今年の”このミス”が発表された。宝島社が主催し、”読書の達人達”のアンケートによって、1年を通じてのミステリー作品のランキングを決定するこのイベントは、ミステリー好きにとって最早この時期の風物詩と言える。*1毎年12月が近付くと、「今年の1位は誰(どの作品)なのだろうか?」と自分なりに想像するのが楽しみでも在るのだが、今年に関しては全く予想が付かなかった。と言うのも、自分の中では「この作品は最高だ!」と迄確信出来る程の作品に、今年は残念ながら巡り会えなかったからだ。
今年のこのミス(国内編)のベスト3は次の様になっていた。
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1位 「容疑者Xの献身」 東野圭吾
2位 「扉は閉ざされたまま」 石持浅海
3位 「震度0」 横山秀夫
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「扉は閉ざされたまま」は未読だが、「震度0」と「容疑者Xの献身」は読破している。確かに両作品共秀作なのは認めるが、「震度0」の3位は未だしも、「容疑者Xの献身」が1位の座を、それも圧倒的な差で獲得するとは思ってもいなかった。或る意味、今年のミステリー界は不作だったと言えるのではないか。
以前、「賞に縁遠い男”東野圭吾”」という記事でも書いた様に、東野圭吾氏は大好きな作家の一人である。読後に感じる何とも言えない物哀しさと理不尽さが堪らなく好きだし、題材の”守備範囲”の広さは余人を寄せ付けないものが在るとすら思っている。彼の類無き才能を評価するが故に、「容疑者Xの献身」を読み終えた際には手厳しい評価を下した訳だが、今でもその思いは変わっていない。「彼の力量を以ってすれば、もっと”ストーリー的に”納得出来る作品に仕上がったのではないだろうか。」という思いがどうしても残る。だからこそ、今回の1位は意外中の意外だった。
”無冠の帝王”とも言える東野圭吾氏。そんな彼が、このミスの1位に輝いた事は小躍りする程嬉しい。これで、より多くの人が彼の作品に注目してくれる様になってくれれば、ファンとしては望外の喜びなのだが、同時にそれ程有名ではなかった頃から彼の作品を追い掛けて来た身としては、自分だけの”宝物”が奪われてしまった様な複雑な思いが無きにしも非ず。長年”追っ掛け”をしていた無名バンドが、一躍有名になってしまった時のファンの心境と同じ様なものなのかもしれない。
*1 「週刊文春ミステリーベスト10」及び「本格ミステリ・ベスト10」の発表も待ち遠しい。
今年のこのミス(国内編)のベスト3は次の様になっていた。
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1位 「容疑者Xの献身」 東野圭吾
2位 「扉は閉ざされたまま」 石持浅海
3位 「震度0」 横山秀夫
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「扉は閉ざされたまま」は未読だが、「震度0」と「容疑者Xの献身」は読破している。確かに両作品共秀作なのは認めるが、「震度0」の3位は未だしも、「容疑者Xの献身」が1位の座を、それも圧倒的な差で獲得するとは思ってもいなかった。或る意味、今年のミステリー界は不作だったと言えるのではないか。
以前、「賞に縁遠い男”東野圭吾”」という記事でも書いた様に、東野圭吾氏は大好きな作家の一人である。読後に感じる何とも言えない物哀しさと理不尽さが堪らなく好きだし、題材の”守備範囲”の広さは余人を寄せ付けないものが在るとすら思っている。彼の類無き才能を評価するが故に、「容疑者Xの献身」を読み終えた際には手厳しい評価を下した訳だが、今でもその思いは変わっていない。「彼の力量を以ってすれば、もっと”ストーリー的に”納得出来る作品に仕上がったのではないだろうか。」という思いがどうしても残る。だからこそ、今回の1位は意外中の意外だった。
”無冠の帝王”とも言える東野圭吾氏。そんな彼が、このミスの1位に輝いた事は小躍りする程嬉しい。これで、より多くの人が彼の作品に注目してくれる様になってくれれば、ファンとしては望外の喜びなのだが、同時にそれ程有名ではなかった頃から彼の作品を追い掛けて来た身としては、自分だけの”宝物”が奪われてしまった様な複雑な思いが無きにしも非ず。長年”追っ掛け”をしていた無名バンドが、一躍有名になってしまった時のファンの心境と同じ様なものなのかもしれない。
*1 「週刊文春ミステリーベスト10」及び「本格ミステリ・ベスト10」の発表も待ち遠しい。
僕も「容疑者Xの献身」が1位だとは意外です。
確かにいい作品ではありますが。
この事は、感謝の意を表すために僕の記事に紹介しました。
また、思い切ってコチラの記事を僕に記事の中で紹介しました。
できれば感想等を書き込んでもらえたら幸いです。
でも、このミス1位は素直に嬉しいし、実は意外でもありません。というのも、2位3位の作品を両方とも読んでいるし他にも20位までに入った作品をだいぶ読んだのですが、どれも「容疑者~」と戦うには役不足だからです。「扉~」に関しては前評判が良かったので、驚きこそしませんでしたが、私がランキングをつけたらベスト10にも入りません。「震度0」は順当だと思います。おっしゃるとおり、今年のミステリー界は不作・・・というか全体的に小粒だったのかもしれませんねー。
この本、原書房の「本格ミステリベスト10」では1位を取りましたよね。私は、そちらのほうがちょっと嫌です。「東野は本格じゃない!」とかいうくだらない議論が再燃(っていうか、再々々々々々燃?)するのは必至ですから。ジャンルなんてどうでもいいし、東野さん自身が「本格」を名乗っていいないのに、どうして批判されなければならないのか・・・。東野さんは気にされないかもしれませんが、ファンとしては作品に泥がついたようで、嫌な気分になります。長文失礼いたしました。では!
容疑者X、うまいなあ~とは思いましたが
個人的には「白夜行」のほうが優れていると思うんですよ。あの作品はいわゆるミステリー豊作な年に生まれたのではなかったでしょうか。あれで取れなかったのは東野ファンとしては残念無念~だったのです。まあ、「永遠の仔」とか・他の作品があまりにも骨太で・・仕方なかったかと思いますが。
ただ・・白夜行と容疑者X、あっちは取れなくてこっちは取ったけど・・・より心に残るミステリーということでいえば、白夜行。あ~やっぱりわたし、容疑者Xが選ばれるとなんだか今更ながらに「白夜行」が愛しくなってきちゃって。。(^_^;)といいつつ・・あの作品せつなくてつらくてもう一度読めないんですよね。
記事内で、「本格ミステリ・ベスト10の発表も待ち遠しい所。」と書いたのですが、どうやら既に発表されている様で、此処でもこの作品が1位を獲得しているのだとか。”無冠の帝王”だった東野氏が、今年のミステリー・ランキングで2冠をゲットするとは。何か隔世の感が在ります(笑)。こうなったら、「週刊文春ミステリーベスト10」でも1位をゲットして、松井(秀)選手も成し遂げられなかった三冠王(どういう比喩だ(^o^;;;。)を達成して欲しい所です。
「白夜行」は確か今度ドラマ化されるんですよね?あの作品も東野氏の特徴とも言える理不尽&物哀しさを堪能出来ます。切なくて辛くて再読出来ないという気持ち判ります。「手紙」等もそういった感じの作品ですよね。
唯、自分の中では未だ以って、東野作品ベスト1は「魔球」なんです。あの作品は何度読み返しても、涙腺が緩んでしまいます・・・。
結構圧倒的な得点差で1位をとった割には、、、
という感じでしたね。
今年は、ハードカバー自体読むのが少なかったんですが、不作の年だったようですね。