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フレデリック・ショパン / 陸奥宗光 / 小村壽太郎 / ジョルジュ・スーラ / アントン・チェーホフ / 国木田独歩 / 樋口一葉 / 瀧廉太郎 / 竹久夢二 / 梶井基次郎 / ヴィヴィアン・リーさん / 石川啄木 / 高杉晋作 / 沖田総司
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歴史に詳しい方ならば、石川啄木の辺りで判ったかもしれない。彼等は皆、同じ病気が原因で亡くなっているのだ。嘗ては“不治の病”と言われ、非常に恐れられた病気。でも、其の原因も治療法も判り、不治の病では無くなった病気。其れは、結核で在る。
「日本で結核患者が出るなんて、そんな多くは無いだろう。まあ罹患したとしても高齢者が主で、若い人には無縁な病気。」と、以前はそんなイメージを持っていた。だから、7年前にハリセンボンの箕輪はるかさん(当時29歳)、そして5年前にJOY氏(当時25歳)が肺結核で入院したという報道に触れた際は、非常に驚いた物。
日本では概して“過去の病気”というイメージの在る結核だが、実は現在、世界的に猛威を振るっているのだそうだ。
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「2014年の結核死者、感染症で最多 エイズ上回り150万人」(5月24日付け東京新聞【朝刊】)
日本では「過去の病気」と見られ勝ちな結核が、世界で猛威を振るっている。2014年の死者は150万人でエイズを上回り、全ての感染症の中で最多。年間新規患者数の37%に当たる約360万人が治療を受けられずに居ると見られる一方、不適切な治療により主な薬が効かなくなる多剤耐性結核がインドや中国等で拡大し、深刻な問題となっている。
世界保健機関(WHO)は今月12日、多剤耐性結核の発見と治療を短期間で安価に行える新たな手法を利用する様、奨励する声明を発表、危機感を滲ませた。WHOによると、2014年の世界の新たな結核罹患者は推定約960万人。死者は150万人で、前年から横這いだった。2014年の結核の国別新規患者数は、インド220万人、インドネシア100万人、中国93万人。
2014年の多剤耐性結核感染者は推定48万人でインド、中国、ロシアで半数以上を占める。死者は、年間19万人と推定される。
一方、嘗ては「死に到る病」と見られて来たエイズは治療薬の進歩でウイルス(HIV)感染者が長く生きられる様になり、死者が激減。以前は結核より多かったエイズ関連の死者は2014年、ピークだった2004年比42%減の推計120万人となり、結核の死者を下回った。日本でも毎年新たに約2万人の患者が発生し、年に2千人以上が死亡。厚生労働省は「日本は未だ、結核の低蔓延国と言えない。」と警告している。
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「結核による世界の死者数が、2014年度は約150万人。」というのは、「そんなに多いのか・・・。」と驚き。「日本でも年に2千人以上が、結核で死亡している。」というのだから、結核は決して“過去の病気”では無いのだ。
こうした情勢で、意義を放つのが、国境なき医師団とか、国際機構ではあると思います。世界のどんな後進地域にも技術者が常駐し、病気に対応するのは、辺境を策源とした、新病の発見にもつながると思いますし、どちらかといえば、非営利団体とはいえ、旧き大病ではなく、新病の発見と、ワクチンの開発に医師団のインセンティブと、存在意義は置かれていると思います。
一昨年の「西アフリカエボラ出血熱流行」(https://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1%E6%B5%81%E8%A1%8C)では、1万人を超える死者が出ました。其の中には、患者の治療に従事している中で感染し、命を落とした医療関係者も少なく無かった。“職業”というだけでは無く、患者の為に命を張って立ち向かった彼等には、敬意しか在りません。
自分が彼等と同じ立場に立たされたら、100%逃げ出さないという自信は無い。其の使命感の高さは、本当に半端では無いですね。