「解散しちゃうのは寂しいなあ。」という思いは在る一方で、「世界中が哀しんでいる！」みたいな大騒ぎにはうんざりさせられていた“ＳＭＡＰ解散騒動”。昨夜、「ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ」【動画】の一部が生放送となり、メンバー５人が今回の騒動に付いて謝罪していたが、彼等のファンの人達には申し訳無いけれど、「見たくなかった物を見てしまった。」という思いが強く残った。
“取り敢えず”はグループ活動を続けて行く事が決まった様で、其れは其れで良かったと思うのだけれど、「当初からジャニーズ事務所に残留する事を決めていた。」とされる木村拓哉氏以外の４人は、終始悄然とした表情。“公開処刑”されている様で、見ていて辛かった。
ＳＭＡＰのリーダーで在る中居正広氏が、本来は真ん中で仕切るべきだと思うのに、彼は端っこに位置し、謝罪の始まりからずっと真ん中で仕切っていたのは木村氏。「当初から残留を決めており、騒動の中心には居なかったから。」という理由からなのかもしれないが、個人的には「今回の騒動は、絶対に許さない。残留は認めるが、“実質的”なリーダーは木村氏にする。」といったジャニーズ事務所の思惑を感じてしまった。（謝罪の中で草剛氏が「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今、僕等は此処に立てています。」と木村氏の名前を出したのも、何か不自然だったし。）
抑、彼等が謝罪する必要が在ったのだろうか？騒動となった事へのファンに対する謝罪というが、其れ以上に「天下のジャニーズ事務所に歯向かうなんて、許し難い暴挙。公の場で“私達”に謝罪しなければ、芸能界から完全に追放するぞ！」という圧力を感じた彼等が、ジャニーズ事務所に対して謝罪したという感じが強くした。
昨夜の様な形では、木村氏以外の４人が可哀相だったし、又、“良い人”に祭り上げられてしまった木村氏も、妙な批判をされてしまって気の毒。「ＳＭＡＰが解散にならなくて良かった。」と喜んでいる人達も居ようが、一方で「メンバー達の表情からは、不本意さが感じられた。そんな感じで活動を続けても、長続きするかなあ・・・。」という不安を持った人も少なからず居たのではないだろうか。
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公には、パワーゲームとか、人間が人間たり得るがゆえに、起こってしまう闘争とかは、一般の民間人からすれば、そんなものは、職場とか奇しくもメディア等を通した、社会のウォッチの過程で、知り尽くしていると思うのです、その闘争の味も。だから、アイドルを称する彼らが、それを失してしまう、というのは、大きな痛手だと思います。こうした事を言わねば、気付かない、と言う事ではないし、そう考える時点で、視聴者を、無垢なものとでも断定して、馬鹿にしているのではないかと。
SMAPさんほどの、ビッグネームとなれば、一連の大胆な行動によって、騒動を起こす事は分かっていた事だと思うのです。だから、今回の件は、「政変」という、カテゴライズで終わって欲しくない、とも思いますね。
しかしこの「謝罪」に「うわー日本だなー」と。その日にニュースで６０代風の自称ファン女性が「街の人」が「こんなに大騒ぎになって迷惑かけているのだから謝ってほしい」と言っていた。この「迷惑」というキーワードはいかにも日本ですわ。
そしてスマップ騒動と輝かしいデヴィッド・ボウイの歴史を映像で見ていて、「ああなんで自分は中学生の時点で洋楽派に蔵がえしたのか」、はっきりとわかりました。ブラウン管からも伝わってくるこの日本のゲーノーカイの雰囲気が大嫌いだったんですよ。スマップはある意味でかつてのアイドルらが発していた日本の芸能界の暗さを払しょくする「自由なアイドル像」を体現していたように思っていたのですが・・・。
「所属事務所からの独立を画策した芸能人が、他の事務所も含めた猛攻撃に遭い、結果として芸能界から干されてしまった。」といのは、過去に屡々見られた事。自分もＳＭＡＰに対して“自由なアイドル”というイメージを持っていたので、彼等が旧態依然とした体質に搦め取られてしまった結末には、「芸能界って、昔も今も変わらないんだなあ。」という思いが在りました。
「こんなに大騒ぎになって迷惑掛けているのだから、謝って欲しい。」というのは、“誰”に対する迷惑なんでしょうね？「血税を無駄な事に費やした。」とかいうのなら、当事者が謝罪するのは当然（謝罪だけでは無く、然る可き罰も受けるべき。）ですが、ＳＭＡＰ解散騒動がそういう範疇に在るとは思えない。
又、今回の問題で“筋違いの人間”に、「どう思いますか？」と馬鹿の一つ覚えの様に聞いているメディアにもウンザリ。松井秀喜氏の様に、「そんな事聞かれても困る。」といった感じで戸惑いの表情を浮かべていた人も居たし、政治家なんかに聞く質問でも無い。実に幼稚。
例えば或る企業で屋台骨を揺るがす様な大問題が発生した場合、会見でメインに説明をするのは社長というのが普通。そういう意味では今回の場合、リーダーたる中居氏がメインで説明するのが普通だと思うのだけれど、端っこに追い遣られ、木村氏がメインに据えられていたのは、ジャニーズ事務所による“懲罰人事”という色合いを、どうしても感じてしまいました。
隆様が書かれている様に、「一寸した事で、今迄築き上げて来たイメージ等の無形財産が、掻き消されてしまう。」というのは、良く在る事ですね。少し前で言えば船場吉兆（https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E5%A0%B4%E5%90%89%E5%85%86）も、対応を誤った事で、長きに亘って築き上げて来たブランド・イメージを、あっと言う間に失ってしまったし。
スマップの前にいた光GENJI現象の沸騰の理由として前者の場合は「ちょうどターゲットの中高生がたくさんいた（第二次ベビーブーム）」。（稲垣吾郎（1973）の同じ歳の日本人は210万いる。その前後の年（中居、木村ー１９７２、草の１９７４は約２０３万。その翌年から出生率は減り、１点台になるのです。71-７３は特に多い年代。学校の教員もこの世代に合せて採用を増やし、75年生まれあたりが小学校に入る年からは思いっきり減らしたんで、教育学部の学生は一年違いで運不運はっきりしたはず）
松井は７４年生まれ。77年生まれの香取慎吾以外のメンバーと同年代かつ、メンバーに野球ファン代表のような存在の中居正広がいるからでしょう。彼らも団塊世代のようにいっしょくたに扱われるようになったのでしょうね。
日本在住の同じ歳の元野球選手ならともかく、読売帝国から出てアメリカにいる男に聞くのもどうかという感じですが・・・。
ＳＭＡＰのメンバー達（香取氏を除く）と同世代・・・そういう括りとして、今回の問題を松井氏に質問したというのは、可能性として在るかもしれませんね。他に、此れは意外と知られていない話だと思うのですが、松井氏はＫＡＴ－ＴＵＮの亀梨氏を可愛がっていて、帰国した際には亀梨氏と飲みに行ったりしているそうです。亀梨氏も元野球少年でしたけれど、意外な組み合わせに驚いたもの。そういう意味で、ジャニーズ内の問題を質問したのかもしれませんが、個人的にはＴＰＯを弁えない無粋な質問に感じました。
ジャニーズ事務所の横暴さ、そして立件こそされていないものの、色々な問題が過去に取り上げられて来た事等から、同事務所には良いイメージが余り在りません。マスメディアを牛耳っているのもどうかと思っているし、其の点で今回の問題が“帝国”の崩壊に繋がればと、自分も思っています。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/012100028/
一方で、こんな騒動を知って、
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96313760Q6A120C1MM8000/
儒教にある程度影響される社会/東アジア文化圏の共通の病のように思えてきました。
海の向こうには「普通の男の子になります」と言ったとたんにシレっとソロアルバム出すアイドルグループ元メンバーがいるのにねえ。まあ脱退して一年ほど経ってから出すとはいえ。
日本のプロレスラーだと、“引退”を口にし乍ら、何度も現役復帰しているケースが在ったりするけれど、こういうのに関してはファンもメディアも寛容だったりしますよね。“引退”もエンターテイメントの１つと、多くが受け容れている証左なのでしょうが。