ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「少年探偵」

2015年03月13日 | 書籍関連

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ついにその名は、人々が顔を合わせれば時候挨拶のように口にする様になってしまいました。「≪怪人二十面相≫とやらは一体何者なのだろうね、まだその尻尾すら摑めていないんだろう?」。「怖くてうっかり街歩きも出来ないわ。」。ここに来る間にも市電の中でそういう会話が聞こえてきました。

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江戸川乱歩生誕120周年」に当たるという事で、昨年から「少年探偵団シリーズ」に対するオマージュ作品が、ポプラ社から刊行されている。今年の初め、第一弾の「みんなの少年探偵団」を読んだが、今回は第3弾の「少年探偵」(著者小路幸也氏)を読了

 

「読者諸君」、「~ではありますまいか。」、「嗚呼、何という事でしょう。」等、「少年探偵団シリーズ」独特言い回しは無いけれど、冒頭に記した(「少年探偵」の)出出しから漂う“時代の雰囲気”、そして「テェブル」や「ビルヂング」といった表記等、子供の頃、夢中になって読んでいた「少年探偵団シリーズ」の世界観浸ってしまう。

 

「少年探偵団シリーズ」と言えば、名探偵明智小五郎と共に、団長の“小林少年”小林芳雄の活躍も忘れられないが、「少年探偵」は「彼が如何にして、“小林少年として”明智小五郎と共に働く事になったか?」が語られている。明智と彼との意外な関係性、怪人二十面相の意外な正体(怪人二十面相の本名は「遠藤平吉」というのが一般的な認識となっているが・・・。)、明智にとって“愛しき人”の意外な顔等「少年探偵団シリーズ」のファンにとって、実に衝撃的な展開だと思う。

 

従来の“説”とは異なる点が幾つか在り、其の点では賛否両論在る事だろうけれど、読み物としては純粋に面白かった。パラレル・ワールド的作品”として読んだら、此れは在りだろう。

 

総合評価は、星4つとさせて貰う。


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