【宍戸錠氏】
【白鳥のジュン】
【レツゴーじゅん氏】
【燕の甚平】
【野末陳平氏】
【みみずくの竜】
【手嶋龍一氏】
【南部考三郎博士】
【南部虎弾氏】
主要なキャスティングに関しても非難が多い様だが、「大鷲の“健”:トミーズ“健”氏」、「コンドルの“ジョー”:宍戸“錠”氏」、「白鳥の“ジュン”:レツゴー“じゅん”氏」、「燕の“甚平”:野末“陳平”氏」、「みみずくの“竜”:手嶋“龍”一氏」、「“南部”考三郎博士:“南部”虎弾氏。」といった名前に因んだだけの物だったら、流石に自分も反対だが、“一部”を除いてはそう悪いキャスティングでは無かったと思う。
南部博士役の岸谷五朗氏も、最初は「見た目だけ南部博士そっくりにしてもなあ・・・。」と違和感が在ったけれど、見慣れて来たらそう悪くは無い。ガッチャマンの5人も悪く無く(ジュン役の剛力彩芽さん、相変わらず可愛い!!)、同性の自分から見てもクールな色気を感じる綾野剛氏のジョー役は、特に良かった。
【ベルク・カッツエ】
「“一部”を除いて」の一部は、ベルク・カッツエ役。ネタバレになってしまうので詳細は書かないが(其の正体は、早い段階で判ってしまった。)、アニメ版のベルク・カッツエは雌雄同体の設定で、男性的な面と女性的な面を併せ持つ“中性的な魅力”が在った。「濃い色の口紅を付け、時には仕草や言葉が女性的になり、感情の起伏が激しくてヒステリック。」というのが特徴だったが、今回の実写版では全く其れが反映されていない。コスチュームも「映画『ヤッターマン』で、ドロンジョ役の“深キョン”が着ていたコスチュームを、一寸手直しして使ったのでは?」と思ってしまう様な代物だったのも残念。
敵メカのデザインがタイヤ風というのも在り来たりだったし、ジョーがギャラクターに変わって行く段階での“ギャラクター風コスチューム”も戴けないが、最悪なのはアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の世界観を無視した様な作りだろう。登場人物達の名前がアニメ版と微妙に異なるのは目を瞑るとしても、「シリアスなテーマが根底には在ったアニメ版」に対し、映画は「単なるアクション&恋愛物」になってしまっている。
映画「ヤッターマン」にも在ったが、此の作品でも唐突に他の「タツノコ・キャラ」が使われていたけれど、彼は要らないだろう。映画「ヤッターマン」はオリジナルのアニメ“も”ギャグ満載で、だからこそ見ている側も実写版に「タツノコ・キャラ」が唐突に使われても、“同一作品としての違和感”は無かったと思う。でも、アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の場合は、上記した様に「シリアスさ」が在り、実写版でギャグ的な面を出してしまうと、“同一作品としての違和感”をどうしても覚えてしまうのではないだろうか。*2(「おはよう忍者隊ガッチャマン」の場合はコミカルさを前面に打ち出したアニメで在り、「科学忍者隊ガッチャマン」とは“全く別の作品”という割り切りが出来ている。)喩えて言うならば、「大河ドラマの登場人物として、くまモンが出て来る様な違和感。」といった感じ。
「ネット上の酷評程は、悪く無い。其れなりに楽しめたし。と言って、評価出来る様な作品でも無いが。」というのが、自分の感想。総合評価は、星3つとする。
*1 去年の記事「タツノコプロテン」内で書いたが、子供の頃に「ゴッドフェニックス」の“プラモ”を購入し、夢中になって作ったもの。
*2 「昭和の仮面ライダー・シリーズ」に顕著だった「人間では無い苦しみや哀しみ」といった部分が、此の作品でもチラッと示されたりはしているが、“深堀り”がされていない。
アニメや漫画が実写化されるという事は、其のオリジナルが幅広く愛されているからと思うんです。「幅広く愛されているからこそ、実写化すれば可成りの観客動員数が見込める。」と制作者サイドは算盤を弾く。一方、ファンの側は「大好きな作品が実写化されたら、どんな風になるのだろうか?」と必要以上に期待を膨らませてしまう面が在る。
「原作に忠実で在るか?其れとも、原作は原作と割り切って作るか?」、此れは制作者にとって悩ましい点。安全策を採れば、原作に忠実な道を選ぶでしょうね。でも、クリエーターとしては「自分の色を出したい。」と思うのも理解出来る。色を出すのは良いのだけれど、其の原作の根幹に在る重要な要素を曲げてしまうと、ファンの失望は大きくなる。難しいですね。
個人的には、「ルパン三世」よりも「マジンガーZ」の実写版が見てみたいです。其の場合、あしゅら男爵を誰が演じるかが肝になりそう。
http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/788dd850529c99c902ac294f06662d39
どうせなら俺が一番タツノコプロで好きな破裏拳ポリマーを実写化して欲しいですね(個人的には北斗の拳はポリマーのパクりと思ってます まぁ俺が北斗の拳が嫌いだからなんですけどね)
バイオレンスジャック>>>>破裏拳ポリマー>>>>>×20北斗の拳
やるやると言われて中々実写化されないサイコガンのコブラやジム・キャリーが主演すると言われたルパン三世などもいつになったら映画化されるんですかね
漫画&アニメ三大雌雄両具ベルク・カッツェ
あしゅら男爵
飛鳥了
番外・性同一性障害
サファイア王子