今から30年近く前、「週刊少年チャンピオン」には「ブラック・ジャック」や「がきデカ」、「マカロニほうれん荘」、「ドカベン」、「エコエコアザラク」等々、数多の人気漫画が連載されていた。少年向け週刊漫画雑誌というと今では「週刊少年ジャンプ」が一人勝ちの状態に在る様だが、少なくとも30年近く前の段階では「週刊少年チャンピオン」が圧倒的な人気を誇っていた様に思う。
当時、綺羅星の如く連載されていた人気漫画の中に在って、やや異彩を放っていたのが「レース鳩0777(アラシ)」という作品。それ迄は一般的な認知度の低かった「鳩レース」という競技を世間に広く知らしめたのは、この漫画の影響が大だった。
今朝の東京新聞に「ハトが帰れない」という記事が載っていた。先月中旬、今年最後の鳩レース「菊花賞」が開催されたのだが、東京中地区では例年2千羽前後が出場しているのに、今回は1,289羽しか出場出来なかったという。何でも菊花賞迄に行なわれたレースで、多くの鳩が帰還出来ず失われた為だとか。
3、4年程前から、目的地に帰れないレース鳩が急増しているという話は見聞していた。異常気象等、様々な要因が挙げられていたが、中でも「地磁気で方角を知るとされる鳩にとって、増加する電磁波でその能力が失わされているのではないか。」という電磁波説*1が最も信憑性の高いものとして報じられていたと思う。だから今回の記事を目にした時も「電磁波説の裏付けが取れたのかな?」と思ったのだが、どうやら別の説が台頭している様だ。
「やっぱり猛禽類の影響が大きいのでは。」という声が愛鳩家の間で上がっているそうで、ここ数年ハヤブサやオオタカ等、鳥類を餌にする猛禽類が都心で頻繁に目撃されているという。「50年以上も下町で鳩を飼育して来たが、数年前迄この辺りで猛禽類を見た事は無かった。しかし最近では、訓練で鳩を飛ばした途端に、目の前で群れがハヤブサに襲われた事も在る。」(荒川区)、「去年は鳩舎内に迄ハヤブサが入って来た。」(江東区)という証言も載っている。
オオタカ等に詳しい独立行政法人森林総合研究所の研究員・川上和人氏によると「猛禽類は1980年代以降、都市に向けて分布が拡大している。」とし、又、財団法人山階鳥類研究所の広報担当者も「特にオオタカは環境保全の旗頭として保護運動が盛んで、その結果最近では都心部でもかなり増えている様だ。」と指摘している。
唯、全ての猛禽類が増加しているという訳では無く、「蛙や蛇を食するサシバ等は寧ろ減っていて、ドバト*2やムクドリ等を餌にし始めたオオタカやハヤブサがどんどん都市部に進出して”勝ち組”となっている。」のだそうだ。
勿論、レース鳩の帰還率が下がっている理由が猛禽説と確定した訳では無いが、興味深い説では在る。そして何よりも、人間社会と同様に猛禽類の世界でも”勝ち組”or”負け組”が表面化して来ているという事に複雑な思いを抱いてしまう。
*1 磁石を使用した”鳩除け”が考案された事も在ったが、実際には役に立たなかったそうだ。この事から、携帯電話の普及等による電磁波の影響というのは憶測の域を出ないものではないかと記事では記されている。
*2 栄養状態が悪いドバトよりも、食いでの在るレース鳩が猛禽類から狙われ易いと愛鳩家は指摘している。
当時、綺羅星の如く連載されていた人気漫画の中に在って、やや異彩を放っていたのが「レース鳩0777(アラシ)」という作品。それ迄は一般的な認知度の低かった「鳩レース」という競技を世間に広く知らしめたのは、この漫画の影響が大だった。
今朝の東京新聞に「ハトが帰れない」という記事が載っていた。先月中旬、今年最後の鳩レース「菊花賞」が開催されたのだが、東京中地区では例年2千羽前後が出場しているのに、今回は1,289羽しか出場出来なかったという。何でも菊花賞迄に行なわれたレースで、多くの鳩が帰還出来ず失われた為だとか。
3、4年程前から、目的地に帰れないレース鳩が急増しているという話は見聞していた。異常気象等、様々な要因が挙げられていたが、中でも「地磁気で方角を知るとされる鳩にとって、増加する電磁波でその能力が失わされているのではないか。」という電磁波説*1が最も信憑性の高いものとして報じられていたと思う。だから今回の記事を目にした時も「電磁波説の裏付けが取れたのかな?」と思ったのだが、どうやら別の説が台頭している様だ。
「やっぱり猛禽類の影響が大きいのでは。」という声が愛鳩家の間で上がっているそうで、ここ数年ハヤブサやオオタカ等、鳥類を餌にする猛禽類が都心で頻繁に目撃されているという。「50年以上も下町で鳩を飼育して来たが、数年前迄この辺りで猛禽類を見た事は無かった。しかし最近では、訓練で鳩を飛ばした途端に、目の前で群れがハヤブサに襲われた事も在る。」(荒川区)、「去年は鳩舎内に迄ハヤブサが入って来た。」(江東区)という証言も載っている。
オオタカ等に詳しい独立行政法人森林総合研究所の研究員・川上和人氏によると「猛禽類は1980年代以降、都市に向けて分布が拡大している。」とし、又、財団法人山階鳥類研究所の広報担当者も「特にオオタカは環境保全の旗頭として保護運動が盛んで、その結果最近では都心部でもかなり増えている様だ。」と指摘している。
唯、全ての猛禽類が増加しているという訳では無く、「蛙や蛇を食するサシバ等は寧ろ減っていて、ドバト*2やムクドリ等を餌にし始めたオオタカやハヤブサがどんどん都市部に進出して”勝ち組”となっている。」のだそうだ。
勿論、レース鳩の帰還率が下がっている理由が猛禽説と確定した訳では無いが、興味深い説では在る。そして何よりも、人間社会と同様に猛禽類の世界でも”勝ち組”or”負け組”が表面化して来ているという事に複雑な思いを抱いてしまう。
*1 磁石を使用した”鳩除け”が考案された事も在ったが、実際には役に立たなかったそうだ。この事から、携帯電話の普及等による電磁波の影響というのは憶測の域を出ないものではないかと記事では記されている。
*2 栄養状態が悪いドバトよりも、食いでの在るレース鳩が猛禽類から狙われ易いと愛鳩家は指摘している。
チーターの話は初めて知りましたが、個体が狭い地域内に集中する事が近親交配率を高め、そして一定の免疫を持ち得ない個体数が増加して行くというのは在りそうな話ですね。
やや昔の話になりますが、アマゾンだかでワニの生息数が減っているという話が報じられていました。何でも性器が全体的に小さく、と言うか体内にめり込む方向の雄が増えていて、雄の雌化が進んでいるのではないかというもので、その主要因に環境ホルモンの影響が在るのではないかというものでした。
生態系とは実に微妙なもので、或る生物の増減が生物全体に少なからずの影響を及ぼすもの。生物界の頂点に立っていると自惚れている人間も、気付いたら強烈なパンチを食らっていたなんて事に為り兼ねませんね。
もちろん「レース鳩アラシ」も、楽しみだったマンガのひとつです。
わたしはもともと鳩というのは、巷で言われているほど帰巣能力が高いわけでなく、レース鳩も伝書鳩も半分くらいは行方不明になるものなのかと思っていました。
東京新聞の記事は、「訓練を受けていれば戻るのが普通」ということを前提に書かれているのでしょうか。
だとすると、何か理由がありそうですよね。
個人的には「電磁波説」を指示したいです。
そういえば最近、鷹のような鳥を見かけました。
こんな街中でどうして、と不思議でしたが進出していたんですね。
でも都心に進出することが鳥類にとって「勝ち」かどうかはちょっと疑問です。