ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「続 窓ぎわのトットちゃん」

2024年03月31日 | 書籍関連

******************************************************
窓ぎわのトットちゃん」:女優タレント黒柳徹子さんによる、日本自伝的物語。黒柳さんが尋常小学校へ入学した頃から、青森疎開するの期間に起きた出来事が書かれた、完全なノンフィクション作品。作中の主な舞台は、東京都目黒区自由が丘嘗て存在し、黒柳さんが実際に通学していたトモエ学園で、其のユニークな教育方法も紹介されている。1981年に
講談社から上梓され、大ベスト・セラーとなった此の作品は、「2023年9月末時点で、全世界累計発行部数2,511万3,862部を記録。」し、同年12月14日に「最も多く発行された単一著者による自叙伝」としてギネス世界記録認定された。
******************************************************

上梓されてから早い段階で、自分も「窓ぎわのトットちゃん」を読んだ。「天真爛漫ピュア、でも落ち着きが無くて、興味の趣く言動してしまうトットちゃんは、一般社会では“問題児”として捉えられてしまう子供で、実際にそう捉えて彼女の言動に眉を顰める大人達も少なく無かった様だし、そういう扱いを受ける事に、トットちゃん自身も傷付いていたのだが、自由な校風のトモエ学園に通い、“小林先生”から「君は、本当は、良い子なんだよ。」と認めて貰えた事で、自分に自信が持てる様になる。」というストーリーの此の作品に、救われた思いになった人も少なく無かったろう。

「窓ぎわのトットちゃん」の上梓から42年経った昨年、トットちゃんの其の後を描いた「続 窓ぎわのトットちゃん」が上梓された。太平洋戦争勃発前夜から始まり、(黒柳さんも関わった)日本のTV放送黎明期迄を描いた内容。

「天真爛漫でピュア、でも落ち着きが無くて、興味の趣く儘に言動してしまう。」という所、今の黒柳さんにも見受けられる。時には「失礼だなあ。」と思う様な発言をサラッとする事も少なからず在ったりするが、本人に悪気が無いのは感じるし、何よりも「黒柳さんだったら仕方無い。」と笑って済まされてしまうのは、良い意味での彼女の個性による物だろう。其の個性は、小林先生の「君は、本当は、良い子なんだよ。」という言葉(小林先生からすれば、何気無い一言だったのかも知れないが。)によって涵養されたとも言える。「落第生だった自分(giants-55)が、小学校時代の担任から“勉強以外の或る事”を褒められた結果、自分自身に自信が持てる様になった経験。」からも、大人が子供に掛ける何気無い一言って、結構重要だったりする。という事を改めて感じた。

大人になってからも、其の言動でトラブルになる事が少なく無かった様なトットちゃん。でも、持ち前の明るさと前向きさ、ピュアさに加え、小林先生に掛けて貰った言葉を思い返し、人生を切り開いて来た。黒柳徹子という稀有なタレントの歩んで来た道を知る事で、新たに救われる人も多そう。又、“ユーモアを交えた記述”の中にも、戦争の悲惨さを強く感じる。

日本のTV放送黎明期からの“生き証人”でも在る黒柳さん。共に活躍して来た“戦友達”も、今となっては殆ど物故者となった。後書きに記された、次の文章が強く印象に残る。

******************************************************
「私、百歳まで生きる!」と大騒ぎをしてたら、小沢昭一さんにそれはいいけど、百歳になったら『ねえ、あのころさ。』と話そうとしてもだれもいないよ。さびしいよ。と言われて、ワアワア泣いたことがあったけど、それがいま本当のことになってきた。

兄ちゃんだった渥美清さんも、母さんだった沢村貞子さんも亡くなった。いっしょに老人ホームに入ると固く約束していたお姉ちゃんの山岡久乃さんも、池内淳子さんも先に逝ってしまった。永六輔さんから「かわいそうだねえ。芸能界の家族が、みんないなくなっちゃったね。」と言われたこともあったけど、その永さんもいなくなった。
******************************************************


コメント    この記事についてブログを書く
« 最高の船出 | トップ | ジャイアンツの歴代主将 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。