ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

不可思議な事許り

2022年05月20日 | 時事ネタ関連

山口県阿武町が町民の男性に、コロナ関連の給付金4,630万を誤って振り込み、男性が返還を拒んでいた。」という「阿武町誤送金問題」。誤送金先の男性は「当該口座から出金し、ネット・カジノで誤送金された4,630万円全てを使い切ってしまった。」と主張していたが、「誤送金された金が自分の金では無い事を知り乍ら、自分の金として使った。」という事で、18日に彼は電子計算機使用詐欺罪逮捕された。

逮捕されたのは、24歳の田口翔容疑者。彼の弁護士が公開した田口容疑者の当該口座明細によると、「誤送金された当日の4月8日から4月18日の11日間で、合計34回の出金が在った。出金額が最も多い日は4月11日で、1回当たり60数万円~130数万円が計8回に亘って出金され、其の合計は900万円以上。4月18日の出金を最後に、計算上は誤送金分の4,630万円全額が出金された事になり、誤送金以降の11日間で、入金は全く無かった。」との事。

誤送金された4,630万円の原資
は“血税で在る。其れを使い込んだ田口容疑者も然る事乍ら、余りにも杜撰な管理体制の阿武町役場にも、強い怒りを覚える。田口容疑者は言う迄も無いが、役場関係者も然るべき“罰”を受けるべきだ。

今回の“事件”は、不思議な事許り。自分が触れた範囲の情報から、「何で?」と思う点を列記してみる。

① 役場が誤送金に気付いたのは4月8日で、其の日の内に田口容疑者の自宅を職員が訪問し、誤送金の事実を告げている。「田口容疑者は其の事実に気付いていなかった様で、驚いていた。」と報じられていた。以降、11日間に亘り合計4,630万円が出金された訳だが、村役場は何故、直ぐに当該口座の仮差押え手続きを採らなかったのか?というのが、非常に疑問。過去に似た様な“事件”が在ったと記憶しているし、こんなにも莫大な金額なのだから、「出金されては不味い!」と考えるのが普通。原資が自身の金だったら、直ぐに行っていたに違い無い。要は「大事な血税を扱っているという意識が希薄。」なのだ。

② 「役場の担当者は対象の463世帯と、各振込先を記録したフロッピー・ディスク金融機関に提出し、金融機関は各世帯に10万円ずつ振り込んで、正規の手続きを終えていた。」のだが、「其の後の4月6日に役場の担当者が、1世帯(田口容疑者)“だけ”が記載された振込依頼書を町役場で印刷して金融機関に提出。金融機関は8日、全世帯分の4,630万円を、田口容疑者の口座に振り込んだ。」という経緯らしい。フロッピー・ディスクという古めかしいツールを今も使っていたというのは驚きだが、其れは扨措く先ず気になるのはフロッピー・ディスクを金融機関に提出した役場の担当者と、印刷した振込依頼書を金融機関に提出した役場の担当者は同一人物なのか?其れとも、別の人間なのか?という点。同一人物ならば、「“同じ支払い”を2度もしている事は判るだろうし、常識では在り得ない。」と思う。そうなると、別の人間がした事になろうが、「一度全世帯に振り込む手続きをしていた事が、役場内で全く認識されていない体制だった。」という事になる。莫大な金を扱っているというのに、信じられない事だ。

又、誤送金は「1世帯(田口容疑者)だけが記載された振込依頼書を金融機関に提出した。」事で起こった訳だが、報道によると1世帯だけが記載された振込依頼書は、当該する名簿の一番最初に載っていたのが其の世帯(田口容疑者)だったから。という事だったので、田口容疑者の名前が明らかになる前は、「あいうえお順なのだろうから、あ行辺りの人間なのだろうな。」と思っていた。其れなのに、た行の田口容疑者というのだから、意外に感じた。勿論、「住所のあいうえお順で記されていた。」等の可能性も在るが、個人的には「本当に、職員の“ミス”だったのだろうか?」という疑問が。

③ 「公開された田口容疑者の当該口座明細では、誤送金以降の11日間で、入金は全く無かった。」とされている。「ネット・カジノに4,630万円を注ぎ込み、全て使い切ってしまった。」と田口容疑者は主張している様だが、入金が全く無かったという事は、「一度も当たらなかった。」という事になる。とても考えられない事だし、マネー・ロンダリング”によって何処ぞに全額、又は一部を隠し持っている可能性が考えられる。誤送金が明らかになって以降の彼の悪質な言動、そして週刊誌等で明らかにされた彼の悪質な過去等を考え合わせると、充分考えられる。

14日の記事「“際限無く湧き出る泉”の様に思っているのだろう」で指摘した様に、今回のケースがそうだと言う訳では無いが、役所の担当者と受け取る側が事前に“互いの取り分”を決めた上、受け取る側に余剰に給付金を振り込み、双方が利益を得る。なんて事も出来るだろう。田口容疑者は言うに及ばず、関係者も徹底的に調査して“”を出し切らないと、今後も似た様な事件は起こると思う。


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何ともお粗末 (Kei)
2022-05-20 15:58:30
こんにちは。
私は以前金融機関に勤めていた事もあり、また最近まで会社の経理担当で振込処理も行っていましたから、その経験からの感想を述べさせていただきます。
全体を通して感じた事は、町役場も、金融機関も、処理システムが杜撰で、かつミス発覚後の対応もお粗末極まりないという点です。
①多数の振込処理を行う役所が、今どきフロッピー提出という“前近代的システム”をまだ使っていた事にまずビックリ。しかもまだ紙ベースの振込依頼書があるという点でも驚きです。
フロッピードライブなんて、今どきのパソコンからはとっくに無くなってます。せめてCDーROMだったらまだしもですが。よっぽど昔の古いパソコンを何十年も大事に使ってるのでしょうか(笑)。
私の勤務先では、振込はもう10年以上も前からインターネット・バンキングになっていて(ちなみに社員10人ほどの零細企業です)、振込は登録済データから抽出→金額を打ち込み、プリントアウトした一覧表を責任者がチェックしてネット送信するだけで完了。金融機関に出向く事は一切ありません。紙の振込用紙なんてとっくの昔に破棄して置いてません。コストも安いし、今回のようなミスも防げるし、役場が何故ネットバンキングをやらないのか、理解に苦しみます。なお振込先が大量の場合は「データ伝送サービス」というのがあり、これもネットバンキングで出来ます。
②次に振込依頼を受けた銀行側の対応です。この銀行では、まず役場からフロッピーで一人10万円を463人に振込の依頼があったわけですが、その直後に紙の振込依頼書で1人に4630万円もの高額の振込依頼があったなら、しかも役場口座から同じ4630万円が2回も引き落とされるわけですから、これはおかしいと疑問に思い、役場に確認問い合わせを行うべきではなかったでしょうか。
私が勤めていた金融機関の例では、窓口で紙での振込依頼があると、オペレータが仮登録を行った後、管理者に伝票が回り、管理者がチェックして検印が押されて、係員はそれを確認して振込送信を行います。つまり複数の目でチェックするわけで、係員が見過ごしても、管理者がこれはおかしいと気付くでしょう。少なくとも役場に確認していれば今回の問題は防げたはずですね。特に最近は振り込め詐欺防止の観点から、高額の振込依頼は銀行側で依頼者に注意の声かけを行ってるはずなのに。まあ見過ごしたからと言って銀行側に過失があるわけではないですが。
③振込が間違った事に気付いた場合、大抵の銀行には「組戻(くみもどし)依頼」というシステムがあり、「組戻依頼書」の用紙も制定されているのですが、依頼書には「支払銀行が貴殿(社)の組戻依頼に応じないときは異議を申し立てないこと」という一文があるのがミソです。依頼書を受け取った振込先銀行は受取人に連絡を入れ、受取人が了承すれば振込を取り消し、振込元銀行に資金を戻すという流れですが、受取人が了承しない場合は戻って来ません。その場合でも組戻手数料(1,000円が一般的)は依頼者に返さないそうです。何の為の「組戻依頼書」なんでしょうかね。
この制度はどうも“性善説”に立ってるようで、普通は「間違いでした」と言えば大抵の人は「ああそう」と了承するものだとの思い込みがあるのでしょう。今後の事もありますので、全金融機関、あるいは法務省等でこのシステムを見直し、「振込依頼者が誤送金だったと申し出れば、原則入金を取り消した上で組戻しを実行する」ように改正すべきではないでしょうか。“間違えたら取り消せばいい”は日頃政治家の方たちはしょっちゅうやってますものね(笑)。
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>Kei様 (giants-55)
2022-05-20 23:13:42
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。(御依頼通り、後の書き込みに差し替えました。)

御経験に基づく御説明、非常に判り易かったですし、勉強になりました。有り難う御座います。

記事を書き終えた後で判った事ですが、②の「1世帯だけが記載された振込依頼書は、当該する名簿の一番最初に載っていたのが其の世帯(田口容疑者)だったから。」に付いては、「地方という事も在り、振込先を地銀等にしている人が多い中、田口容疑者はメガバンクを指定していた様で、メガバンクは金融機関コードが“若い”事も在って、金融機関コードの若い順に名簿が作られていた“ならば”、田口容疑者の口座が一番最初に記載されている可能性は在り得る。」との事でした。

で、他の点に関し、Kei様の御説明を読ませて戴くと、役場だけでは無く、銀行側にも問題在りそうですね。田口容疑者が当該口座を持つ銀行からは、「入金してから、『大丈夫ですか?』という確認の連絡が在り、役場は誤送金に気付いた。」という事で、諸々の状況を考え合わせると、「入金を受ける前段階で、銀行は役場に確認を入れるべきだった。」と思いますね。

悲しい話では在りますが、今の世の中は「性善説」では無く、「性悪説」に則って対策を採らなければいけない気がしています。

今回の事件を受け、全国で同じ過ちが起こらない様な対策を早急に採って欲しい。血税がこんな馬鹿な事に使われるのは、本当に耐え難いので。

又、今回の“悪質な犯罪”を以て、「生活困窮者が悪いのだ!」みたいな十把一絡げで弱者を叩く風潮が強まる事を懸念します。飽く迄も“馬鹿な人間1人”が遣った事で在り、生活困窮者全員が悪い訳では当然無いのだから。
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