ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

4,257

2009年04月18日 | スポーツ関連
森羅万象に於いて、「絶対」と言える存在は先ず無いだろう。一見「絶対的な存在」に思える物でも年月を経る事で、そうでは無かったと気付かされ事は間々在るもの。日本球界に目を向けた時、自分の少年時代に「この数字が日本人選手に破られる事は先ず無いだろう。」と確信に近く思っていた記録が在る。王貞治氏の「通算本塁打:868本メジャー記録はバリー・ボンズ氏の762本。)や金田正一氏の「通算勝利:400勝」(メジャー記録はサイ・ヤング氏の511勝。)、福本豊氏の「通算盗塁:1,065個」(メジャー記録はリッキー・ヘンダーソン氏の1,406個。)等々。そして張本勲氏の「通算安打:3,085本」(メジャー記録はピート・ローズ氏の4,256本。)も、そんな記録の一つだった。

その張本氏の大記録を昨日、イチロー選手が3,086本目を放った事で新記録達成となった。*1WBC連覇を果たした事で、日本野球のレベルの高さを再認識したアメリカ人も少なくないとは思うが、それでも「メジャー記録は4,256本。3,086本放った所で、それは極東の一国の記録更新に過ぎない。」と日本のマスメディアの騒ぎ振りを冷ややかに見ている者も居る事だろう。張本氏の大記録もメジャー記録の中では、ベスト10にすら入らないのだし。でも、そんな事はどうでも良い。多くの日本人にとって張本氏の3,085本という数字が「越すに越されぬ大井川」的な存在だったのだし、それを追い抜く日本人選手が現れたというのは途轍も無い驚きなのだから。

張本氏が41歳で成し遂げた大記録を、イチロー選手は35歳で抜き去ってしまった。この偉業に対し、祝福の言葉を送らせて貰う。本当におめでとう!!

パッと思い浮かぶ有名人は? 【四国、九州&沖縄編】」のコメント欄でストラングラー様宛てのレスに記した様に、自分が生でイチロー選手を見たのは、彼の登録名が「鈴木一朗」だった時代のジュニアオールスターゲーム。今から17年前の話で、この試合で彼は大活躍をしてMVPを獲得した。攻・走・守に素晴らしいプレーを見せてくれたのだが、その時は一緒に観戦した知人と「良い選手だけど名前が地味だから、One of themの選手として埋没してしまうんだろうな。」と話していたのだから、全く見る目が無かった訳だ。でも自己弁護になってしまうが、10年程前の段階で「イチロー選手が張本氏の記録を更新する。」と100%確信していた人も殆ど居なかったのではないだろうか。

張本氏の記録に並ぶ安打を満塁ホームランで決める等、「流石スターだな。」と思わせるプレーをこれ迄に数多く見せてくれたイチロー選手。彼が天才プレーヤーなのは間違い無いけれど、天賦の才“だけ”で今の地位を築いた訳では絶対に無い。愛工大名電”に所属していた時代、チームはパッとした成績を残したとは言い難く、“鈴木選手”にプロからの目がそれ程集まってもいなかった。名スカウト三輪田勝利氏の目に留まりブルーウェーブ入りするも、ドラフトでの指名は1位で無く、4位だった。プロ入り以降も、2年間は日の目が当たらない時代。彼の野球人生は全て順風満帆だった訳では無く、幾度かの挫折不断の努力で乗り越えて来たのだと自分は思っている。

昨年迄でプロ経験17年の彼は、平均すると181.3本/年の安打を放っている事になる。それ迄の通算記録を塗り替えた際、概してその選手はヨタヨタの状態に在るものだが、イチロー選手に関して言えばそんな状態では全く無い。こうなったらピート・ローズ氏の“世界記録”を、是非とも更新して欲しいもの。これ迄の平均値で言えば、新記録の4,257本は残り6.4年で塗り替えられる計算になる。年齢で言えば41~42歳の間で、ピート・ローズ氏が記録を達成した45歳よりも大分若い事に。その日が訪れるのを、今から楽しみにしている。

*1 イチロー選手のストーカー・・・じゃなくて大ファンで有名な林家ペーパー子両大先生。今回の偉業達成で、何時もの如く「セキネ赤羽)の肉まん51個」をイチロー選手に贈る事だろう。51個も贈られるイチロー選手も迷惑だとは思うが。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
« ギニアビサウ出身者が42%以上 | トップ | MOTTAINAI »

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
様式美 (tak)
2009-04-18 01:26:45
3,085本のホームランでしたっけ、打った試合に張本選手が来てましたね。ニコニコしながらイチローを見ていたので意外でしたw 「あっぱれ」とか言ってましたし。
イチロー選手は50歳まで現役でやり続けたいといってましたから、ピートローズの安打記録も本当に抜けるかもしれませんね。
NHKの密着ドキュメントを見ていたんですが、イエに居るときは毎日同じカレーライスを奥さんにつくってもらって、つねに同じリズムで生活されているようですね。打席に入るときのアクションや、ヒットを打った後、累上でプロテクターを外す動作もいつも同じで「あ~この人結構ジンクスとか気にするほうなんだな、ある意味ものすごく神経質なんだな。」と思います。でないとアレだけの活躍って出来ないんでしょうね。
返信する
>tak様 (giants-55)
2009-04-18 08:10:29
書き込み有難う御座いました。

カレーの話等、自分も意外と験を担いでいそうなイチロー選手の逸話は意外に思いました。唯、「常在戦場」といった環境で日々闘っているアスリートにとって、未知なる存在に頼りたくなる気持ちも多かれ少なかれ在るのでしょうし、実際問題プロ野球選手でもかなり験を担ぐ方は多いですよね。

又、以前から思っていた事で、先日読んだ「伝説のプロ野球選手に会いに行く」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/ddc3b3c99e50edb1c0f23ccab182781f)で「やはりなあ。」と再認識したのは、「超一流と呼ばれる(呼ばれた)選手達は、半端じゃ無く記憶力が良い。」という点。昨日、江本氏がイチロー選手の凄さを語った際、強調していたのが彼の記憶力の良さ。かなり前にたまたま何処かのデパートでイチロー選手と出くわしたそうですが、その事を大分経ってから「○年X月△日に、□デパートで御会いした時に・・・。」と言われてビックリしたと。「恐らく彼は、これ迄の全ての打席の事を覚えてるんじゃないか。」とも。全打席は言い過ぎにしても、記憶力がかなり良いのは確かかもしれません。

時にアナクロな言動を感じる張本氏。イチロー選手の記録に付いても「彼の記録は日本とアメリカを跨いだ物だが、私のは日本だけで内容が異なる。」といった、捉え方によっては「自分の記録の方が凄いんだ。」という「その論理おかしくない?」と思ってしまう発言も在りましたが、実は十数年前の時点でイチロー選手に対して「俺の記録を抜くのは御前しかいない。」といった話をしていたとか。天才は天才を知るという事でしょうね。
返信する
ピンクの服 (ストラングラー)
2009-04-18 10:36:53
ペーパーのピンクのおそろいの服を見て、最初、全身ピンクに固めた石川遼君について書いてあるのかと思ってしまいました(大笑)
返信する
Unknown (ハムぞー)
2009-04-18 12:16:08
takさんが書かれている
「同じ動作とリズム」
掛布選手を思い出しました。

いかに自分のタイミングでプレーするか
そこのこだわりが一流のプレーには
必要なんでしょう。

>4256
現在36歳
年齢が上がっていきますから
肉体の衰えはトレーニングで防げたとしても
眼の衰えが出てくるそうです。

イチローも最後には、
東知事のように
老眼鏡を掛けてプレーしてるかも(笑)
返信する
>ストラングラー様 (giants-55)
2009-04-18 12:21:02
書き込み有難う御座いました。

イチロー選手の居る所、しばしばあの目が痛くなる様なショッキング・ピンクの御二方が居られますね。

石川遼君、自分が同年代だった頃を思い返す度に、彼の余りにしっかりした所に感心します。「自分に子供が授かった場合には、彼みたいな息子だったら良いなあ。」と思う一方で、「あんな出来が良い息子だと、自分みたいな親だと双方に息が詰まってしまうかも。」と意味無い不安を覚えたりも。それにしても、彼は派手な服を着ても似合いますね。若さの特権なのか、はたまたパーソナリティーの違いなのか。
返信する
>ハムぞー様 (giants-55)
2009-04-18 12:32:19
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰いますね。

そうそう、掛布選手も同じ所作とリズムで打席に入った選手でしたね。落合選手もそうでしたし、やはり“極めた人”というのは独自の決まり事を持っているのかもしれません。

今回の記録更新で様々な方がイチロー選手に付いて記事を書いておられましたが、特に印象的だったのは彼の打撃フォームに関しての事。御存知の様に嘗ては「振り子打法」だった彼も、メジャーに移ってからはそのスタイルを捨てました。日本とメジャーの投手の差異を考え合わせた上での変更だった訳ですが、生涯「一本足打法」を通しぬいた王貞治氏との違いに触れていたのが興味深かったです。どっちが良い悪いでは無く、一選手としての思考の違いというのが垣間見えて。

嘗ての名選手達が口を揃えて証言するのが、「一番最初に衰えを感じたのが視力、それも動体視力だった。」という点。天才打者のイチロー選手でも人間で在る以上は、その衰えを痛感させられる日が来る事でしょう。否、天才だからこそ、その“気配”はかなり前から感じ始めているかもしれません。衰えを自覚しつつ、如何に選手生命を長らえる為の工夫を凝らすか。超一流選手だからこその悩みとも言えましょうが、彼ならばそれなりの対策が採れそうにも感じます。
返信する
日米合算だけOK? (破壊王子)
2009-04-18 23:34:04
ならばナベQや新浦達の記録は日台や日韓合算で語られたっけ?っていうのがあるから、ハリーが『イチローの記録はあくまで参考記録』というのはある意味正論です。

ただ3085本目を放った時、背番号42を背負っていたことに触れたメディアが少ない気がします。ハムぞー所長などブロガーには見られます(普段なら上田某は未だ未更新なのがおかしいですが)42を背負った一人の男が闘ったおかげで我々有色人種の代表がMLBの舞台に立てるんですから。

返信する
>破壊王子様 (giants-55)
2009-04-19 01:42:41
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

なるほど、日米通算だけなのも片手落ちでは在りますね。「日本球界よりもレベルの低い国での記録なんか、一顧だに値しない。」という発想が其処に在ったとしたら、嘗て我が球界がメジャーからそう思われていた事を考えると実に不遜な事だと思うし、少なくとも現段階に於いてはそういうレベルでは無いし。唯、何等かの“縛り”を入れないと範囲が無制限になってしまうので、例えば「プロ組織内での記録」といった観点で語るといった必要性は在るかも。

ジャッキー・ロビンソン氏の功績は間違い無く大きい。仰る様に彼の存在が無ければ、日本人選手がメジャー挑戦なんて時代は在り得なかったでしょうし。今でも差別問題が根強く残っていると言われるアメリカですが、ああやって多くの選手達が「42」を背負っている姿を見ると、懐の深さを同時に感じなくも無いですね。
返信する
Unknown (iorin)
2009-04-20 01:49:50
イチローは完全に至宝となりましたね。

日米通算でも4257は抜けると信じていますし、世界一の安打製造機と思っています。
一昔前は助っ人外国人といって日本の野球では随分と活躍していた選手が多く居たが、最近の外国人は通用するのか?大丈夫か?と思うように見る目が違ってきました。それだけ日本の野球のレベルも上がってきてますので、アメリカでも認めてもらいたいです。
返信する
>iorin様 (giants-55)
2009-04-20 08:58:56
書き込み有難う御座いました。

通算安打記録に関してこれ迄、張本勲氏とイチロー選手の間で丁々発止が繰り広げられて来ました。中には「其処迄言ってしまうと、相手に対して非礼では?」と思う様な物も在ったのですが、いざ新記録達成した際の両者のコメントを拝見すると、御互いに相手の凄さを認め合っているのが垣間見られて、「『超一流は超一流を知る。』というのは本当なんだな。」と感じました。張本氏が悔しさを滲ませていたのは一寸笑えましたが。

「記録」という物に対する捉え方は人それぞれで、非常に難しくは在りますね。年間のホームラン記録を取ってみても、「(年間の)試合数の違いが在り、その価値は異なる。」という論争が日米共に繰り広げられた事が在りますし。唯、「途轍も無い記録」という物に対しては素直に敬意を持って欲しいと思うし、自分もそう在りたいと思っています。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。