ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

2人の今後

2017年10月23日 | 政治関連

昨日投開票となった「第48回衆議院議員総選挙」は、事前マスメディアの獲得議席予測として喧伝されていた通り、自民党の圧勝に終わりそうだ。公明党と合わせた与党の議席数は、全体の3分の2を窺う状況。ハッキリ言って「薄汚さも極まれり。」という安倍晋三首相傲慢さによって行われた衆院解散総選挙だったが、結果として野党の分断が自民党に利したという形だ。

 

今回の自民党の圧勝、貢献者を挙げるならば、小池百合子都知事前原誠司民進党代表という事になるだろう。小池都知事が希望の党を立ち上げ、前原代表が民進党自身の候補を立てず、希望の党へ“合流”する決断をした事で、野党が完全に分断されたからだ。野党が纏まって闘っていたならば、自民党はこんなにも勝てなかっただろう。

 

自民党の圧勝以外で気になる点を挙げるならば立憲民進党の大躍進、そして自民党に顕著世襲議員の増産だろう。後者に関して言えば、「世襲という形で出馬させれば、訳の判らない人物でも当選する。極論だが、『を出馬させても当選するだろう。』という感じ。」で、此れは投票する側の問題でも在る。

 

今回の結果を受け、或る2人の今後を予想してみたい。先ずは、小池都知事に付いて。

 

3ヶ月前の記事「『2017年東京都議会議員選挙』後の政局」や2ヶ月前の記事「『“小池新党”は、“非自民”には非ず。』なのに」等、過去に何度か指摘している事だが、「女性初の首相になる事が最終目標の小池百合子都知事にとって、自民党は手を握る必要が絶対に在る存在で在り、思考的にも自民党と変わらない。」し、「一日も長く首相の座にしがみ付いていたい安倍首相にとっては、小池都知事との連携は、改憲を進める意味でも不可欠。」という現実が在る。だから、希望の党は実質的に“自民党小池派”だと思っている。

 

「選挙後、間違い無く自民党と希望の党は手を組む。」と選挙前からずっと思っているのだが、実は別の考えも在った。“妄想”と言われそうなので書くのは控えていたのだけれど、希望の党立ち上げに到る過程での小池都知事の言動から、「意外と妄想じゃ無いかも。」という思いが強くなっている。

 

民進党からの合流者を決める際、小池都知事は「全員を受け容れる気は、更々無い。」とか、「(自分達の考え方に全て賛成しない人物は)排除します。」といった“強い排除の論理”を持ち出した。自分が昔から彼女に対してずっと感じている底意地の悪さや冷たさが露骨に表れた発言だったが、此れ等の発言によって希望の党への追い風が逆風に変わったのは間違い無いだろう。

 

彼女がああいった発言をした事に対し、「希望の党が大躍進すれば、自分が首相になる可能性がグンと高まる事から、其の高揚感でしてしまった失言。」という捉え方をしているメディアが多かった。でも、自分は「失言では無く、意図的にした発言じゃないかなあ。」という気がしていた。どういう事かと言えば、「希望の党を立ち上げる事で野党を分断し、更に“強い排除の論理”を持ち出して民進党を完全崩壊させる。」事は、“親自民党的議席”が全体として増え、一方で“親の仇”の様に嫌悪している共産党や民進党の議席が減れば万々歳。』と思っている安倍首相。」に恩を売る事になるからだ。選挙後、彼女は間違い無く、自民党に擦り寄る事だろう。

 

そして、もう1人は小泉進次郎氏。記事「『2017年東京都議会議員選挙』後の政局」のコメント欄でKei様宛てに書かせて貰ったのだが、小泉進次郎氏は大衆受けする事は言うけれど、“言うだけ番長”で何も出来ていない(「原発政策を推進して来た自民党として、原発事故を踏まえた検証を党として行わなければならない。」と主張するも、何も行わなかった等。)し、何よりも自分達の身を切る事(議員定数削減やら政治団体を介する事で相続税脱税が出来てしまう事の禁止等。)は一切言わないのが、個人的には彼に信を置けない所。という思いがずっと在る。時に安倍首相批判めいた事を主張するのも、「安倍首相に不満を持つ人達のガス抜き役で、自民党に支持を繋ぎ留める。」とも。「彼の主張と実際にして来た事とを検証すれば、胡散臭さ歴然としているのに。」と、彼をアイドルの様に支持する人達はやメディアに疑問を感じていた。

 

そんな彼が選挙前から、露骨に安倍首相寄りの言動をする様に。全く根拠は無いが、彼は遠からず結婚するのではないだろうか。家庭を持つ事から、保身に走る様になった。そう考えると、彼の安倍首相への擦り寄りも理解出来る。選挙後の組閣では、大臣職を受けるのではないだろうか。

 

選挙に大勝した事で、心から謝る事が出来ない安倍首相は「全てが認められた。」と、「加計学園疑惑」等の幕引き図るだろう。国民の多くが「説明責任を果たしていない。」と考えているのにだ。そして、来年行われる自民党総裁選に出馬して連続3選目の総裁に選ばれれば、(「総裁任期は連続で最大3選9年」と決まっている事から)「此れ以上は首相を続けられないのだから、政権支持率なんか考えず、何でも出来る。」と、今迄以上に“自分の趣味”を押し通すという暴走をするに違い無い。


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2 コメント

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予想当たり (Kei)
2017-10-24 22:55:25
9月30日のこちらの記事への書き込みで、「希望の党から排除されそうな民進党議員たちも、これを機会に新党を結成すれば、共産、社民との選挙協力で候補者の一本化も進み、無党派層の受け皿にもなるので、災い転じて福となり、十分勝ち目はあるのではないか」と書いたら、本当にその通りになって枝野氏が立憲民主党を立ち上げ、しかも大躍進しましたね。予想大当りです(笑)。
まあでも、そう思った方は多かったようで、枝野氏も「無所属ででも出ようと思ったが、多くの方から“枝野立て”という声があったから旗を立てられた。背中を押してくれたみなさんが立ち上げた政党だ」と言っています。日本人の判官贔屓という心情もプラスしたようですね。
しかし喜んでばかりもいられません。結果として野党全体としては自民党に完敗したわけですから。
これから立憲民主党がどんな政党に成長して行くのか、見守って行く必要があると思います。あまりに左に寄り過ぎて、昔の社会党に似た政党になっても困ります。かと言って党勢拡大して政権交代を目指すと、また民主党の二の舞になるでしょうから、舵取りは難しいでしょうね。とにかく頑張って安倍一強に対抗し、バランスの取れた、国民の為の政治を取り戻していただきたいものです。

ところでgiants-55さんが書いておられます
>「失言では無く、意図的にした発言じゃないかなあ。」という気がしていた。
についてですが、私はやはり、都知事選、都議会選挙で圧勝した、驕りから出た失言だと思います。
勝ち続けた事で、「自分にはカリスマ性がある。何をやっても勝てる。何を発言しても問題にならない」とつい思い込んでしまったのでしょう。「排除」という言葉も問題ありですが、その後の政策協定書という、いわゆる“踏み絵”を踏ませた事が、「何さまだ!」と反撥を招いた事の方が大きかったと思います。これでは、一旦合流してから、後で追い出すように見えて、傲慢・独裁と映ってしまったのでしょう。「全員が希望に合流し、民進党としては公認はしない」とした前原氏のやり方は完全な失敗で、「小池氏と思想・政策が一致する方は希望が受け入れ、そうでない方は民進党公認で出馬可能」とでもしておけばこんなに希望の党が失速する事もなかったでしょうに。
それともう1点、民進党は例え小池氏が分断しなくても、離党者が続出していてほとんど死に体状態で、今回の選挙では惨敗は間違いなかったでしょう。悪くすれば自民党は3分の2どころか4分の3以上の圧倒的多数の議席を獲得したかも知れません(安倍首相はそれを狙っての解散でしょう)。そんな状態で、前原氏は藁をもすがる思いで小池氏に助けを求めたのでしょう。結果的には、小池氏のおかげで立憲民主党が躍進し、民進党のままで選挙に突入した場合より、野党は議席を伸ばせたと思います。

おそらく小池氏のもくろみは、希望の党で120~30議席くらいを獲得し、自民党を過半数割れに追い込んで安倍首相を退陣させ、自民党に対して主導権を握って、次の選挙で首相を目指したかったのでしょう。あるいは、公示直前まで世間の動向を見て、希望の党が大勝すると見れば知事を辞職して衆院選に出る事も考えていたと思います。風が逆に吹きかけたので、出馬はあきらめたのでしょう。
しかし今回の希望の党惨敗で、おそらく党内からは不満、批判が噴出し、責任を取る形で小池氏は代表辞任、次々と離党者が出て民進党に戻る者も出たりで、遠からず希望の党は解体するでしょう。
それどころかヘタをすると、もし自民党に合流なり戻りたいと言い出しても、多分安倍首相は受け入れないと思います。今のままで十分改憲勢力は3分の2以上ありますから、希望の党が加わらなくても全く問題ないし、なにより石破茂氏が一時自民党を出て、その後戻った時の冷遇ぶりからも「裏切り者は許さない」という意向が働くものと思われます。特に都議選での自民惨敗は恨み骨髄でしょうから。
おそらくこれで、小池氏の首相の芽は、完全とまでは言いませんがほぼ無くなったのではないかと思います。また私の予想が当るといいですが(笑)。
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>Kei様 (giants-55)
2017-10-25 01:33:21
書き込み有難う御座いました。

真相は当人のみぞ知るですが、小池百合子という女性の此れ迄の生き方を見ていると、彼の”失言”には計算が在った様に思えてならないんです。立憲民主党という政党が出来、結果的に其れなりの議席数を得たのは想定外だったかもしれないけれど、民進党解体&共産党の議席減少という安倍首相及び自身の目論見は果たせた。もっと深読みすれば、希望の党が議席数を伸ばせなくても、最終的に其の責任を負って代表職を退けば、今後は“フリー・ハンド”で自民党をバックアップ出来る。彼女の身勝手で自分ファーストの生き方を知っているからこそ、どうしても其処迄考えてしまいます。くどい様ですが、真相は当人のみぞ知るですが。

判官贔屓という国民性、確かに昔は結構在ったのですが、近年は若年層を中心に「自分さえ良ければ良い。他者の事なんか、どうでも良い。寄らば大樹の陰で、弱者は幾らでも叩いて構わない。」といった思考の広まりを懸念していました。今回の結果、判官贔屓的な人が其れなりに居る事が判り、救われた思いも。

唯、日本人って何だ彼んだ言っても、保守的な思考が強い。本来の保守は“多様性や寛容性”が根底に在った筈なのだけれど、近年は“多様性を認めない排他性”が保守の在り様になってしまった様にも感じる。

で、そういう保守的な思考が強い国に在って、リベラル色を前面に打ち出すと、一定以上の広がりは難しい現実。そういった点を判っているからこそ、枝野代表は事在る毎に「自分は、自身がリベラル派だなんて言った事は一度も無い。基本的には保守だと思っている。排他的では無い、寛容さを根底に持った保守。」といった発言をしていますね。又、「選挙で大きく伸びたからといって、他党との合流等の数合わせゲームに走れば、有権者から見放される。」とも言っており、「良く現実が判っているなあ。」と感じました。

立憲民主党が拡大する為には、「政権与党の政策に、何でも彼んでも反対。」というのでは無く、是々非々で当たる必要が在る。反対で在れば、理論的且つ現実的な代替案を提示する。党を掻き回すだけの保守連中は不要だけれど、是々非々で事に当たれる保守連中ならば、門戸を閉ざさない寛容さ。そういった事が必要不可欠でしょうね。

石破氏の今後も気になりますが、宏池会会長の岸田氏の今後が非常に気になります。彼の言動には共感を覚える事が多いのだけれど、安倍首相から「次の総理の座を禅譲する。」という裏約束がされているならば、今後は表立って政権に異を唱える事は無くなるでしょう。そうなったら、彼への期待感は一気に消えますが・・・。
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