ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

片道切符

2013年12月16日 | 時事ネタ関連

AERA(12月2日号)に、「2022年『片道切符』の旅 火星移住に応募20万人」という記事が載っていた。

 

酸素殆ど無く、平均気温はマイナス50度以下。荒涼とした土地には、先住民ない。インターネットは恐らく使えない。」という火星に、オランダNPOマーズ・ワン」が移住する計画をぶち上げた。後述する理由から、火星に移住したら、地球にはもう戻れない。という片道切符なのにも拘らず、世界140ヶ国以上の計20万2,586人が移住希望を申し出て来たそうだ。希望者数はアメリカからが圧倒的に多く、約4万8千人。インド(約2万人)、中国(約1万3千人)、ブラジル(約1万人)と続き、ぐっと減るが、日本からも396人が応募。

 

「マーズ・ワン」は、ロケット等の技術を持つ企業・団体と提携し、10年後、最初の移住者4人を火星に送り込む計画。居住施設は遠隔操作事前に経てておき、其処から出る際は、宇宙服着用が必須。生命維持に必要なや酸素は、地中の氷を溶かして生成ソーラー・パネル太陽光エネルギー活用し、屋内では野菜を栽培する事で、移住直後を除いては自給自足する。2年に、新たに4人ずつが移住し、社会を形成して行くという算段らしい。こういった事に疎い自分としては、「何か詐欺商法っぽいけど、大丈夫なのかなあ?」と思ってしまう。

 

で、何故片道切符なのか?其れコスト削減、『帰星』の手段を用意しないから。という事で、移住者は文字通り「火星に骨を埋める。」訳だ。「水や酸素の生成システムが壊れる等、大問題が起こったらどうするんだろう?」と、心配性の自分は怖くて仕方無いのだが。

 

計画では今後、応募者達を4亘っ篩に掛け、2年後に4人のグループ(多国籍で男女2人ずつ)6~10組を選抜。彼等は其の後7年間、機器の操作や医療食物栽培等を勉強する。実際に使うのと同じ居住施設に長期間暮らし、適応能力を高める。内1組が2022年9月、ロケットで宇宙に飛び立ち、7ヶ月後の翌2023年4月、火星に降り立つのだとか。

 

肝心の費用だが、「最初の4人を火星に送るのに60億ドル(約6千億円)必要。」とマーズ・ワンは見積もっており、此の大半TV局等から放映権料として得る構想リアリティー番組」の素材として、移住者の選考過程から訓練の様子、火星への道中新天地での暮らし振りを“販売”するのだとか。

 

手塚治虫氏の作品「火の鳥」に、「生命編」というのが在る。其の中で「人間と特徴の異なるクローンを作れば、法律の抜け穴で『人間』とは見做されない。人間と見做されないのだから、彼等に殺し合いをさせても法律的に問題無く、其れを番組として放送すれば、高い視聴率が期待出来る。」と考えたTV局のプロデューサーが登場し、実際に「クローン同士が殺し合う番組」を制作して、高い視聴率を稼ぐというストーリーなのだが、「火星への移住計画を番組仕立てにし、パッケージで売る。」という発想に、つい「生命編」を思い浮かべてしまった。

 

極めて少人数の移住者の中で暮らす、其れも大きなトラブルが発生したら、自分1人で救いの無い、生き続けなければいけない可能性も在る。矢張り「火の鳥」の中に在る「未来編」で、「“永遠の命”を得た主人公が、核戦争の勃発で地球上から自分以外の全ての生物が死に絶えた中、彼だけが唯一の生命体として生き続けなければならなくなる。肉体は朽ち果て、意識体となっても、『自分だけしか存在していない。』という孤独に耐え続けなければならない。」という展開に、強い恐怖を感じた自分としては、「火星に行ってみたい。」とは思うけれど、「移住したい。」とは全く思わない。


コメント    この記事についてブログを書く
« 「北朝鮮の粛清劇」から学ば... | トップ | 増加しているのを実感 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。