読み進めて行く中で、予想が確信に変わって行く。ところが最後には、その確信を打ち砕く意外な結末が待っている。「そういう事だったのか・・・。」と唖然とする一方で、「完全に遣られたな。」という爽快感を味わえる。上質なミステリーには、そういった要素が含まれた物が多い。
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息子の不祥事で、大森署長に異動したキャリアの竜崎伸也。その大森署管内で、拳銃を持った強盗犯の立て籠り事件が発生し、竜崎は現場で指揮を執る事に。
人質には危機が迫る中、現場でそれぞれの立場を主張する捜査一課特殊班とSAT。事件は、SATによる犯人射殺で解決したかに見えたが・・・。
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今野敏氏の小説「果断 隠蔽捜査2」はタイトルにも在る様に、同氏の小説「隠蔽捜査」の第2弾で在る。息子の不祥事によって、署長に“左遷”された竜崎。過剰な迄のエリート意識を有しているのは相変わらずだが、“現場”に触れて行く事で、心の中に微妙な変化が生じて行く過程が興味深い。正論は吐き辛いこの世の中で、変人と呼ばれようとも己が信じる正論を曲げる事無く吐き続ける竜崎。当初の嫌悪感が徐々に失せ、彼の人間性に魅せられて行く読者も多いのではないだろうか。
「自分の手柄は自分の物。他人の手柄も自分の物。」といった人間は、何処の組織にも居るもの。こんなのが上司になったら、それは不幸以外の何物でも無い。「人当たりは良いけれど、何か事が起こればその責任を全て他人に転嫁しようとする。」という上司よりも、「人当たりは最悪だけれど、主張を曲げずに責任もきちんと取る。」という上司の方が自分は良い。竜崎は後者のケースだろう。
「エリート官僚として、国家を最優先して働く。」という信念を持ち、家庭を顧みて来なかった竜崎。そんな彼の姿勢にも、徐々に変化が生じる。「冷静な判断を常に心掛けているつもりで、実は他者を色眼鏡で見ていた。」というのを、現場での体験で思い知らされて行った事が大きいのだと思う。
冒頭に記した「完全に遣られたな。」という思いが味わえるストーリー。中盤で或る人物が口にした言葉が引っ掛かっていたのだが、それが“事実”への糸口だったとは・・・。
総合評価は星3.5個。
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息子の不祥事で、大森署長に異動したキャリアの竜崎伸也。その大森署管内で、拳銃を持った強盗犯の立て籠り事件が発生し、竜崎は現場で指揮を執る事に。
人質には危機が迫る中、現場でそれぞれの立場を主張する捜査一課特殊班とSAT。事件は、SATによる犯人射殺で解決したかに見えたが・・・。
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今野敏氏の小説「果断 隠蔽捜査2」はタイトルにも在る様に、同氏の小説「隠蔽捜査」の第2弾で在る。息子の不祥事によって、署長に“左遷”された竜崎。過剰な迄のエリート意識を有しているのは相変わらずだが、“現場”に触れて行く事で、心の中に微妙な変化が生じて行く過程が興味深い。正論は吐き辛いこの世の中で、変人と呼ばれようとも己が信じる正論を曲げる事無く吐き続ける竜崎。当初の嫌悪感が徐々に失せ、彼の人間性に魅せられて行く読者も多いのではないだろうか。
「自分の手柄は自分の物。他人の手柄も自分の物。」といった人間は、何処の組織にも居るもの。こんなのが上司になったら、それは不幸以外の何物でも無い。「人当たりは良いけれど、何か事が起こればその責任を全て他人に転嫁しようとする。」という上司よりも、「人当たりは最悪だけれど、主張を曲げずに責任もきちんと取る。」という上司の方が自分は良い。竜崎は後者のケースだろう。
「エリート官僚として、国家を最優先して働く。」という信念を持ち、家庭を顧みて来なかった竜崎。そんな彼の姿勢にも、徐々に変化が生じる。「冷静な判断を常に心掛けているつもりで、実は他者を色眼鏡で見ていた。」というのを、現場での体験で思い知らされて行った事が大きいのだと思う。
冒頭に記した「完全に遣られたな。」という思いが味わえるストーリー。中盤で或る人物が口にした言葉が引っ掛かっていたのだが、それが“事実”への糸口だったとは・・・。
総合評価は星3.5個。
今読んでいるのは「ホノカアボーイ」という小説です。 ハワイの日系人の多く住むホノカアという町を舞台にしたほぼ実話です。 ほぼ実話なので主人公がうらやましくてなりません。 サンフランシスコと東京に家があって、父親の職業が靴の有名なデザイナーで、本人はサンフランシスコの大学生で、大学院を休学してでも人生において大切だと思う経験はすべきだと言ってくれる父親とそれが実践できてしまう環境がなんともうらやましい。 ハワイか沖縄に住みたい。 おみやげやさんに下宿してアルバイトもしながら町に古くからある劇場の映写技師として働くなんて夢みたいです。 しかも周りには優しい日系のコミュニティーがあって、綺麗な女性にもめぐり合えて。 あー私の人生にもこんな良い時があっただろうか・・・そうえいば20年前ロンドンでアレックスとモニカとあともう一人ちょっとおでぶなスペイン人の名前は忘れたけれど、楽しいこともあったような。
自分の場合は専ら移動中の車内で読書する事が多いのですが、寝る前に最低30分は読書しないと眠れないという活字中毒症でも在ります。休みに図書館に足を運ぶと、明らかに昨年辺りから人が増えていますね。収入が減った事で書籍を書店で買わずに、図書館で借りたり、ブックオフ等で安く買う人が増えたものと思われます。書籍関係で生計を立てている人にとっては、厳しい御時世と言えましょうね。
面白そうですね。^±^←ミステリーは結構何でも飛びついちゃいます