*********************************
「100円で『癌検診』 尿の線虫反応で判定」(3月12日付け東京新聞【朝刊】)
九州大等の研究グループは、体長1mmの線虫に人間の尿の臭いを嗅がせ、其の反応から高い精度で癌の有無を判定出来る事を突き止め、11日付けの米科学誌電子版に発表した。費用は検査1回100円から数百円程度、約1時間半で結果が出る。日立製作所等と組んで装置の開発を進めており、2019年にも実用化を目指している。
従来の検査では判らなかった早期癌を発見出来る可能性も在り、受診率向上や早期の治療が期待出来そうだ。グループの広津崇亮助教(神経科学)は、「自宅で採った尿1滴を検査機関に送れば、癌を発見出来る。」と説明している。
線虫は土壌や水中に生息する微小な動物で、簡単に増殖させられる。グループは癌患者には特有の臭いが在る点と、犬並みの嗅覚で反応する線虫に注目。患者の尿には寄り付き、健康な人の尿からは逃げる行動を確認した。
242人の尿の反応テストでは癌患者24人中23人が陽性、健康な218人の内207人は陰性を示し、癌患者の発見確率は95.8%。同時に行った血液採取による腫瘍マーカー検査より、精度は高かった。
更に、癌患者の内5人は採尿時点で癌とは判っておらず、研究グループは早期癌も発見出来ると見ている。現段階では、癌の種類迄は判定出来ない。唯、特定の癌だけに反応する線虫を作る事に成功しており、将来的には実用可能と言う。
*********************************
“癌探知犬”の事は結構有名だが、線虫を利用しての癌判定というのは、目の付け所が凄い!癌患者の発見確率95.8%という高確率も然る事乍ら、採尿から結果が出る迄1時間半という速さ、そして何よりも100円から数百円程度という検査費用の安さは、実用化された際の普及スピードを加速させる事だろう。